444話 夜ご飯はラーメンで
次回は月曜日になります
「ゆ、幸正さまぁ…はぁ…はぁ…はぁ」
慌てて走ってきたようで息を切らしているようだった
「だいじょうぶですか?」
あまりに慌てぶりだったので心配になって問いかける
「ふぅ…あ、はい 大丈夫です 話す機会がなくて
帰宅するところだったので慌ててしまいました」
息を整えながら俺に話しかけてくる見習の子
名前も聞いてなかったと思うのだが未来の方を見て確認する
「彼女は宮野あいですね 確か18歳だと思います」
「あ はい 申し遅れました 未来様にご紹介していただいたとおりです」
「今まで接点がなかったと思いますが…」
「はい ひな達や響子に比べると…目立たないし…その」
「なるほど…わかりました それで話というのは?」
目立たない子というのは理解した
30人もいるわけで全員把握は難しい
どうしても目立っている子に目が行ってしまうので
把握してなかったのは仕方ない
目立たない子が声をかけてきたのだから用事なんだろうと思い聞き返す
「はい 実は…父が」
昨日の昼にインスタントラーメンを食べさせたら
ラーメン屋になりたいということを言ったみたいだった
会社を辞めてと言うのは行動力がすごいというかなんというかだが
ラーメンの研究がしたいらしい
「ラーメン屋ですか」
「はい 以前 幸正様達が試作で…ラーメンとパスタを作ったときにも
参加もしてましたしおいしいと思いました
それと最初に由美さん達に買ってきていただいたものも
食べてみて…おいしかったですしインスタントラーメンもおいしいです
ただ、わたしが作ることができるのはインスタントラーメンだけなので
父に試食させたいと思っても…日本のお金がなくて…その…」
日本円を持っているのは、さくら達四聖侍女の4人や
ゆかり様、芽衣ちゃんちの母親である美咲
そして…俺の母親や絵美、ミアさんぐらいか
俺は時間を見て…少々考えてから母親達も呼ぶことにした
「おかあさーん おばさーん ちょっときてー」
まだゲートをくぐっていない母親達を大声で呼ぶと
二人ともこっちにやってくる
「「どうしたの?」」
「うん みほちゃんもいいかな?」
美穂なら俺の考えが理解出来るだろうと思って確認する
「夜ご飯 ラーメン屋に行こうとしたんでしょ?
お母さん達呼んだわけなら?」
「うん みくちゃんは帰宅になるよね」
「そうですね わたくしは…このまま帰宅します」
「今日も色々と面倒ごとを引き受けてくれてありがとう」
俺は太陽と剛のことで未来にお礼を言う
「いえいえ お母様達への連絡がわたくしの役割ですので」
「おねえちゃん ありがとうね わたしの分まで色々と」
「みほさん そう思いでしたなら…たまにはわたくしと代わってください」
「えっ? それは無理かも わたしお淑やかでないし…バレるよ すぐ」
「「ふぅ…」」
未来の問いかけに美穂が言うと呆れたような顔をして
ため息をついてしまう絵美と未来だった
「美穂がこうなったのは…わたしのせいかしら?」
絵美が落ち込んでしまうように呟いている
「お母さんが悪いわけでないから…」
それを見て美穂が慌てて言う
「それでは…わたくしは帰ります」
キリがないと思ったのか未来が切り上げるように言ったあとで帰って行く
「さて…おねえちゃんもいい?」
「ラーメンは問題ないよ わたし お父さん達呼んでくるから」
「うん」
由美が向こうの世界に父親達を呼びに行く
「あ あいさんのご家族は?」
少し放置してしまっていた…あいを見て慌てて言う
「はい えっと…ちょっとお待ちください」
あいがそう言いながら一礼をして向こうに呼びにいったようだ
しばらく待っていると…あいの他に3人が後ろについてきて
俺たちの前に並んで挨拶をしてくる
「あいの母親でございます いつも娘がお世話になっております」
まずは母親が挨拶をしてきたので俺たちも一礼をする
みた限りだと俺の母親よりちょっと上くらいかと思う
次にあいが妹たち二人を指しながら紹介する
「妹の乃愛と千早です」
紹介されたのを受けて二人とも一礼をしてくるので
俺たちも同様に一礼を帰す
「お父さんを呼びにいってきますので…幸正様
お母さん達といて貰えますか?」
「はい」
俺が頷いたのを見てから、あいはゲートをくぐり向こうの世界に向かった
それを見届けてから母親が、あいの母親に話しかけるようだった
「突然 すみません」
「いえいえ それで…このあと何をする予定なのです?」
「もしかして…あいさん 説明なしに連れてきただけなのです?」
母親が若干ひきつりながら問いかけていた
「はい ちょっと幸正様に挨拶を…とだけしか」
「そうなのですね このあと…わたしたちと
一緒にラーメン屋さんに行こうという話です」
「「「えっ?」」」
3人とも驚いて俺たちを見る
「あの…もしかして…娘が言い出したのです?」
あいの母親が青ざめながら俺に聞いてくる
「いえ ラーメン屋に行こうと言い出したのは…ぼくです」
「そ、そうなのですか…あの子からはどんなことをお聞きしたのです?」
「お父さんがラーメン屋やりたいという話と試食したいけど
日本円が持ち合わせていないということを」
「はぁ…わたしたちの家のことなのに…すみません」
「「「「いえいえ」」」」
俺たちは手を振りつつ答える
しばらく待っていると最初に戻ってきたのが由美達だった
「おまたせ」
「由美ちゃんありがとう」
母親が由美に微笑みながら言う
父親、宗人、ミアさんと…あいの家族に頭を下げていた
そうこうしているうちにゲートから
あいと男性が慌てるようにやってきて俺たちの前に来る
「「おまたせしました」」
「幸正様 娘がお世話になっております
しかも…ラーメンの試食まで…どうやって
ご恩をお返ししたらいいのか…その…」
あいの父親がオロオロしながら俺に言う
「あ 大丈夫です」
そもそも、お世話してないし…あいのことを認知したのも先ほどだ
なので…俺はどう言っていいかわからず大丈夫ですとしか言わなかった
みんな揃ったみたいだから母親が口を開く
「揃ったみたいだから移動しましょうか
ラーメン屋 前に行ったところでいいよね?
あそこなら全種類あるし」
母親が父親達と美穂に問いかける
「「あぁ」」
「うん じゃあ、みんな手をつないでくれる?」
美穂が言うと全員手をつないでいき円を作ると
美穂が瞬間移動を発動させてラーメン屋に移動するのだった
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