64話 スライム
俺たちは51階層に降りると辺りを見て
「うーん 50階層からがらりと変わったね」
「うん 金属でなくなったね」
「なんか 気持ち悪い壁」
「うん やだね ここ」
それぞれ感想を言いながら進んでいく
「向こうにスライムいます」
ミアさんがそう言うと
芽衣さんが遠見で鑑定をする
「猛毒スライムだって…どうする?
紫色の毒々しい気持ち悪い色です」
「毒とかいらないし…欲しいのはゴムだからスルーする?」
「ゆきくん うん そうしよ こんな場所いたくないし」
「うん なんかネバネバしている壁とか気持ち悪いです」
美穂も未来も気持ち悪いといいつつスルーに賛成する
俺はミアさんにフロアマップを表示して貰い
芽衣さんの罠感知でトラップを避けていき
下に降りる階段の近くまでやってくると
芽衣さんが遠見して鑑定する
「あ…ラバースライムだって 幸正くん これだよね ゴム」
芽衣の言葉に俺は返事をする
芽衣さんに言われて俺も確認する
色が黒っぽい灰色でゴムタイヤみたいな材質の
へらべったいかたちをしていた
この世界のスライムは
水滴のようなかたちのスライムではなく
潰れている感じのかたちが多い
「うん それ ラバーは英語なんだけど
この迷宮作った人 どう考えても転生者だよね」
「だよねぇ」
「うん どういうつもりで作ったんだろうね こういうの」
俺の返答に美穂と未来が呟く
「ぼくみたいに結婚とか目的の転生じゃなさそうだよね」
「それは…そうだよね ゆきくんはちょっと変だし」
「みほちゃん それひどい」
俺は美穂にいわれて拗ねてしまう
「ゴムだから物理攻撃はききにくそうだよ」
芽衣がいってくると
みんな俺を見る
「弱点って体内?」
「うん そうみたい」
「コムだから電気も通さないから雷は無効だと思うから
とりあえず、属性魔法じゃなくて
魔力だけ込めてぶち込んでみて」
「うん わかった わたしでいいの?
未来様やみほさんする?」
「あ ううん 芽衣さんでいいよ」
「うん 芽衣さんが1番素早いし」
芽衣の問いかけに美穂達は言うと
芽衣はビットを飛ばしていき魔力を込めると
ラバースライムの核がある部分を攻撃する
「うん 問題なしに核破壊できたよ」
「ぼくたちのステータスがおかしいから
気にするだけ無駄かもしれないよね」
「そうかも」
芽衣の言葉に俺はこたえると芽衣も頷く
「回収しますね」
「51階層で出てくるとなると61階層で大量にいるのかな」
ミアさんが回収しに行くのを見つつ
俺が呟くと未来が
「そうかもしれないですね 時間は4時ちょっと前になりましたね
62階層降りたところで終わりましょ」
「「「うん」」」
ラバースライムのゴムを回収したミアさんと合流して
62階層へ降りていくのだった
62階層は森になっている階層だった
「わぁ 今度は森ですね」
未来が言う
「それにしても地下なのに空もあるし
訳わからないものだよね ダンジョンって」
美穂も周りを見てそう呟く
「だよね どうなってるんだろう これ」
俺も首をかしげてしまう
「さて、ここまでですね この後
直接 英雄さんところに行きますか?」
「うん 金属は英雄さんに渡してしまいましょ
ゴムは芽衣さんいるよね?」
「あ いりますど ちゃんと使えるのかどうか
わからないから…英雄さんに研究させた方がいいと思います」
未来の言葉に俺が芽衣にも問いかけると
芽衣は返答する
「じゃあ、英雄さんの家に」
実は先週中に英雄の家を確認していた
移動するのにも場所がわからないと出来ないので
あらかじめ確認は必要だ
全員で明智家の敷地内に移動して
玄関で呼びベルを鳴らすと
中から英雄がやってきた
「未来様 いらっしゃいませ えっと
幸正くん パソコンなどの解析はまだまだなのですが…」
英雄は俺を見てそう言う
目の下にくまができているみたいで相当疲れているみたいだった
「疲れているようだし休んでくださいね」
俺はそう言うと
「いえいえ 楽しいです こんな最先端技術を
触れる機会なんてそうそうないし
それで 今日は?」
「今日は渡したいものを持ってきたので
アイテムボックスを開いてくれます?」
「あ はい」
英雄がアイテムボックスを空間に開くと
ミアさんが直接金属類とゴムを英雄に渡す
英雄は確認していくと焦るように顔をこわばらせる
「ミスリル…」
「はい ミスリルです 今取ってきたので」
「はぁ…すごい」
「それ以外にも鉄 銅 銀 アルミもありますから
ミスリルと組み合わせた合金テストもお願いします」
「わ、わかりました これで魔力を通す物質が出来ます」
「術式が動けば色々作れますね」
「はい 頑張ります」
そこで未来が
「頑張るのはいいのですが
身体は壊さないようにしてくださいね」
「あ…はい 気をつけます それに明智家は
皇女様に忠誠を誓います 絶対に裏切りません」
英雄が未来にそう言うと
未来はやめてって言う顔をしつつも
「期待してますね」
「はい」
こうして英雄に素材を渡して
それぞれの家に帰宅すると
念話で
「お疲れ様」
「「「「お疲れ様」」」」
「明日は52階層からだね」
「うん 動物の階層かな」
「そうみたいね なにが出るかな たのしみ」
「おいしいものがいいですね」
「「「深愛様」」」
ミアさんは食べものになっているのは笑ってしまう
「それじゃあ 明日」
「「「「うん」」」」