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異世界ツアー2 ~異世界の未来とその趨勢~  作者: 黒田明人
4章 第一次対連合軍紛争勃発
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19話 勧誘

 

 

結局、魔導ロケットの噴射すらも影響するという事になり、それを使わない方法・・

弓矢に活用するという事になり、魔導ロケットの使い道がまたひとつ減ったらしい。

もう普通に爆弾詰めて飛ばそうという事になるが、折角の推進用水晶をそれだけの為に使うのがもったいないという話になり、またしても新たな使い道を模索する面々であった。

一方、矢の製造をやっている部署では、粉を微量詰める為の方策の検討を始め、魔導爆雷式クロスボウへと発展していくのだった。


試作品をある狩りのパーティに貸し出して、使用感を聞いた事からそれは始まった。

魔物の中には魔法を使ってくる敵もいるのだが、それらの魔法に矢を撃ち込んでくれというリクエストだったので、それを実行したところ、倒すのに苦労するはずの敵があっさりと吹き飛び、その有効性が明らかになったとか。


それからというもの、魔導爆雷式の矢の需要が派手に高まり、関係各所と相談の上、売価を設定したものの、即日で売り切れになる有様。

なんせそれがあれば非戦闘員でもレベル上げがやれると言うのが大きく、熟練達にガードされながらの狩りで二桁になった者達も出て、その身体能力の上昇に改めて驚き、休日の狩りなんてのもブームになり、ますますの需要となったらしい。


なので結局、魔界の粉はクロスボウの矢に専門的に使われるようになり、魔導ロケットの前途はまた暗くなったのである。

有効性は高いのにコストも高い、なのに大量に作れてしまう武器として、しばらくの間、関係各所を悩ませる問題になったとか。


そんなある日の事、彼らの元に朗報が持ち込まれた。

なんと3国がそれぞれ、飛行船の開発に成功したという話である。

恐らくは王国の関係者から漏れたと思われるその技術は拙いものの、一応は空に浮かべる性能であった。

何故それが朗報かと言うと・・


「遂に出番が来たぜ」

「くっくっくっ、空対空ミサイルにするぞ」

「いやいや、地対空だろ、やっぱし」

「近接信管なんだけどよ、マナを探知して発動させるのがさ、魔界の粉の活用でやれそうでよ」

「お、さすがは信管おたく」

「相手が鉄なら磁気信管でも良いけどよ、まだそこまでは進んでねぇしな」

「磁気信管もあんのかよ」

「まあ、輸入品から調べて色々とな」

「けどよ、噴射で影響されるんだろ」

「だからな、魔導ロケットの先端にな、細い棒を付けてよ、その先に粉の容器を付けるんだ。それなら影響も殆ど無い。んで、相手のマナを探知すると不安定に

なって誘爆するが、その時にロケットもついでに爆発すると」

「噴射水晶の転換もいけそうなのか」

「バッチリだぜ」


そんな訳でまた奇想兵器がお目見えしそうな感じになっているが、役に立つかどうかはまだ誰にも分からないのであった。

そのうちに魔導自走対空砲なるものを開発した団体があり、守護神との協力体制の下、量産化の話し合いが持たれていた。

その時に大量に作れる魔導ロケットの話が出て、推進水晶のコスト高が懸案事項となっているのを知り、水晶無しで魔導ロケットを弾にすればどうかという話になった。元々、迫撃砲のような感じに魔法で弾を打ち出す方式な訳で、爆弾付きの筒なら流用が効くと。どのみち軍隊が相手ならコントロールは要らないと、大量生産の魔導ロケットは、推進水晶無しで大量にストックされていった。


