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異世界ツアー2 ~異世界の未来とその趨勢~  作者: 黒田明人
4章 第一次対連合軍紛争勃発
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17話 策謀対策

 

 

地下の魔導パイプラインの事は秘匿事項だが、その存在の事は明かさねばならず、彼らはそれを『龍脈』と称した。

確かに竜の血液が材料なのだから、厳密に言うならそうかも知れない。

だがそれを担っているのはかつての戦いで敗れた者達の成れの果てであり、かつまた守護神であったりするのは極秘になっている。

なので他国を始め直轄領の者達は、地下の魔力溜まりの獲得に成功したと思っており、特に他国ではその研究が繰り広げられていた。


「まだ見つからんのか」

「ははっ、国内の何処を探しても、そのような魔力溜まりを見つける事は出来ず」

「あるはずなのだ、無ければあのような事にはならぬ。もっと探せ、徹底的に」

「ははっ」

「それはよもや、あの化け物が供給しているのではあるまいか」

「それはワシも考えた。だがな、推定でも500億ものマナが消費されているのだぞ。あれがいくら化け物でも、そこまでなどあり得ん」

「なれば他の人員も導入されて・・」

「そこまでする意味は何だ。人員が欲しければそれぞれに遣わせば良いであろう。隠す意味がどこにある。あるのだ、必ず何処かにな」


平均MP2000の持ち主たちが2万・・これで4000万となるが、使えば増えるのがマナ容量である。

確かに40才を超えると止まると言われているが、中にはまだ若い者達も存在している。貴族の子女達である。

彼らはヤマトに恭順する事を拒んだ事でこういう目に遭っているのであるが、魔力の素質は貴族に多いと言われるだけの事はあり、マナタンクとなった今でも、平均4000の強い魔力を保持し、供給に参加している。その合計数値の概算は、実に6500万にも及ぶ。


他国の推定は年間消費のそれであり、彼らは日産での生産になっているので、年間の場合は240億程の生産量になる。

それに加えて表の者達の副業も足され、更には守護神の供給もある。

なのでまだまだ余裕がある訳ではあるのだが、やはり守護神無しにはやっていけない状況でもあり、地下ではその手の人員は不足の傾向にあった。


3国がそれぞれに探しに探し、国内をくまなく何度でも探すが見つからず、遂にはひとつの結論に至る。

それはあの国の地下にしか存在しないのだと、そういう誤った結論に・・

そんな無尽蔵な魔力溜まりがあるからこそ、あの国はあのように豊かなのだと、他の事例もそれを後押ししているかに見えた。

ヤマト国が王国を完全に併呑し、直轄領として統治を始めてから15年が経過し、他国のスパイの数も増えた事から、地下の人員はますますの増加傾向にあり、第九次拡張計画にまで発展し、衛星領全ての地下にもそれぞれ配置され、ますますの供給量になっていた。


そんなある日の事、偵察隊が不穏な動きを捉える。3国のトップ達の不自然な行動である。

それぞれは例えば狩りであったり避暑であったりまたは遠乗りであったりと様々であったが、その行き先が同じというあり得ない偶然。

タカラマ高地と呼ばれる、北の国と南の国の境にあるその場所には、元は川であったのか細長い湖が存在し、その中央を国境とする事が昔から定められていた。

前回の紛争のどさくさでこれを破ったのは南の国だったが、その湖の畔に彼の魔法が炸裂した事により、入り江のようなものが出来ていて、そこから対岸は中々に見えなくなっている。そしてその対岸に小さな祠のようなものが出来、それは岩で巧妙に隠されていた。


だが、上空からの調査などは想定外であり、高高度偵察隊によってそれは明らかになっていて、3国が秘密裏に会合を開かんとしていると判断。

すぐさま対抗策を講じようと作戦本部にもたらされた。

戦争が終わったのに作戦本部が解体する事はなく、彼らは彼らでそれを楽しんでおり、毎週集まってはあれこれと雑談をするのが楽しみになっていた面々だった。

そんな彼らも今は真剣に・・いや、本人達は真剣なのだが、他から見るとやはり趣味の世界に浸っているとしか思えず・・


「高諜から通達があったのはここか」

「守護神の魔法で出来た穴の反対側とは考えたな」

「それっぽく岩を水際に置いて、その裏側は良いが、上から丸見えなのが間抜けだな」

「それで、どうする。計画では2ヵ月後ぐらいになりそうだと言われているが」

「いよいよ、アヒル型盗聴器の出番だな」

「お、お前、遂に譲ってもらったのか」

「くくく、何度も頼んだ甲斐があったぜ」

「くそ、いいな、オレも欲しいぜ」

「待て待て、今はそんな場合じゃないだろ。それに、欲しいなら頼んでみろよ」

「そうだな、そうしてみるか」

「あ、オレも貰ってんだけどな」

「何だと、くそっ」

「ただな、樹木型なんだよな。あの辺りって木が生えているのか」

「このポツポツとしたのが木だろ。ちょっと望み薄だな。森なら問題無かったろうが」

「くそっ、残念だぜ。折角、使えるかと思ったのによ」

「てな訳でアヒル型に決まりだな」

「ああ、悪いな、うちの新製品を使ってくれよ」

「おいおい、生き物は守護神オンリーだろ。それともお前、やれるようになったのか?」

「ふっふっふっ、岩があり、祠がある。つまり、石系の盗聴器ならいけるって事だ」

「あっ・・」

「うっ・・」

「決まりだな、くくくっ」


決まれば彼らの行動は早かった。

夜陰に乗じて件の岩の裏側、つまり祠の裏手に忍び寄り、祠の壁をグルリと切り取り、それと同色同型の岩壁型盗聴器を埋め込み、セメントで固めて着色して偽装を施し、電源を地面に埋めて配線を偽装しながら岩の天辺まで走らせ、偽装アンテナを設置する。

そしてその対面の入り江のような場所に小さな受信機を置き、地面に溝を掘って電線を引いていく・・

数百メートル先に偽装アンテナの木を植樹し、そこから大容量で本部に送信。

その全てが終わった後、3国の秘密会談は行われたのであった。

ちなみに使用された道具の殆どが輸入品であったのは、ヤマト国特定機密事項とされている。


「ほお、この地下に無尽蔵の魔力溜まりか」

「そんなのがあったらアントとかしねぇよ」

「けどな、あいつらがその燃料を送り込んでいる訳だし」

「今どれぐらいなんだ」

「凄いぜ、年間280億だとよ」

「うげ、マジかよ」

「ま、それと同量、守護神が稼ぎ出すとも言われているがな」

「ふうっ・・とんでもないな」

「ただな、もっと増やさないと守護神の負担が軽減されなくてな、それが懸案事項になっているんだ」

「ならさ、もっと宣伝してこいつら誘ってよ、敗残兵そっくりいただき作戦と行こうぜ」

「なら、第十次拡張計画の前倒しからか」

「タヌキの皮のようだが、収容出来ませんじゃ通らんか」

「よし、審議会に提出しておくぜ」

「なんだ、もう草案があるのか」

「副業の傍ら、第十八次まで作成してあるぜ」

「くっくっくっ、暇人かよ」

「マナタンク増設だと、第十四次の草案をチョイと手直しして提出すればいけるだろ」

「どんな草案なんだ」

「マナタンク倍増計画だ」

「成程、それなら足りるか」

「よし、そうと決まれば関係各所にそれぞれ伝達だな」

「決まりだな。よし・・ヤマトの未来は」

「「我らが守る」」


皆さんノリノリです。

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