レイホウって何?
変な少年と出会った次の日、真心はいつものように学校に行き、いつものように授業を受け、昼休みになった。
「でさ!昨日やっと霊峰山行けたんだけど、ソロじゃむりだったわw」
「やっぱなぁ!俺も霊峰行きてぇ!あぁ今日の部活早く終わってくれれば良いんだけど」
レイホウ、レイホウって、学校でもか、、、
「はぁ」
入学してもう、何十回目かのため息を真心は吐いていた。
「F.Wでレベル上げも良いが、成績も上げていけよ!あんまし悪いと先生方々からのヘイト上がんぞー」
「うぃーっす!」
「そんときは、タンクに囮になってもらいま~す」
「ざんねーん、先生達は広範囲型なんで、職関係なく潰しまーす」
ブーブーとクラス中が騒いでいた。
ただ一人、真心だけは何を言ってるのか分かってなかったが
「えっ?ヘイト?タンク?、、、もう、先生までゲームかぁ」
そして、ふと昨日のことを思いだした。
目付きの鋭い少年の言葉を
ー貸してやるよー
「、、、」
いや、でもなぁ、騙されてたら怖いし、むしろ絶対騙されてるし、ワケわかんないし、普通に帰ろう。
そんなことを思ってるとホームルームも終わりを見せ、皆バラバラと別れていった。
真心も学校を出て歩き出したが、住宅街を抜けて見える大池公園の近くに来ると、つい立ち止まり、公園を向いて、また歩いては止まりを繰り返していた。
「なにやってるんだ、帰らないと!、、、でも来ないとぶん殴るとか言ってたし、ほんとに貸してもらえるならそれは、友達を作るチャンス、、、いやでもなぁ、嘘だったら、かつあげとかだったら、、、」
そんなことを考えているから気づかなかった、公園の中からその少年が出てきていたことを
「うーん、どうしようかー」
とりあえず1度昨日の場所に行ってすぐ帰ろう、そしたら一応ちゃんと行ったことになるし!
よし、と身体を公園の方に振り向かせると目の前にその少年が満面の笑みでいた。
「待ってたぜ!ちゃんと来たな!よし、では公園の中に入ろうぜ」
「後戻りは出来ない!行こう!」
「お前、思ってること口に出てるぞ?」
と笑われながら先へ向かうのだった。