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3話 のめり込み

マウスピースで音が出るようになった僕は白鳥からトランペットを吹いてみないかと言われ、初めてトランペットを構える。

彼女の細かな説明に魅了される僕は集中して学ぶが、練習ごトランペットからマウスピースを外そうとしたその時、、、

マウスピースを白鳥からもらった僕は音とが出ることが嬉しいくて昼夜問わず吹き続け、プラスチック製のマウスピースをカバンに入れて持ち歩くほどだった。


待ち合わせをしているわけではないが、帰りがけに川沿いの道でトランペットを練習している彼女に会い、会話や練習をやりとりすることが日常になりつつあった僕は、徐々にトランペットの楽しさにのめり込んでいった。


唇にマウスピースを当てるぽくを見て彼女が話しかける。



白鳥:マッピだけじゃ物足りなくない?


マウスピースだけで音階が吹けるようになっていた僕を見て彼女は不思議そうに話す。


僕:え?別にこれだけでも楽しいよ?


白鳥:これにつけて吹いてみてよ?


彼女は自分のトランペットからマウスピースを抜き、トランペットを手渡した。


僕:いいの?


白鳥:私の気が変わらないうちに取らないと一生吹けないよ?


僕は彼女の「一生吹けない」と言う言葉に寂しさと不安を感じ、トランペットを手に取った。

そしてプラスチック製のマウスピースを拭き口に差し込み、彼女の見様見真似で覚えた姿を再現するように初めてトランペットを構える。


かなり重い。


腕が震える。


彼女はいつも軽々しく持っていた様子だったため、その分反動が大きく、より重く感じた。


彼女が後ろから僕の左の肘を支え、右手の押さえ方を指を重ねて教えようとする。


白鳥:右手の指は3つのピストンに。左手の指はピストンのまとまり部分のここを持っつ。マッピを持つ感覚と手の距離が違うから気をつけて?

背筋を伸ばして目はまっすぐ遠く。

息を吸う時は鼻からお腹に溜めたら頭の後ろから飛ばすイメージで吹く。


彼女の説明が耳元でゆっくりとささやく。

僕はその時、耳に当たる微風と彼女の髪の香りに包まれ、緊張と焦りで手が震え、動転しそうになる。


白鳥:大丈夫、集中して。

ゆっくり力を抜いて吹いてみて。


彼女はそう言うと手を離し、少し離れた。


僕は深呼吸をし、深く鼻から息を吸う。

唇を極薄にし、なるべく遠くに音を飛ばすイメージで音をだす。


ーーー


初めてトランペットから出た音はカスれた1オクターブ高い「ド」の音だった。


白鳥:まだまだねー


白鳥はニヤニヤしながら僕をみる。


僕:初めてなんだ、しょうがないよ。と言うよりこれからだし。


白鳥:ごめんごめん。そだよね。

今出した音は1オクターブ高い「ド」だよ!

1オクターブ低い「ド」は吹ける?

少し唇の張りを緩めるの。


彼女に教わったように僕は再びトランペットを構えて音をだす。


ーーー


白鳥:そうそう、できんじゃん!


さっきより音は出たが、彼女から褒められる僕はさっきのニヤケ顔が忘れられず、そっぽを向く。


彼女は再び僕の右手に手を重ね、人差し指と薬指を押さえる。


白鳥:これが「レ」の形。


白鳥は続けて「ミ」から「シ」までの指の型を順に教えてくれた。

僕は真剣に何度も覚えながら吹く。


数十分経ち、僕はいつまでもトランペットを借りていることが申し訳なくなり、マウスピースをとりはぞそうとした。


僕:そろそろ返すよ


僕はトランペットの口元から抜き取ろうとした瞬間、プラスチック製のマウスピースが脆く折れ砕けてしまった。


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