49話 芽衣のステータスと傾向
「ゆきくん やらかしたいんでしょ?」
「ダンジョンに潜りたいんでしょ その顔」
「やっぱりわかる?」
「「わかるよ もう…」」
俺をジト目でみてくる美穂と未来
それとは正反対に芽衣と英雄はあわてていってくる
「60階層だよ? 遠足行く感じに言わなくても」
「未来様も危ないですよ
それにダンジョンは10歳以上にならないと
入場許可おりないですよ」
英雄の説明を聞いた俺は
どうしたものかと考えながら未来を見て
「みくちゃん 皇室に連絡してみて」
「あ うん お爺さま? お父様? どっち?」
「どっちでもいいからダンジョンに入れるように頼んで
俺たち3人とミアさんいれば危険性なんてないでしょうし」
「確かにそうよね ゆきくんもわたくしも美穂さんも
ダメージ無効 状態異常無効だし 芽衣さんだって大丈夫でしょ」
「そういえば わたしにもダメージ無効の指輪貰ってたんだった」
未来はそこで英雄を見て
「英雄さんはついてきます? レベル上げにもなりますよ?」
「え? 俺? 戦闘面まったく出来ないよ
むしろ 机に向かってる方が…というタイプだから」
「わかりました わたくしたちがミスリルを持ってきたあとで
実験の方はお願いしますね?」
「あ はい あの 幸正くん じっちゃんが作った
ラジオやテレビも向こうの世界には?」
「あります こちらより発展してますし
テレビもカラーテレビになってますし
もし、計算機等作ってくれるというならば
サンプルとして渡しますが?」
「えっ? サンプル 技術的に出来るんです?」
「さすがにこの世界の技術力に100年先の
パソコン…(パーソナルコンピュータと言いますが)を渡しても
訳わからないと言われるだけなのでわたすとしても
初期の計算機になります」
「なるほど それでも解析等時間かかりそう」
「そうですね」
俺は1980年代のパソコン一式とゲーム機を
検索してこれを取り出すイメージで
この場に取りだしていく
それからそれらの仕様書と
半導体や集積回路のwikkiページをプリントアウトする
「あの 印刷もカラー印刷?」
「向こうの世界ではカラー印刷になってますね
写真もカラーだしデジタルカメラが普通になってる世界です
他にもいろいろありますが」
「はぁ…ほんとに この世界でも可能なんでしょうか?」
「ぼくは確信してます 車 汽車 船もある
紙だって普及していてテレビもラジオも出来ている
ぼくがいた世界の物語での異世界は
その大半がここよりも200年300年も
遅れた世界の社会だったりするので
それに比べれば この世界は日本に一番近い世界です」
「なるほど 頑張ります」
「半導体等の説明 ぼくには出来ないので
印刷物をみて解析お願いしますね」
「はい」
そして英雄にはダメージ無効と状態異常無効
アイテムボックスだけ機能に付けておいた指輪を渡す
もちろん所有者登録をする
「英雄さんに これ 指輪 パソコン等持って行くのに
アイテムボックスある方がいいと思うので
瞬間移動とかは省いてますがいいです?」
「あ はい アイテムボックスだけでも十分です」
「パソコンとカラーテレビとゲーム機です」
「それでもここの技術じゃまだ作り出せないとは思いますが
この世界に半導体や集積回路は出来てるんです?」
「半導体 集積回路 ちょっとわからないです
じっちゃんに全部見せますね」
「おまかせしますね」
「はい」
「今日はここまでですね 芽衣さん 部屋ありがとう」
「いえいえ あの 未来様 ダンジョンには?」
「明日か明後日になりそうかな 聞いてみます」
「そういえば 芽衣さんはなにが得意?」
「うん? 幸正くん それって武器のこと?」
「うん」
「わたしなにも得意じゃないですよ レベル1だし」
芽衣が困ったように言う
俺は芽衣のステータースを確認したいので
「ステータス 見せて貰っても?」
「うん どうぞ」
紺菱芽衣 女 7歳
レベル 1
HP 13/13 MP 7/7
力 4
体力 4
素早さ 5
器用さ 7
知力 3
