2話 まずは体力作り
幸正達が住んでいる西の街から
魔の森までの距離感が掴みづらいという指摘がありましたので
距離について書き足しました 2025/01/25
俺は歩けるようになってからというのも
ミアさんから貰った能力を使って
『成長倍増』『経験値倍増』を自分に付けながら
毎日走り込み等をして体力作りをしているのだが
どういうわけか隣に住んでいる同い年の女の子
美穂と言うのだが彼女も一緒に走り込みに参加しているのだった
「みほちゃんさ どうして付き合ってくれるの? つまらないでしょ」
「そんなことないよ? それにゆきくんの能力貰ってるわけだし」
そう 彼女にも成長倍増と経験値倍増のスキルを付けている
事の起こりは俺がいつものようにランニングを終えて
部屋に戻りステータス確認をしていたときだった
ステータス見ていて周りを注意してなくて
美穂が部屋に入ってきてることも気づいてなかった
「ゆきくん それなに?」
美穂が後ろからのぞき込むようにステータス画面を見てきてる
加賀幸正 男 5歳
レベル 1
HP 30/30 MP 50/50
力 10
体力 10
素早さ 10
器用さ 10
知力 10
精神 10
運 10
「えっ?」
慌てて後ろを見ると美穂がなにしているの?と表情をしながらみていた
「あ みほちゃん」
「で、それなに?」
「これは…ぼくの今の状態を数値にしたもの」
「そうなの? ゆきくん 漢字とか読めてるの?」
「あ うん その お母さん達には内緒に」
「うん それはいいけど…わたしもみれるの?」
「みほちゃんみたいの?」
「うん わたしの数値 どうなってるのかなって」
俺は考え込みながら美穂をみる
バレちゃってるし…美穂ならいいか
「じゃあ、みほちゃん 右手貸して」
美穂は俺に右手を差し出しつつ「こう?」と言う
「うん じゃあ、与えるね」
美穂の右手のくすり指に指輪を取り付ける
なんも飾り気のないピンクの指輪だったりするが
「指輪? ゆきくん わたしたち早いよ?」
「えっ? 結婚指輪とかじゃないから」
「そうなのね わたしはゆきくんと結婚してもいいと思うけど」
「みほちゃん そう言うのは大きくなったら」
俺は赤くなりながら言うと美穂はニコッと笑いながら見返す
「それで…これどうするの?」
「うん 心の中でステータスオープンとか念じてみて」
「うん わかった」
美穂が念じると美穂の右手の指輪から空中にウインドウが表示される
樹美穂 女 5歳
レベル 1
HP 12/12 MP 20/20
力 2
体力 4
素早さ 5
器用さ 3
知力 6
精神 6
運 4
「わぁ 表示された ゆきくん 読めるの?」
「上から名前ね」
「うん 美穂と言う漢字は読める その横は?」
「女 性別ね その横が年齢」
「うん 5歳」
「2列目がHPとMP HPは生命力ね これが0になると死ぬから」
「えっ? じゃあ わたしって12しかないの?」
「少ないと言えば少ないけど5歳だし…」
「でもぉ…ゆきくん 30あるじゃない?」
「あ…うん 成長倍増スキルつけて毎日走り込みとかしていたから」
「ふーん…じゃあ、わたしにも付けてくれたら成長出来るの?」
「出来ると思うよ それは それでMPは魔法を使うために必要なもの」
「それって…わたしはそこそこあるよね」
「そうだね 美穂ちゃん 魔法使うための能力は高めみたい」
「6が2つあるところ?」
「うん そう 知力と精神ね どっちも魔法に関わる数値だから」
「そっかぁ じゃあ わたしがゆきくんと一緒に
ダンジョンに入るのもできるよね?」
ダンジョンに入って仕事にすること選ぶのは
もう少し大人になってからでもいいだろうに
まだ5歳 大きくなるまでに考えも変わっていくだろう
「そのときはよろしくだけど…みほちゃんもぼくも
まだ5歳だからね 将来のことなんてわからないよ」
「ゆきくんは…わたしのことすき?」
「それは…その…」
幼なじみだし前世では幼なじみと一緒なんて無理だったから
いてほしいとは思ってるけど恥ずかしくなる
顔を赤くしてしまう俺を見ながら
嬉しそうにする美穂
「約束だよ わたしと一緒にいるって」
「うん 約束 それで成長倍増と経験値倍増を今から付けるね」
俺は美穂にスキル付与を念じる
「これでよし」
樹美穂 女 5歳
レベル 1
HP 12/12 MP 20/20
力 2
体力 4
素早さ 5
器用さ 3
知力 6
精神 6
運 4
スキル 経験値倍増 成長倍増
「ありがと」
「でも、魔物を倒さないとレベルは上がらないから」
「そっかぁ じゃあ、当分レベルは1のまま?」
「そうなっちゃうね レベルはそのままで
その他の数値を上げていく」
美穂は首をかしげながら疑問に思う事を俺に聞いてくる
「あれっ? あがるの?」
「上がるよ ぼくも毎日トレーニングしてここまであげたから
レベル上がる方が数値は増えていくのだけど」
「そっかぁ じゃあ、魔の森の近く結界から出てきてる
最弱な魔物を倒せればあがるのかな」
「そうだね」
おそらく美穂の言うとおりだろうとは思うが
さすがに街の外を5歳の子どもがうろうろしているのはまずい
気楽に歩けるようになるまではランニングやら筋トレなどを
中心になりそうだ
そういうやりとりがあって俺たちはランニング等を二人でしていた
知力と精神は二人で勉強をしつつあげていき
元々俺は前世の記憶もあるわけだから漢字等はある程度読めている
美穂も知力等は高かったから頭はいい方だったわけだから
どんどん吸収していく
MPの方も初歩魔法を日常生活で使いながら鍛えていく
この世界では日本のように義務教育は浸透してないようで
こんな辺境の街に住んでる住民は専ら農作業中心の生活になっている
俺も両親が仕事にしている畑の手伝いを毎日するようになってきてる
ただ手伝うだけじゃ足りないので『重力』を自分にかけて手伝っている
魔力を使いながらしているから魔力も鍛えられる
美穂も同じように自分の家の手伝いをしているのだった
そんなこんなで2年が過ぎていく
加賀幸正 男 7歳
レベル 1
HP 100/100 MP 110/110
力 25
体力 25
素早さ 25
器用さ 25
知力 25
精神 25
運 10
スキル 成長倍増 経験値倍増
火魔法 水魔法 土魔法 風魔法
樹美穂 女 7歳
レベル 1
HP 70/70 MP 110/110
力 12
体力 20
素早さ 18
器用さ 17
知力 26
精神 26
運 4
スキル 成長倍増 経験値倍増
火魔法 水魔法 土魔法 風魔法 聖魔法
俺と美穂は部屋でお互いのステータスを確認しながら話をしていた
「2年経ったよね 5歳の頃よりは数値もあがったね」
美穂が嬉しそうにそう話してくる
「そうだね みほちゃんもHP70あるし
さすが魔法タイプだよね MPや知力精神はぼくとそんなにかわらない」
「うん それに街の外に出歩くことも出来るようになったよね」
「そうだね そろそろ結界の隙間から出てくる弱い魔物も
倒せそうだよね」
「うーん 危なくない?」
いくら弱い魔物とは言え魔物は魔物だ
今までまったく戦ったことすらないわけだから
美穂の言うとおり危険性はある
どうしようか
空想を現実に出来るならばいくらでもやりようがある