86話 記者会見 2
美穂視点です
質問時間に移ったみたい
わたしはただ大人しく座っていただけだったけど
わたしたち3人をカメラで撮る人がおおかった
そりゃ、魔法少女なんてめずらしい衣装を着ているから
仕方がないのかもしれない
記者の質問に耳を傾けていると
お爺様に質問しているようだった
「陛下にご質問ですが…先ほど
現れた彼女のことを深愛様とお呼びしていましたが
それはどういうことなのでしょうか
陛下よりも高位の方なのでしょうか」
「深愛様は…我々から見て神様と言われる御方である
当の本人は否定はしておるが」
お爺様が深愛様のことを語っていた
ゆきくんをこの世界に転生させてくれた人
神様のような力を持っている人だけど
最近の深愛様は食いしん坊キャラになってるようにみえる
「「「神様とは?」」」
「だからテレビみたいなのに薄い空中に展開出来る
しかも色つきテレビ 今の技術じゃ出来ないことだらけ」
記者のひとがぶつぶつと語ってました
そんな中、芽衣さんがわたしに念話を送ってきました
「いま 深愛様のことを陛下が語ったとき
奥の方から悪意というか危険感知があったけど
どうしよう?」
念話にはゆきくんとおねえちゃんも加わってました
「悪意? 神様と呼んだことに対して?」
「たぶんそう…かも」
「芽衣さん その方を特定できますか?」
「はい」
おねえちゃんの言葉に答える芽衣さん
ゆきくんは
「特定したら闇拘束で拘束して
手前に連れてきて自白魔法でもかけて吐き出させましょ?」
「ゆきくんってば どうして そう容赦ないの」
わたしはゆきくんに呆れながら言う
「相手は悪意を持って来たんだからやり返すまでです ぼくは」
「もう…」
そして芽衣さんはその悪意を持っている記者に
闇拘束を使いました
「な、なんだ? これはいったい?」
記者の叫び声に周りがそちらに注目する
芽衣さんはビットを飛ばしていき
拘束した記者のわたしたちの前に引き寄せると
ゆきくんがお爺様に話しかける
「陛下 この者はどこの新聞社ですか?」
「こやつは…誰か知らぬか?」
お爺様の問いかけに記者の人が答えました
「そいつは○○新聞だね いつも与党を叩いていたり
月宮皇室を批判して陥れようとしている
反体制派の新聞社の奴だね」
なるほど そういう人なら悪意も当然かもしれないです
「なるほど…」
「なるほど 反体制派 左翼新聞社と言うことですか…」
ゆきくんは声を低くして言いました
「芽衣さん 闇魔法でこいつを自白させるようにして」
「いいの?」
芽衣さんがおどおどしながら確認すると
お爺様が頷きながら
「構わぬ」
「はい 自白」
芽衣さんがその記者に自白魔法を使うと半透明な黒い膜が
その記者を覆っていきます
それを見ている記者さん達は
驚愕の表情を浮かべてます
しばらくして…その記者が口を開きました
「月宮がなんだ? 刺身? 生で食えるか
毒でも仕込んでねつ造記事でも書いてやろうと思った
それに そこの女 神様だと?
神様は魔の森に封じられている邪神様だ
この世界に魔法をもたらしてくれた 御方なのに
なぜ封印されてる?
月宮の始祖が邪神様を封印したならば
月宮こそ我々の敵だ この世界は邪神様のものだ」
こんなことを語りました
なるほど 面白いことを話してくれたようでした
邪神と呼ばれる人が魔法をこの世界に組み込んだと言うことなのかも知れないです
「ふむふむ 要するに邪神崇拝者ですか」
「そうだ お前はなんだ? それだけの力があるのに
なぜ月宮に属している?」
「ぼくですか? 別に月宮に属してませんよ?
ただ単にみくちゃんの友達です」
「友達だと? ふざけんな
月宮と連んでいるだろ 月宮のせいで邪神様は封じられている」
「じゃあ、お聞きしますが
魔物とかダンジョンも邪神とやらが作ったのですか?」
ゆきくんは記者に聞き返した
「魔物はそうだ 邪神教の文献に残されてある
ダンジョンは違う ダンジョンを作ったものは月宮だ」
あら ダンジョンってわたしたちの先祖様が作ったの?
てっきり邪神がダンジョンを作ったと思ってました
「ふむ…陛下 ダンジョンについては?」
「わしも初耳だった ダンジョンが何のためにあるのか
意味がわからなかったからのぅ
しかし月宮の始祖様がダンジョンを作ったというならば
話は変わってくるか
ダンジョンを使って生産をしてレベル上げをして
外にいる魔物達に立ち向かえ…という意図になるのかのぅ?」
お爺様が思案しながら話していく
「面白いこと聞けましたね この記者会見も無駄にならなかったようで
さて、この記者ですが…警察に渡すことになりますが
各組織に紛れ込んでいる反月左翼を一掃させるべきです」
ゆきくんがそんなことを口にすると
拘束されている記者が
「なっ…」
「ぼくはね あなたたち左翼勢力が大嫌いなんですよ?」
「それだけで我々を排除するのか?」
「悪いですか? あなたたちだってねつ造記事を書いたり
色々してるわけでしょ?
内閣総理大臣の方…」
「はい? なんでしょうか?」
ゆきくんが不意に総理を呼ぶと恐る恐るに口を開く総理
「いつまで こういう左翼新聞社を野放しにしてるんですか?」
「それは…その…」
「もしかして 与党にも邪神崇拝者がいるのでしょうか?」
「め、め、滅相もございません」
「本当ですか? 芽衣さん」
ゆきくんが芽衣さんを見る
「うん 嘘感知を発動するね」
「えっ? そんなことまで出来るなんて…」
顔色を青くする総理
「内閣総理大臣 党内左翼の一掃と
頭おかしい活動家を根こそぎ取り締まること
約束願いませんか?」
「は、はい…お約束します 何卒…」
ゆきくんってば…権力者相手に力でねじ伏せちゃってますよ
「のぅ…幸正 おぬし 国を動かしてないか?」
「あは あはは ぼくは敵対勢力には容赦しませんので
ここにいる記者さん達もいいですね?
ねつ造記事なんて書いたときにはどうなるか…?」
「「「「「ひっ」」」」」
「それからですね 反月左翼のバカどもに伝えて貰えます?
もし、月宮および加賀、樹、紺菱呉服店に危害を加えようとするなら
徹底的に叩き潰しますからね 覚悟してください…と」
ゆきくんはそう言いつつ
右手に炎を出して記者さん達を脅しています
わたしはゆきくんの頭を叩いて
「いたっ」
「もう ゆきくん ぶち切れすぎだよ それくらいにしておいたら」
「あ…」
それを見た記者さん達はわたしを見て
「あの 美穂様は幸正様の恋人なんでしょうか?」
「えっ?」
思わず赤くなってしまいました
「彼の暴走を簡単にとめることが出来るなんて」
「ゆきくん 確かに暴走だと思うけど
それは敵対勢力相手だからですよ」
「「「なるほど」」」
そんなこんなで予想外のトラブルがあったものも
会見も無事に終わりお開きになり
それぞれかえりました
「ゆきくん 明日ね」
「うん 芽衣さんと一緒に作るの?」
「そのつもり」
「たのしみにしてるね」
「うん」
ゆきくんと会話をすませて
お母さんと一緒に帰宅するのでした
左翼相手にぶち切れる幸正を叩いて落ち着かせる美穂でした
陥れるためにねつ造記事を書くというのは現実でもそうですよね