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異世界で夢を叶えたい~ダンジョンでみつけた魔物などで食文化、産業革命を提案する~  作者: クーニー
中央での生活 ダンジョンに入るまで
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39話 授業と芽衣との会話

1時間目は国語だった

学校なんて60年以上ぶりになる

ましてや小学校はもっと久しい

懐かしい部分もあるが養護学校と比べて

人数も多いわけだし新鮮でもある

真面目に授業を受けて休み時間になると

隣に座っている芽衣が俺に顔を向けてくる


「いいですよね?」

「はい でも、ここだと人が多いし…」

「うーん 人気の少ない場所がいいんです?」

「えっと 内容によるかと思います」

「あ うん 服について知りたくて それで」


芽衣がそう答えてくる

そこに美穂と未来がやってくると


「芽衣さん えっと…確か紺菱呉服店の娘さんでしたよね」


未来が首をかしげながら芽衣に問いかける


「あ はい 未来様 わたしの家のことご存じで?」

「はい 色々と無理難題を依頼してしまいましたし…」


なるほど 洋服関係のことか

だとしたら芽衣の話も服のことになる訳か


「みくちゃん 呉服店の娘さんとなると

 放課後に時間作った方がいいと思わない?」

「そうですね 休み時間では時間が足りないことになりますし

 芽衣さんもそれでいいです?」

「あ はい ありがとうございます

 お父様からも未来様に気に入れられろと言われてしまいましたけど

 会話したことも今がはじめてなのに」

「そ、そうでしたね 今まで会話してなかったですね

 今後は色々とあるのでよろしくお願いしますね 芽衣さん」

「はいっ!」


芽衣が嬉しそうに返答をする

休み時間も終わり

このあとも授業を真面目に受ける

算数…これと言って日本の小学生と特に変わらない内容だと思った

まだ2年生レベル…まだまだ頭の悪い

俺でもわかる範囲だった

社会 この国の成り立ちや歴史

魔の森のことを習っていたようだった

国の成り立ちは俺のような転生者が関係しているという話は

未来から聞いていたが授業ではそこまでは語られてなかった

そして4時間目は理科だった

この日は魔物の生態についてだった

魔物には必ず魔石と呼ばれる核があるらしい

魔石を抜き取れば魔物は死ぬと言うことだったが

魔物の種類によっては魔石そのものがどこにあるのか

わからないものもいるみたいだった

たとえばゴースト系やガス状の魔物なんかは

物理攻撃が通用しない上

各そのものが見当たらないと言うことも

おそらくだが…ガス状のものは原子レベルの大きさになっている気がする

わからないが

ふと思ったことだが…今日の授業に出てきた

バルーンとか言う魔物

いわゆる 前世のバルーンみたいな形状のものなんだが

あれって大量に捕獲して核を抜き取ったあと

皮にあたるゴムを再利用出来ないものか

この国にもゴムはあると思うがどれくらい量産出来ているのか

気になるところだ

自動車などが作られているのだからゴムはあるはずだし

魔物素材でなにか代用しているのかどうかも気になるところだった


そんなこんなであっという間に4時間目の授業も終わると

その日の授業も終わりのようだった

まだまだ低学年だからなのだろうか

午前授業になっていた


「ふぅ…理科は楽しかったな」


俺がそう呟くと隣にいた芽衣が聞いてくる


「幸正くんは科学とかが好きなんですか?」

「うん あと魔物の生態も面白いと思った

 魔物の特色を素材として使えないものかとか

 考えてしまう」

「それ わかります はい

 使える素材があれば便利なものが色々出来ると思うもんね」


俺の言葉に同調してキラキラと目を輝かせて語り出す芽衣

彼女は服作りだけじゃもったいなさそうな気がする

そう思いながら芽衣を眺めていると

美穂と未来がやってきて俺が芽衣を眺めているのが

気に入らなかったらしくて美穂が頭を叩いてくる


「いたっ もう…みほちゃん また叩く なにもしてないのに」

「なによ 芽衣さん眺めていたでしょ いま」

「えっ? わたしを?」

「キラキラして語っていたから好きなんだなぁって 科学」

「あ、あぁ うん すき」

「ふーん」

「だからぁ 暴力反対」

「ゆきくん わたくしも他の子をみとれているのを見るのは面白くないです」

「みくちゃんまで…みとれていたわけじゃないから」


美穂も未来も俺を睨み付けてくる

そんな二人をみて芽衣は首をかしげながら二人に質問をぶつけていた


「あの…未来様とみほさんは幸正くんとはどういう?」

「えっ? わたしは幼なじみ」

「わたくしは…その友達…」

「幼なじみさんと友達…皇女様と友達? えっ? 幸正くん?」

「うん いろいろあって…それはそうと話をするにしても

 ここだと周りが…」


俺は周りをちらっと見て言う


「そ、そうですね どうしましょう」

「芽衣さん 紺菱呉服店に伺っても?」


未来がそう芽衣に問いかける


「わたしの家ですか 皇女様は護衛とかなしで大丈夫なのでしょうか?」

「あ…護衛ですか 大丈夫です みほさんもゆきくんもいますし

 わたしたち3人を相手に攻撃してくるようなら

 身の程知らずと言っていいでしょうから」

「えっ? 未来様 それって…どういう」

「あはは おねえちゃん それをここで言うのはまずくない?」

「言われてみれば…そうですね 芽衣さん ともかく大丈夫です

 芽衣さんにも危険が迫ることがあるなら

 わたしたちが排除しますので」


未来がにこりと笑いつつ

芽衣に圧をかけている


「…わ、わかりました それでは…わたしの家に」


こうして俺たちは芽衣の家に向かうのだった

教室から出て校門に行くまでの間

芽衣や俺、美穂を好奇や嫉妬、いろんな感情の

視線が突き刺さってきて精神的に疲れてしまった


「芽衣さんも大丈夫? 視線が」


俺は芽衣に聞いてみる


「そ、そうですね こわいです 未来様とこうやって会話できること自体

 わたしたち庶民にとっては…ですし」

「やっぱり…みほちゃん みくちゃん

 このあとの展開次第で芽衣さんもこちら側に引き込んでも?」

「それが安全だね」

「そうですね それに服の研究開発もありますし

 娘になにかあったら仕事もおぼつかなくなるおそれもありますし

 それはそれでだめでしょう なので、わたくしも賛成します」

「よかった…」

「あの わたしを未来様側に引き込むというのは?」


芽衣は首をかしげて俺たちを見る


「とりあえず 急いで家に」

「はい…」


芽衣の案内で呉服店に着く


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