53話 皇太子殿下との会話
やっとダンジョンには入れそうな展開まで来ました
各階層をどうするか考えるのが大変でした
俺は陛下と会話を終えたあと
今度はゆかり妃殿下に呼ばれたのでそちらの方にむかうと
妃殿下が睨みながら話しかけてきた
「あなたね 報告 連絡 相談を怠っていたわね」
「申し訳ございません えっと ミアさんのこと」
「そう 管理者様のことです 今週末に
再び ここに来る予定でしたよね
それがなんですか? 水曜日ですよ 今日は」
「はい…」
「聞くところによると 一昨日には具現化されていたとか」
「なぜ 連絡を放置なんですか」
「えっと 特に意味はありません」
妃殿下が頭痛そうに俺を見つつ
「美幸も大変だね この息子を監視するのも…」
こんなことを呟いていた
「それで…ダンジョンの方は?」
俺は気になってたダンジョンのことを聞いてみると
妃殿下は皇太子殿下を呼び寄せる
「あなた ちょっと着てくれない?」
「ゆかり なんか用か?」
「幸正がダンジョンの件 聞きたいと言うことなので
あなたに任せるわ わたくしは言いたいことは言ったので」
「わかった 幸正 こちらに」
「はい」
俺は皇太子殿下の元に歩み寄ると
殿下が説明を始める
「ダンジョンの件だが…お前達なら問題はないと思うが
未来から聞いたがミスリルを取りに行くんだったな」
「はい 60階層にいると言われている
ミスリルゴーレムを10体ほど…ですか
1体でどれくらいのミスリルが手に入るのかわからないのですけど」
「ふむ ストーンゴーレムを例にあげれば
1体でもかなりの量のミスリルが手に入るだろうとは予想される」
そんなに大きいのか ゴーレムって
「おぉ…かなりでかいんですね ゴーレム」
「そうだな ストーン アイアン カッパー アルミ シルバー
ミスリルと10階層ごとに金属の質が上がっていく」
「なるほど それで気になったんですが
60階層まで自力で行くしかないんでしょうか?」
1階層から60階層までいくのは
放課後に遠足気分で行くには時間が足りなすぎる
「現在 国で最高階層は50階層まで行けてる人間がいる
それを使えばダンジョンに入りすぐそこに
転移魔法陣がある これは到達した階層を
各フロアで記憶されるようになってるものだ」
「それってダンジョンが入った人間をどこかで記憶していると?」
「そうみたいだ ダンジョン自体 なんのために存在しているのか
不明のままなんだが…」
「なるほど じゃあ、その人に50階層まで飛んで貰って
そこから60階層までは自力というかたちですか」
「あぁ…そうなる それで問題ないだろ?
お前も未来も美穂もステータス的には」
「はい その人の手配はいつ?」
殿下は近くにいた護衛に声をかける
「50階層到達者の都合はいつつく?」
「急いでも土曜日です 今週 首都にいないみたいで」
「そうか…幸正 聞いての通りだ」
「わかりました 来週あけ以降ですね」
「そうだ それで問題ないか」
「はい あとミスリル以外だと
ゴムや糸が手に入る場所は?」
俺はゴムや糸のこともきいてみることにした
「ゴムか…ゴムのようなスライムなら文献にはあるようだが
50階層までには見掛けない個体みたいだ」
「ゴムのようなスライム ラバースライムとか言うのかな」
「うむ そんな名前だ 他にはゴムの木の魔物もいるみたいだが
こちらは43階層に希にみかける」
「なるほど 43階層…」
「糸の方はシープ 動物系の階層が2階層から10階層ごとにある」
殿下の説明を聞いていると
階層ごとに出現する魔物が決まってるような感じだな
ゴーレムが10 20 30…と出る
トレンド系が3 13 23 33…となりそうだ
動物系が2 12 22 32となるのか
「あの出現する魔物が階層で決まってるとかでしょうか?」
「ん? あぁ…そうだ 今の説明でそこまで気づいたのか」
「なんとなくです」
「となるとラバースライムはスライムの階層だろう
1 11 21 31とスライム系が出ているようだが」
「なるほど 51階層にいる可能性もあると言うことですね」
「そうだな して ゴムや糸を求めるというのは
やはり服のことか?」
「はい ゴムは服だけでなくいろんなところで需要がありますし
足りなくなると思います 糸についても同様です」
「なるほど 今後需要拡大するとなれば
冒険者育成も必須になるな」
「はい ダンジョン外で普通にカイコや羊で採取したり
ゴムの木を植えていて採取もありますが
足りなくなるのではと思います」
「確かに そうだな 冒険者育成も力を入れるように
政府に働きかけるとしよう」
「色々と押しつけるかたちで申し訳ありませんが…」
「それはいい むしろ 幸正達がダンジョンの深い場所まで
行ってくれるならばダンジョンの詳細も明らかになるだろうから
我々としても助かる」
「そうですか そう言ってもらえると ぼくとしても」
「ゆかり達にこっぴどく叱られたんだろ?」
殿下がにやりと笑いながら言う
「はい…」
「報連相は怠らぬようにな」
「はい」
殿下との会話も終えると
一息をつくために部屋の隅に移動した