469話 キャッチボールとストラックアウト
次回は水曜日になります
俺、美穂、未来、ミアさん…それに父親の正太と宗人
それ以外にも、それぞれの家族で手が空いている大人達もふくめて
体育館に移動すると美穂と未来は女の子達を集めて
遊びたいことを相談するようだった
俺は俺で男の子達を集めることにした
句美子の弟の達也 美海の弟の陸と空
そして…ことりの弟…三つ子の淳、良治、俊彦の6人ほどだ
あやめの弟の太陽とゆかとゆうの弟の剛は
今日も剣斗のところで研修しているだろうから
この場にはいない
男の子達6人と、大人達数人…基本的に
この子達の父親や祖父がこの場にきているわけになるが
陸と空の父親はなぜかメモをとろうとしているようだった
「みなさん お昼ご飯とどうでしたか?」
とりあえず、集まった面々に問いかけてみた
「「「「「おいしかった」」」」」
「それはよかったです」
「ホットケーキもアイスクリームもたこ焼きも餃子もどれも」
「アイスクリームは甘くて冷たかったし
ホットケーキはふわふわで…たこ焼きは中のたこが大きくて
歯ごたえもあったし」
「うん どれもおいしくて…」
「ホットケーキは簡単だったね 作り方も」
「だよね ぼくたちは見ていただけになっていたけど」
男の子達がわいわいと感想を語り出している
俺はそれを聞きながら、みんな楽しんでくれていたのは嬉しく思った
「さて…これから夕ご飯まで遊ぶわけですが
ボルダリングが好きそうみたいですが今日は説明していないものを
2つほど説明しておこうと思います」
俺が言うと6人とも俺の顔を見て耳を傾けてくれる
「昨日 バッティングセンターとボーリングとゴルフ練習場の説明もしましたが
バッティングセンターの近くにもう一つスペースあるのは気づいてますか?」
「「「「「「あっ…はい 数字が並べられていて枠が…」」」」」」
俺の問いかけに6人とも思い当たったようだった
「1~9の数字があったけれど…アレはどういうものなのですか?」
達也が手をあげて俺に質問してくる
「バッティングセンターのバッターボックスのところを思い浮かべてください
ボックスが2つあって…その真ん中に5角形のものがありますよね?」
「はい」
「あれはホームベースというものですが…ボールが飛んできて
そのホームベースの上を通過するのが前提です
ホームベースの幅の内側がストライクゾーンというわけで
横方向とは別に縦方向のゾーンもあります
打者の肩から下、膝から上というのが基本的なゾーンですが
打者によって変わってくるので…ややこしいことはおいておきます
それで、その縦横の基本ゾーンを9分割して数字が入ったパネルを
ストライクゾーンの枠にあわせた枠にはめておいて
そこにボールを投げてパネルを落とすという遊びです
ストラックアウトというのですが…興味ありますか?」
「「「「「ボールを投げる遊び?」」」」」
6人とも首をかしげているので俺は実演することにした
ストラックアウト用のストライクゾーンの枠を
近くに設置してホームベースをおいてから14歳の姿に変身したあとで
一般的なマウンドからホームベースの距離
年齢的に小学生が多いから14メートル離れた場所から投げることにした
前世では両手が使えなかったし野球なんてやることもなかった
…ゴムボールで足で投げることはしていたが
障害者ルールでのお遊び野球と実際の野球とは別ものだ
手を使って投げるのはやったことないのと一緒だ
とりあえず、記憶を元にオーバースロー、サイドスロー、アンダースロー
オーバーとサイドの中間のところのも含めた4種類の投げ方を実演することにした
コントロールがちゃんと出来るかどうか自信もないが
ともかく投げてみせる
レベル制限も2にしておいているので
ステータスがおかしい状態でもないから
普通の人と変わらない身体能力にしておく
ボールの方は中に空気が入っている硬めのゴムボールにした
野球の軟式球や硬式球はさすがに危ないだろうから
ゴムボールを選んで縫い目もちゃんとつけておく
左足の踏み込みなどにも気をつけながら投げてみた
真ん中の5番のパネルに当てることは出来たが
それ以外のコントロールは出来なかった
オーバースローより若干サイド気味の角度から投げるのが
1番楽だったようだ
オーバースローで投げた場合は真ん中に当てること出来たが
アンダーだと枠外に飛んで行き、サイドの場合は比較的狙ったところに
投げることは出来てオーバーとサイドの中間が
1番安定した感じだった
「こんな具合です 投げ方も4種類ありますし
どの角度から投げるかは人それぞれです
ぼくの場合は上から投げるより斜めからの方が楽でした
とりあえず、グローブは全員に渡します」
「「「「「「あ、ありがとうございます」」」」」」
6人とも戸惑いながら受け取る
「まず、二人一組になって向かい合って
相手にボールを投げてください 受け取る場合はグローブをつけている方で
…お父さん ちょっと相手して」
「ん あ 実演か」
父親に相手して貰いキャッチボールを何回かする
「こんな感じに軽く投げていき…徐々に距離をひろげていきます」
「「「「「「はい…」」」」」」
こうして6人にキャッチボールをやらせることにして
俺も父親相手にやりながら周りを見ていると
美海の父親はメモをとっていて俺に話しかけてくる
「野球ですか?」
「はい 野球ですね まだキャッチボールとバッティングセンターだけですが」
「グローブやバット、他にも用具が必要みたいですね」
「そうですね だから…月宮で普及出来るかどうかはわかりませんが
魔物の脅威もなくしたわけですし人々の暮らしも
豊かになっていけば余裕も出ますし娯楽も色々あればいいかなと」
「なるほど…陸と空もキャッチボールみる限りだと
問題なさそうだな」
美海の父親が息子達を見て呟く
「将来何になりたいかは彼らが決めることだけど」
「はい」
「今は楽しめたらいいと思います」
「そうですね」
美海の父親と会話しながら父親とキャッチボールを繰り返して
6人の方を見ながら1時間ほどやる
6人が慣れてきたのを見てストラックアウトをはじめることにして
場所を地下9回に移動することにした
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