82話 海の話
一昨日は陛下達を55階層に連れて行き
マグロ丼や蟹鍋を堪能して貰って
喜んで貰えたようでよかった
昨日は55階層から下へ降りる階段まで
さっさとむかって階段を降りてから
また55階層へ戻り
時間いっぱい使って魚捕りをみんなでしていた
マグロ 蟹のほかには
イカ…ダイオウイカ
タコ…ブルーポイズンオクトパス
エビ…ギガントロブスター
などなどがいた
毒ダコはそのままでは食べることは出来ないので
みくちゃん みほちゃんの二人に
浄化 除菌 除毒を施して貰う徹底ぶりになった
俺としては巨大なエビがとれたのが
1番嬉しかったりする
母親にえびフライやえびの刺身を頼むことにする
55階層をまわってみて気になったのは
鮭やうなぎと言った川にいるものがいない点だった
鮭は外では難しいのだろう
ダンジョン外には川はあるが海には魔物も普通にいる
普通の魚の鮭は生存競争に生き延びることは無理だろう
うなぎはどうなんだろうか?
海で生まれると記憶にあるから
川までやってくる前に全滅しそうだ
「うーん やはり海側にも結界張ってしまいたいなぁ」
俺がそんなことを呟いていると
隣にいる芽衣が俺の顔を見ながら
「どうしたの?」
「あ うん 昨日 55階層 いろいろみていたよね」
「うん イカ タコ えびもいましたよね
夜に家でおいしく食べました」
「芽衣さんが料理したの?」
「あ ううん お母様に作り方教えて…」
「そうなのね 明日は来るんだよね? 昼」
「うん 幸正くんのお母様にとんかつもどきの作り方を習いに」
「じゃあ、明日は芽衣さんの手料理だね」
「え? 食べてくれるのですか?」
「うん」
芽衣は嬉しそうに微笑む
それ直後に後ろから頭を叩いてくる感触に見舞われる
「いたっ みほちゃん また叩く」
「ふんっ 芽衣さんの手料理嬉しそうに…」
「そこで怒らないでよ みほちゃんも料理したらいいでしょ」
「あ…そうか わかった 頑張る 食べてくれるんだよね?」
「それは喜んで食べるから」
「楽しみにしててね」
機嫌もなおしてくれたみたいだ
「それで 幸正くん どうしたの?」
「あ うん 脱線したね
55階層には鮭とかうなぎもいないなぁって
鮭もうなぎもいちど海に行く生態系だから
魔物がいる外の海だと育たないなぁって」
「だから結界と言うことね?」
「うん 西の街の西にある広大な土地から
東の海の数千キロまで結界で覆ってしまって
海にも産業を発展させたらいいのにって」
「なるほど それなら
鮭?やうなぎ?も繁殖させることが出来ると?」
「わからないけど試してみる価値はあるよね
鮭もうなぎもおいしいから」
「幸正くん 食べものばかり…」
「食文化も豊かに出来れば楽しいから人生」
「なるほど 明日は頑張るね おいしく出来るように」
「楽しみにしてるね」
そこでまた美穂が叩いてきた
「だからぁ」
「芽衣さんばかりずるい」
「えっ? わたしのせい?」
矛先を向けられた芽衣は困惑していた
そこに未来もやってきて
「みほさん 芽衣さん困ってるでしょう」
「ごめんね 芽衣さん」
「あ ううん」
「それはそうと…ゆきくん 結界張りたいの?」
未来がさっきの話を聞いていて
そう聞いてきた
「張った方が色々便利かなぁって
海の魔物を一定海域までシャットアウト出来れば
海もそれなりに安全になるでしょ」
「そうね わたくしとみほさんですぐ終わりそうだし」
「2つの杖で2万倍だもんね 全力全開で
聖なる結界を発動させてもいいし」
「このあと ダンジョン行くのはお休みですよね 今日」
「土日は休みにしない?」
「そうですねぇ 休みなしで行くのも…だし」
「はい」
「うん」
休みでいいとのことなので
今日はこのあとのんびりとする予定
「とりあえず、校門まで移動しよう」
「「「うん」」」
俺たちは教室を出て靴箱まで移動していくと
なにやら男子3人組が待ち構えていたようだ
未来は一瞬いやそうな顔をするも
表情を戻して3人組をスルーして
外履きに履き替えて外に出ようとする
そこで男子3人組の一人が未来を呼び止めるのだった
うなぎを食べたい幸正です
食べものの話が増えてますがいかがでしょうか?
ブックマークありがとうございます