表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界従魔具店へようこそ!〜私の外れスキルはモフモフと共にあり〜  作者: 渡琉兎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

165/165

第165話:嬉しい依頼

「お久しぶりです、カエデ様」

「ど、どうしてレイス様が? それに、ミリア様は?」


 レイスが来たことにも驚きだったが、護衛騎士であるミリアの姿が見えないことも、楓を驚かせていた。


「ミリアは別の仕事がありまして、別の者に護衛を頼んでいるんです」

「別の者、ですか?」


 従魔具店の中に入ってきたのはレイスだけだ。

 既にヴィオンも扉を閉めているし、レイスもそれに対して何か言及している様子もなく、外に締め出してしまっているということもなさそうだ。


「……あ! もしかして!」

「フシュシュー!」

「クロウ!」


 レイスの護衛、それは彼の従魔になった、シャドウイーターのクロウだった。


「本当に久しぶりだね、クロウ! 元気だった?」

「シュシュッ! シュシュシュー!(元気! 主はいい人!)」

「うふふ。そうだよね。レイス様はとってもいい人だよね」


 クロウの言葉を翻訳しながら、楓は嬉しそうにそう口にした。


「僕と再会したことよりも、クロウと再会できたことの方が嬉しそうなのは気になりますけど、いい人と言われるのは嬉しいですね」

「え? あ! えっと、そんなことはありませんよ! レイス様との再会も、とっても嬉しいです! 本当ですよ!」


 レイスの言葉に楓は慌てて言葉を付け足した。

 だが、レイスも本気で文句を言ったわけではない。

 それに、クロウは楓の窮地を助けてくれた従魔なのだから、再会を喜ぶのは当然だとも思っていた。


「冗談です、カエデ様。失礼いたしました」

「……レイス様~?」


 王族にジト目を向けられるのも、楓くらいのものかもしれない。

 この場にミリアがいたなら、ちくりと首を刺されるくらいはしたかもしれないが、今日はいない。


「……でも、ミリア様がいらっしゃらないなんて、珍しいですね」

「先ほども言いましたが、別の仕事を任せていまして、どうしても外せなかったのです」

「そうなんですね」


 せっかくならミリアとも会いたかったと思いつつ、楓はレイスがどうして足を運んでくれたのか、その理由が気になった。


「それでは、レイス様。本日はどうなさったんですか?」

「今日は以前に約束したお願いをするために来たんだ。クロウの従魔具を割引で作ってもらう、って言う約束をね」

「シュッシュシュー!」


 レイスは「割引」のところでウインクをしながら、楽しそうにそう答えた。

 クロウも彼の周りで体を揺らしており、嬉しさを表している。


「本当ですか! 嬉しいです! ……あ、でも、私のオーダーメイド依頼は、材料の持ち込みなんです。前回にお伝えしておくべきでした!」


 目の前に立つレイスは非常に軽装で、従魔具の材料を持っているようには見えない。

 これでは二度手間をさせてしまうと、楓は申し訳なくなってしまう。


「ご安心を、カエデ様。父上にお願いをして、クロウの従魔具の材料になりそうなものは持ってきています」

「そうなんですね! ……でも、どこに?」


 困惑顔の楓に対して、扉の横に立っていたヴィオンが口を開く。


「魔法鞄ではないか?」

「正解です、ヴィオンさん」


 そう答えたレイスは、腰に提げていたポーチを軽く叩いた。


「材料はどちらに出した方がよろしいでしょうか?」

「あ! それじゃあ作業部屋に……って、勝手に話を進めていました。大丈夫でしょうか、オルダナさん?」


 慌ててオルダナにも確認を取った楓だったが、彼はすぐに答えてくれる。


「大丈夫に決まっているだろう! ってか、そんなこと確認するな!」

「え? でも、確認は大事ですよね?」

「王族の依頼だろう! 何よりも優先するべきだ!」


 オルダナが声を大にして答えたのだが、そこへレイスが口を挟む。


「いえ、オルダナさん。もしも先に受けている依頼がありましたら、そちらを優先していただければと思います」

「で、ですがねぇ……」

「そこは安心してください。オーダーメイドに関しては、現時点で受けている依頼はありませんので」


 レイスはあくまでも順番通りに対応してほしいと口にしたが、材料が持ち込みということもあり、楓の言った通り今のところは誰もオーダーメイドを依頼していない。

 そのため、クロウの従魔具を優先にしても問題はなかった。


「……そうなんですか? でも、カエデ様の従魔具ですよ?」

「材料の持ち込みが必須だとお伝えしたら、皆さん依頼を保留になさいまして」

「……なるほど、そういうことでしたか」


 何やら納得顔で頷いたレイスは、すぐにニコリと微笑んだ。


「そういうことであれば、お願いしてもよろしいでしょうか?」

「シュシュシー?」

「もちろんです、レイス様! クロウ!」


 こうして楓は、クロウの従魔具をオーダーメイドすることになった。

【皆様へのお願い】


「面白そう」

「続きが気になる」

「更新応援しています」


少しでもそう思っていただけましたら、ブックマーク登録や、下にある「☆☆☆☆☆」にて評価していただけると大変励みになります!

「★★★★★」の星五つだと、さらに励みになります!


評価してもらえることで、モチベが最高に上がるので、ぜひともよろしくお願いいたします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