84話 ゆかり妃殿下達からのお叱り
俺たちは急いで瞬間移動して皇室の一室にむかった
部屋に入ると母親 ゆかり妃殿下 絵美が並んで怖い血相をしつつ
俺たちを見ると…ゆかり妃殿下が口を開く
「あなたたち そこに正座なさい」
「「「「はい」」」」
大人しく正座をすると
ゆかり妃殿下が俺を睨み付けながら
「詳しいことを話して貰います」
「ゆかり様 ご覧の通りですが…」
「ゆ・き・ま・さぁぁぁぁぁぁぁぁぁ ちゃんと話しなさい」
「は、はい」
ゆかり妃殿下が大声を上げて怒鳴ってきたので
大人しく話すことにした
「聖なる結界であることは…ゆかり様達もわかりますよね」
ゆかり妃殿下達にそう聞いてみると頷く
「一昨日の55階層の時より規模が大きいので
みほちゃん みくちゃんの全力全開の魔力と
ぼくと芽衣さんの魔力も二人の杖に流し込んで
4人分の魔力で発動させました」
「どれだけ高出力の結界魔法を発動させたんですか あなたは」
「と言われましても…月宮皇国全土を覆うのと
海の方も数千キロもカバーしようとすると
全力で撃たないと足りないと思いまして…」
「ふむ 目的は…予想はつきますが…答えなさい」
「はい 昨日 55階層を色々探索したのですが
川魚が見当たらなかったこととか
鮭やうなぎはこの世界にいるのかどうか
わかりませんが
鮭もうなぎも海と川 どちらも関わっていて
海に魔物が多いとなると生存競争に勝てないだろうし
鮭やうなぎだけじゃなくて
普通に魔物以外の魚を安全に漁をするなら
海に結界を貼って危険な魔物を結界外に追い出してしまえばいいかなと
そうすれば漁業も盛んになりますよね?」
俺は思っていることをすべて話してみた
母親もゆかり妃殿下も絵美も
額を抑えて頭痛そうにしつつも
俺の考えてることはある程度は理解を示してくれていた
「やはり お魚目当てですね はぁ」
「この子はこういう子だものね…」
「ちなみに結界に細工を施しておきましたけど」
「「幸正」」
ゆかり妃殿下と母親がまた俺を怒鳴る
「細工とは何ですか?」
ゆかり妃殿下が聞いてきたので
俺は答える
「悪意のあるものは結界をくぐることも出来ないということです
要するに外国勢力が侵略目的で近づいてきても
結界が壁になり入って来れないと言うこと
それと同時に国内にいる悪党が
この国の技術を外国に持ち出そうとする場合も
同様です むしろ こちらの悪党は結界をくぐれば
即死するように設定してます」
俺がそう言うと
ゆかり妃殿下は…ため息をついてしまう
「はぁ…悪党に容赦なしですね ほんとに あなたって人は」
「産業スパイに甘い顔したらダメです
日本人のバカさ加減です スパイしに来てる奴らに
甘く技術盗まれる 腹立たしいです」
「あなたね ここは日本じゃないんだから はぁ」
「でも、この子が考えているのももっともだと思いますよね?
