56話 芽衣の変身
教室に入ると芽衣が髪型を変えていたのが目に入る
高めのツインテールだった
かわいいと思うしかわいいと言ったら美穂が怒ってくる
授業はこれと言って問題なく終わり
放課後になると芽衣が遠慮がちに俺に声をかけてきた
「あの…レベル上げ付き合って貰えますか?」
「うん 芽衣さん まだレベル1だったね」
「はい 幸正くんとみほさんはレベル4でしたよね?」
「うん ステータスはおかしいけど」
「ダンジョンに入る前にある程度レベル上げたいなと思って」
「わかった みほちゃんとみくちゃんも一緒でいいの?」
「はい さすがに二人きりだとみほさんや未来様が怒りますから」
「あ…うん そうだね みほちゃん すぐ叩いてくるし」
俺がそんなことを芽衣に言ってると
後ろから美穂が俺の頭を叩いてくる
「すぐ叩いてくるって…今言ってたよね」
「ほら 叩く」
未来も隣にやってきて
「みほさん そうやって叩いてるから言われるんです
ゆきくんがみほさんのこと嫌いになってもいいんですか?」
「そ、それはだめ」
「なら、少しは叩くのやめたらどうですか?」
「うん…」
俺は未来を見てお礼を言う
「みくちゃん ありがと」
「いえいえ でも、芽衣さんまで好きになられるのは
わたくしとしても…」
「それは…」
そこで芽衣も未来に
「未来様 ごめんなさい」
「芽衣さんが誤ることはないと思いますから」
「でも…」
「ゆきくんのこと 好きになる気持ちはわかりますし
ライバル増えるのは困りますけど…」
「わたし 好きでいていいんでしょうか?」
「芽衣さんの気持ちは芽衣さんのものですから…」
そこに美穂も
「ゆきくんのことは怒るけど
わたしも芽衣さんがゆきくんを好きになることは
反対しないから安心して」
「未来様 みほさん ありがとう」
そして未来が俺に
「レベル上げですか? どこでする予定です?」
「どこがいいのかなぁ 芽衣さん どこがいい?」
「あ うん ダンジョン入る前にしたいから…」
芽衣の返答で俺たちは考え込むと
美穂が口を開く
「無難に魔の森の近くがいいんじゃないかな
瞬間移動すれば すぐだし」
「それもそうだね 芽衣さん それでいい?」
「はい」
俺たちはいったん家に帰宅して
お昼ご飯を食べた後
ミアさんも美穂と一緒に合流して
芽衣さんの家に集まった
美穂が俺に一つ聞いてくる
「そういえば 芽衣さんのバトルジャケットどうするの?」
「あ うん 忘れていた 芽衣さんどうする?
みほちゃんとみくちゃんは14歳に変身するけど
芽衣さんは?」
「わたしですか? みほさん達が14歳になれるのは
こないだ少し聞いたような ほんとなんです?」
美穂と未来が頷くと
二人とも隣の部屋に行き変身してから部屋に戻ってくる
「わたしはこんな感じ」
「わたくしはこうですね」
芽衣は変身した二人を見て
「なんというか…幸正くんの能力って…
そこは考えないようにしなきゃ
それでみほさんが星と天使なのかな
未来様が月と夜をイメージなんですね」
「はい」
「うん それで芽衣さんはどうしたい?」
「ダンジョンに籠もるなら14歳の方がよさそうですよね
幸正くん お願いしても?」
「うん 手を差し出して 指輪の機能 アップテートするから」
「はい」
芽衣が俺に手を差し出すと俺は指輪の機能をいじった
「あとは芽衣さんがイメージして…かな
みほちゃん達はアニメを参考にしたけど…」
「なるほど わたしは…そうですね
フラワービットもあわせて…花をイメージします」
芽衣がそう言った後
美穂と未来が慌てて芽衣をとめる
「芽衣さん ここで変身はしないで」
「隣の部屋に行きましょ」
───芽衣視点
わたしが黄桜をイメージに固定して
変身をしようとしたらみほさんと未来様が慌てて止めに入った
二人はわたしを連れて隣の部屋に移動すると
未来様がわたしに話しかける
「変身するとき 全裸になっちゃうから…その…」
「あ…幸正くんの前で変身すると…」
未来様の言われたことを聞いて赤くなっちゃいました
「ここなら平気だから芽衣さん いいよ」
「はい」
みほさんが天使の翼
未来様がトンボのような羽
ふたりのをみて…わたしはどちらでもない
かたちをイメージしつつ
変身をします
自然に言葉が浮かんできたように口ずさんでいました
「花の香りに導かれて フラワーチェンジ」
そう口ずさむとわたしの周りが光り出して
着ていた服が消えていき14歳へ成長した姿に変身していき
そのあと薄めの黄色をベースとした衣装が
私の身体に纏いました
見た目 みほさんや未来様同様にスカートが
ひらひらした感じの衣装
違う点と言えば背中に生えてる羽は
蝶々の羽根をかたどったかたちです
そして足にはブーツ
腕にも白い篭手を装備するかたちにしました
接近戦でも対応出来るようにです
変身を終えるとみほさんと未来様が
わたしを見て
「「わぁ…」」
「見事に三者三様ですね 芽衣さん」
未来様がそう続けて言いました
言われてみれば…たしかにそうです
「みほさんがピンク 未来様が紺色 わたしが黄色…ですね」
「うん」
「えぇ…さて、部屋に戻りましょ」
未来様がそう言うと
3人揃って元の部屋に戻ります
部屋に戻ると幸正くんがわたしを見て
「蝶々の羽根にしたんだね そして黄色の衣装 かわいい」
「かわいいなんて…」
それを聞いた美穂さんが幸正くんを睨み付けてます
「みほちゃん そこで怒らないで」
「ふん」
「それにしても 芽衣さん 胸大きくなるんだね 14歳になると」
「えっ?」
わたしは自分の胸元を見て
慌てて手で隠す
みほさんと未来様が幸正くんの近くに行き叩いてます
「「ゆきくんっ!」」
「ご、ごめんなさい でも、そう思ったんだもん」
「「もう」」
「ふぅ…芽衣さんうらやましいです」
未来様がぽつりと呟いてしまってます
「えっ?」
「わたくしより大きくて…」
「えっと…」
わたしはなんて言っていいか言葉に詰まりました
「ゆきくん 変身終わったし…移動しましょ」
みほさんが話を変えてくれたので
ホッとすると
幸正くんがわたしたち3人を見て
「バトルジャケットの機能を追加させていい?」
「「「なにを?」」」
わたしたち3人は首をかしげます
「現状 指輪の機能でダメージ無効 状態異常無効とありますよね
みくちゃんはオートカウンターも付けているけど」
「「「うん」」」
「それだけじゃ足りないの?」
みほさんが続けてそう言うと
「自動HP回復と自動MP回復も付けておいた方がいいかなと
とくにMP回復は全員MP使いまくるでしょ 戦闘で」
「そういえば…うん」
「確かに」
「うん」
「だから付けておこうかなと…指輪の機能に連動してるから
指輪の方をアップテートでいいよね?」
「「「うん」」」
こうして機能をアップテートして貰った後
全員で魔の森近くへ瞬間移動しました