精神 1
運 2
俺たちは芽衣のステータスを確認する
美穂も未来も芽衣のステータスをのぞき込む
「ねぇ 芽衣さん 器用さが高いよね 素早さも」
「わたくしたちみたいに魔法タイプではないですね」
「うん 芽衣さんのステータス見ると
器用で素早い…前世のゲームの話になるけど
このステータスだとシーフや弓使いが
多かったりするけど
弓とか矢を用意するのもめんどくさいし
なに使ってみたい?」
「わたしですか うーん ダメージ無効があるなら
接近戦でも平気なんだよね?」
「うん 大丈夫」
「なにかおすすめありますか?」
「器用ならヨーヨーとかでも使いこなせそう」
「ヨーヨー?」
俺はネットでヨーヨーを表示させて
とりあえず、試しに一つ作り出して芽衣に渡す
「鎖の先っちょに指輪になってるのを中指にはめて
装着して…やり方はこの動画を見て」
芽衣にヨーヨーの動画を見せつつ説明する
芽衣は立ち上がるとヨーヨーを操作してみる
「わぁ…おもしろいですね 戻ってくるのね
これを敵にぶつけるという感じですか?」
「うん ほかのがいい?」
「他にどんなのあります?」
「ブーメランはこの世界にもある?」
「あ はい あります でも、あれ敵に当てたら返って来なさそう」
「そこは…ぼくの能力で自動的に手元に帰ってくるようにするし
あとはライフルとかもあるけど」
「拳銃ですか 弾の補充がめんどくさそう」
「芽衣さんの魔力をライフルに込めて弾の代わりにするというのも
出来なくないけどどうする?」
「それだと…今のわたしの魔力だと…」
「あ そこは平気 1回敵倒せばレベル上がるだろうし
ステータスもあほみたいに上げれるから」
そこで美穂と未来が芽衣に自分のステータスを見せる
「な、な、なんですか? これ 滅茶苦茶ですよ
みほさんレベル4なのに…未来様もそう」
「でしょ 滅茶苦茶だから これがゆきくんの能力なの」
「レベル上げの時にステータスドーピングすればこうなっちゃうから」
「はぁ…」
それを見た英雄の俺たちを見てなんと言っていいか
わからない表情になる
未来は英雄にも声をかける
「わたくしのステータスをみておわかりだと思いますが
60階層でも大丈夫です」
「はぁ…はい 納得しました すごい」
俺は芽衣をみて
どうするか再び聞く
「大型ライフルは小回り利かないから
小さめのものがいいです」
「小さいのがいい…かぁ
芽衣さん こういうのはどう?
芽衣さんの意思で自由自在に飛び回るものを5つ
使わないときは髪飾り型に変形する」
俺は某死神漫画のヒロインが使っているものを浮かぶと
そのアニメを芽衣に見せる
「アニメですよね これ」
「うん こういうのもあるけど どう?」
「うん これで 5つというのは髪飾りは花型にするんです?」
「わかった?」
「なんとなく じゃあ、色は…薄い黄色で」
「わかった」
俺はイメージを固めていき2つ作り出す
フラワービットA 攻撃力 9999 遠見 弱点看破
フラワービットB 攻撃力 9999 危機感知 罠感知
作り出したあと2つとも芽衣に手渡す
「ありがとうございます
2つってどういうことですか?」
手渡された2つのフラワービットをみて首をかしげる
俺は芽衣に説明をする
「うん 左右に付けたらいいかなと
あと1つで5つのビットを展開出来るから
合計10個のビットになるし」
「10個 バラバラにコントロールするのも
慣れが必要そうですね
それに…髪飾りにすると
お下げより違う髪型がよさそうかなぁ」
芽衣が途中から小さい声に呟く
「使い勝手悪いときは言って いじるから」
「武器の性能とか特色いじれるんですか
ほんとになんでもありなんですね 幸正くん」
「う、うん」
「それじゃ、そろそろ」
美穂が時間を見つつ言うと
未来が英雄に釘を刺す
「はい 英雄さん お爺さまによろしくね」
「はい 計算機などの解析頑張ります」
「芽衣さん またあした」
「はい あしたね みなさん」
芽衣の家を後にして
英雄は歩いて自宅に戻っていき
俺たちはそれぞれ瞬間移動をして帰宅するのだった