ヌヴェル37 ふろうちゃあと
掲載日:2026/09/21
彼はいつも理想を追い求める。
理想的な結果から遡るフローチャートを頭の中で作り上げ、そのフロー通り展開していくことを妄想する。
人生に台本などない。
彼が求めているのは、台本のある人生だ。
自分がいつもハッピーエンドを迎えられる台本のある人生を求めている。
そんな人生などない。
ゆえに彼はフロー通りに展開しないことに不安をいだき、更に細かなフロー図を描こうとする。
それが人生の本来の姿から遠のいていくということも分らずに。
彼の毎日はそのフローチャートのシミュレーションで明け暮れる。
シミュレーションをすることで、新たな問題が見えてくる。
こうなったらどうすればいい?
こうしたらどうなる?
不安ばかりが増えていく。
だから、シミュレーションしても仕方ないんだって。
その通りいくはずがない。
そう言っても、彼には理解できない。
徐々に彼の顔かたちが変わってきている。
耳や口は、処理を表す「四角形」に。
顔全体は、判断を表す「ひし形」に。
耳や口からは、「矢印」が垂れている。
早く気付かないと、取り返しのつかないことになるよ。