この子がもたらそうとしている技術革命
どれもこれも悪用されたら危険なものになりますよね」
「えぇ…美幸が言うとおりですね
未然に悪党を切り捨てるように設定しておくのは
確かに悪いことではないでしょうし」
「海に魔物がへって普通に魚が増えれば
おいしい魚も市場に出回るでしょうし
漁師さんとかも仕事として成り立ちますよね」
「そうですね 数年後でしょうか
ともかく 事情はわかりました
あなたたちは夕方に記者会見して貰うことになると思います
いいですね? 逃げたら許しませんよ?」
「「「「は、はい」」」」
今回は派手にやらかしているから
全国で大騒ぎになっているとは思う
記者会見は仕方ないことだろう
ふと…俺はゆかり妃殿下に思い出したように話す
「経験値倍増付与ゲートはいつ作ればよろしいのでしょうか?」
「そういえば そうでしたね 作るのはすぐ出来るのでしたね?」
「はい ゆかり様もアイテムボックスあるし
この場で作ってお渡ししても」
「そうですね お願い出来ますか?」
「はい 倍率はどうします? 通常2倍設定ですが」
「そうですね 10倍設定に…ステータスは
ドーピングなしですしレベル上がっても
幸正達に追いつくことはまず難しいでしょうし」
「ぼくたちは…そうですね レベルよりもステータスが異常なので…
とりあえず、経験値倍増×10倍と
隠し称号チェック機能 殺人 窃盗 詐欺 恐喝などの
犯罪系称号がある場合はレベル1に戻し
ステータスはオール1 および拘束して警察署に転送する機能も付けておこう」
「あなた ほんとに悪党に容赦ないわよね」
ゆかり妃殿下が俺を見て呆れ果てていた
デザインもいたってシンプルにして
高さ2.5メートルの横幅1メートルの長方形だけにした
くぐればいいだけの代物だが
奥行きは20センチぐらいにしておいた
「一つ出来たけど…これを50枚でしたよね?」
「そうね 手間かけてしまうけどいい?」
「あ はい 同じものを複製で50枚と言うかたちで作って
…ここに作り出すより、ゆかり様のアイテムボックスに入れていきますので
アイテムボックス操作 許可お願いします」
「わかったわ」
俺は許可を貰った、ゆかり妃殿下のアイテムボックスに
経験値倍増付与ゲートを51枚全部転送して渡す
「これで終わり」
「ありがとう このあと内閣府とあうことになっているから
関係省庁にゲートは渡しますね」
「はい そういえば…お母さん 屋台は?」
「「あっ」」
母親と絵美が忘れていたという表情をする
「ゆかり様 屋台の許可申請はどのようにすれば?」
絵美がゆかり妃殿下に尋ねると
「屋台がいいんです? マグロ丼やとんかつもどき
他にもいろいろありそうですよね?」
ゆかり妃殿下は俺を見ながらいう
「メニュー多すぎると大変ですよね 美幸さん」
「そうですね 揚げ物は時間もかかりますし」
「美幸 絵美 屋台と言わず店を構えたらどうなんです?」
「「えっ? わたしたちが?」」
「屋台より楽だと思いますよ?」
「「なるほど…」」
俺は3人の会話を聞いていてふと思ったことを口にする
「全国に系列店をつくるのは出来ないのでしょうか?」
「「「系列店?」」」
大人3人が首をかしげて俺を見る
美穂達は美穂達でまたはじまった…と言った表情になってる
「とんかつもどき マグロ丼
他にもえびフライ いかフライ マグロカツなとなど
メニューとレシピを開放してもいいけど
お母さん達のお店の看板を分け与えて
全国で同じメニューを食べれるようにするのは?
豚肉は農家の人から買うし…マグロとかの海の魔物も
冒険者の収入源として買い取りも行えば
全国で経済がまわってくれるでしょ?」
「「「なるほど」」」
「ゆかり様 いかがいたしましょうか?」
「そうですね その方向で動きましょうか
あと記者会見で幸正達の付き添いにもわたしたちも
同行になりますしマスコミにも宣伝できるでしょ」
「かしこまりました」
「とんかつもどき等 作っておきますね」
話がまとまってくれたようだ
「「ゆきくん」」
「幸正くん わたしも記者会見なの? 平民なのに…」
「芽衣さん巻き込みでごめんね」
「ううん 不安だけど…」
そこで母親達が俺たちを見て
「お昼ご飯まだだったね いま 用意するから」
「芽衣 呉服店にはわたくしから連絡しますので」
「はい ゆかり様」
「それで 幸正 お昼なに食べたい?」
「作り置きあるなら それでいい」
「わかったわ みほちゃん達は?」
「わたしもゆきくんとおなじで」
「「うん」」
「4人とも簡単にマグロ丼でいい?」
「「「「はい」」」」
俺たちはマグロ丼を母親から貰い
その場で食べた
一貫して外国勢力に対しての防衛を徹底している幸正です
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どの話がよかったかなど少しでもわかるのは助かります