元々、金属の筒は錬金術師の初期の研鑽に向いていて、それに慣れて初めて球体がやれる。

なのでそれを流用して道路標識などに使われていて、国名の時に大量生産の体制を整えたのがある。

それがそのまま魔導ロケットの胴体に流用されていたのだ。

ただでさえ鉱山は首都の周囲に大量にあるうえに、彼が研鑽でそこいらの土を新型錬金術で鉄鉱石に変えまくっていたので、それこそ腐るほどある訳だ。

もちろん倉庫にも大量に入れてはいるが、初期の純度の低いのは放置されていて、それらからでも採れるとあって全て運ばれて精錬されてしまったと。


「これがあの国の秘密か」

「はい、王国の技術者を獲得しましてな、何とかここまで」

「素晴らしい。これを量産すれば、今度こそ」

「つきましては」

「うむ、分かっておる。充分に報いよう」

「ありがとうございます。苦労した甲斐があったというもの」


   ☆


「ううむ、まさかこんな方法で」

「ええ、これを獲得するのには苦労しましたよ」

「ご苦労だった。報酬のほうは期待しておいてくれよ」

「ははっ」


  ☆


「これが約束の空を飛ぶ乗り物か」

「はい、これさえあれば、何者にも恐るるに足りぬかと」

「あやつの報酬の件だがの」

「いかが致しましょうか」

「払う必要があるのかの」

「それは止めておいたほうが良いかと」

「何故じゃ、もうこれは手に入ったのじゃ。あやつにも用は無かろう。殺さぬだけありがたいと思えと追い返せ」

「まだ僅かひとつに過ぎませぬのに」

「構わぬ」

「畏まりました」


  ☆


「てな感じで西だけ支払い無しでした」

「なら、西は壊して良いな」

「ポチッと」

「遠隔か」

「ええ、今頃は大爆発を起こしていると」

「なら、今度の連合軍は、西だけ地面オンリーか」

「どうやらそのようですね」

「まあ、水素を使ってくれるなら万々歳さ、クククッ」

「そうですな」


その頃、西では大騒動になっていた。

たまたま王が視察に赴き、中の様子を見ている最中に、頭上の風船が大爆発を起こしたのだ。

当然、直下の者達は即死となり、王も同様になったとか・・


(やはりこのような仕掛けを・・だから申しましたのに・・このような秘密の塊のようなもの、安易に手放すなどあり得ぬ話・・私でもこれぐらいの事はやりますとも。そして金と引き換えに解除すると・・それぐらいの事も読めぬとは、やはり王の資質にあらずか・・さて、次は誰が王になる。願わくば、あのような愚か者にはならんでくれよ。さて、残骸からどれだけ読み取れるか・・愚か者のせいで、折角の新技術が・・ふうっ、致し方あるまいな)


「ちょっと良いかな」

「僕に何の用だい」

「飛行船の件と言えば分かるかな」

「あいつの仲間かい」

「残念だったね、まさか王ともあろう者が、約束を破るとは思わなくてね」

「愚か者が王になると、下の者が苦労するよ」

「実は勧誘しに来たんだが」

「僕をかい」

「あんな旧式じゃなくて、最新鋭の飛行船を扱ってみたくないかい?」

「くつくつ、なるほどなるほど、あれは君の国の仕業かい。つまりあの飛行船には何か欠陥があるんだね」

「どのみち技術は漏れるもの、ならば誤った方向に導くのも戦略だと思わないかい」

「まさしく、有効な手だね」

「実はあれはうちのトップの立案でね」

「ほお、あのよう事を考えるのか、守護神は」

「会ってみたくないかい」

「興味があるね。本当に言われているような、化け物なのかどうかもね」

「ピポパポ・・もしもし、カラスだけど、セイランさん来るってさ。だから迎え寄こしてよ」

「そ、それは、何だい」

「ああ、オレ達が使ってる通信さ。君も仲間になれば配られると思うよ」

「何と言うか、色々な事が凄まじく、進んでいるんだね」

「それも守護神から教わるといい。更なる学問への道もちゃんとあるから」

「それは飛行船なんかの技術体系かい」

「いやいや、その元になる基礎科学さ」

「か・・がく・・」

「聞き慣れない言葉だろうけど、そいつを身に付けないと全てが理解出来ないよ」

「それを学ぶ機会が貰えると言うのかい」

「もちろんさ、歓迎しよう、セイランさん」


新キャラのようですが・・

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