458話 剣の稽古 2
育美視点です
次回は金曜日になります
こうして、さちこさんと葵さんがフィールドに立ち
向かい合い、お互いに一礼をしたあと竹刀を構える
普段、さちこさんは片手で持っているけれど
今回は両手持ちにして下段に構えていた
対する葵さんはと言うと中段に構えているようです
お互いにびくりとも動きません
しばらく見ていると先に動き出したのがさちこさんの方で
右足を前に踏み込みながら竹刀を突き出すように
葵さんの手首を狙っているようです
それに対して葵さんはさちこさんの左側に
踏み込みながら移動して突き出してきた
さちこさんの手首に振り下ろそうとします
瞬時に斜め後ろへステップしながら
葵さんの振り下ろした竹刀を竹刀で受けつつ
そのまま葵さんの竹刀を押し上げていってるみたいです
「さちこ 力勝負ですか」
「避けてもお姉ちゃん追撃してくると思ったから
一度態勢を整えるために竹刀で受けたまでだよ」
「ふふっ」
さちこさんの返答を聞いて葵さんが嬉しそうに笑いつつ
自ら後ろへ一度ステップしたあとに
さちこさんの胴へ竹刀を入れようとします
それをしゃがみながら竹刀を避けた後で
さちこさんも葵さんの胴へ繰り出していきます
「さちこ あなた しゃがむの剣道じゃないでしょ」
笑顔のまま葵さんがさちこさんに言うと
さちこさんもばつの悪そうにして口を開きました
「避けるためには仕方なかったんだから」
「まぁ、いいわ 剣道じゃなくても良いから本気で来なさい」
「うん わかった 全力で行くね」
さちこさんがそう言うと竹刀を右手一本で持ち
左右へステップを踏みつつ葵さんに近づいていきます
葵さんもさちこさんの動きを目で追いつつ
受けに集中するようでした
左右へステップをふみ接近したあと
頭を狙って竹刀を振り下ろそうとするさちこさんに対して
葵さんが竹刀で受けようとしたところを
さちこさんは振り下ろしつつも横へステップをして
竹刀の軌道を変更していき
葵さんが上段へ竹刀を構えているところの
がら空きとなっている胴へ一撃を入れました
「ぐっ…衝撃波あるけど痛くはないわね」
「お姉ちゃん ずるしてごめんね」
「いいえ 実用的な剣とスポーツの剣道の差です
それに…レベル1とはいえ…基礎能力は上がっていると感じます」
「それは、わたしも感じてる うん
どういうわけかわからないけれど」
「身体能力が上がっていてレベル制限をつけても
そのレベルの限界値まで発揮できる身体になっているとか
ありませんか?」
「うーん よくわからないかなぁ」
さちこさんもいまいちわからないという感じの顔をしてます
「さて、育美ちゃん わたしと打ち合いしましょうか」
葵さんが話を切り上げて、わたしを見て話しかけてきましたので
返事をしてから葵さんと打ち合い稽古を時間が許す限り続けました
「はぁ…はぁ…つかれましたぁ」
途中からさちこさんも混ざってバトルロイヤル方式での
模擬戦になりました
魔法などは一切使わず剣だけでの戦闘ですが
葵さんも変則的な動きをしてくるようになり
二人の竹刀を受けながら、わたし自身も攻撃をする大変でした
「「育美ちゃん おつかれさま」」
「はい」
「おねえちゃんも途中から実戦向きの動きに変えたよね?」
「えぇ さちこと育美ちゃん相手だと剣道より
剣術の方がいいと思いましたし
競技としての剣道とは違って…楽しいものですね
育美ちゃん たまにわたしとも相手してくれますか?」
「あ はい わたしも練習になります
二人とも強すぎます はぁ…」
疲れましたけど楽しかった
葵さんやさちこさんに近づけるように頑張ろうと思いました
このあと3人でシャワーをあびてから戻りました
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