37話 極秘会議
長くなりすぎてます すみません
4話に分割して書いていたのですが文字数がバラバラになってしまったので
まとめました
皇宮にある小会議室
部屋には結界魔法が張られてあり
傍受等の防護対策が施されてある この部屋に
月皇 皇后 皇太子殿下夫妻 未来と言った
皇族第一継承を持つ面々だけ集まっていた
もちろん月皇の息子は皇太子の雅仁だけではないが
次期月皇は雅仁皇太子が受け継ぐのが
既定路線の現状であるため
その妻はもちろんであるが
今回に限って言えば月皇の孫娘にあたる
未来が中心にいるような議題なので
この面々だけになった
現月皇こと玄仁は一同を見てから声を上げる
「報告は受けておるがゆかりよ 昼間の件について
詳しく聞かせてくれぬか」
「はい その前に…お義父様、お義母様、そしてあなた
今からお渡しする指輪をはめてください」
ゆかりがそう言うと指輪をそれぞれに渡してくる
わしはその指輪をじっくり眺めながら右手の中指にはめ込む
妻、息子も同様にはめ込むと
ゆかり派それぞれはめ込んだのを確認してから
目を閉じる
「お義父様方 聞こえますか?」
頭の中に直接響いてくるゆかりの声に
わしはゆかりの方を目を開いて見てしまう
思わず声を出して
「聞こえるが なんじゃ? 念話か?」
そんなわしの言葉にゆかりは目を開けてわしの方を見て
言葉で話しかけてきた
「はい 念話です 幸正からいただいた指輪の機能です
未来 美穂も同様に所持してます」
ゆかりがそう答えると
隣にいた未来が右腕を前に出してみえるように見せてくる
「ふむ」
「お爺さま この部屋は傍受結界が張ってあるにせよ
他人に漏らしたくない場合は念話を活用するのが
1番安全だと思います」
未来がそう話してくる
7歳にしては頭もよすぎていて末恐ろしい娘だが
確かに未来が話したことはその通りだ
「わかった これから先の会話は念話にて行う
雅仁達もいいか?」
「「はい」」
ゆかりが続けて念話にて指輪の使い方を説明してくる
一通り聞き終えた後
わしや息子はその場で大きなため息をついてしまう
「幸正の能力 報告されていた以外に
なに隠しているだろうとは予想はつけておったが
知れば知るほど驚愕の内容に…」
「父上 幸正をどうおつもりでしょうか?」
息子の雅仁がそう聞いてくる
「幸正が本気を出せば国はおろか世界を
手中に出来る力は持っているのはわかるな?」
「はい 危険すぎる能力だと思わざる得ないのが正直なところです」
「そうだな とは言え…当の本人は権力も地位も名誉も
興味がなさそうなのだが」
「そこがわからないところです これだけの力があるのに」
息子が首をかしげて答える
そこで未来が口を挟んできたようだ
「お爺さま お父様 よろしいですか?」
「「あぁ」」
わたし雅仁が頷くと未来が話を続ける
「ゆきくんは世界とか興味ないようにみえますし
将来 結婚して幸せな家庭を作ることが第一という
考えだと思います
わたくじがその傍にいられるかどうか
自信はないですが…美穂さんは…」
孫娘が悔しそうにしつつ話したのを
わしと息子が聞き終えた後
「美穂と結婚はわしも反対せぬ
ただ、未来も可愛い孫娘なのでな
未来にもしあわせになってほしいとは思っておる」
「美穂も未来も娘であるし二人ともしあわせになってほしいのは
わたしも同じですが現状の月宮の法律では
一夫多妻は認められてないのも問題点の一つであります」
息子がそう語る
わしら皇族が国政に口を出さないようになって久しいが
どうしものか
「雅仁よ 内閣総理大臣に圧力かけてくれぬか?」
「父上 それはさすがに…」
「しかしだな 幸正を一族に入れておく方が
この国としては…」
「それはそうですが…未来 お前は美穂と二人で嫁ぐことには
問題はないのか?」
「ゆきくんの隣にいられるなら美穂さんと二人で構いません
これ以上 女の人が増えるなら…美穂さんが黙ってないと思いますし
わたくしもゆきくんに言います」
「そうか…わかった 一夫多妻制も特例としてみとめるように
内閣に働きかけるとしよう」
「さて、指輪の能力だけでも頭が痛い内容であるが
ゆかり 未来 本題は別の件だったな」
「はい 一つは衣服の革命となります
この国は着物を身に纏うことが常ですが
幸正から日本の衣服をサンプルとして色々渡されました」
ゆかりがそう語ると侍女に合図を送り
サンプル品が各種ひとつずつ
テーブルの上に侍女が置いていく
それを一つずつ確認していき見覚えがあるのが
2つほどあった
「これとこれは…幸正と美穂が身につけていたものだな」
「はい 日本で言う学生服となっているようです」
「なるほど 学生が着る服であるか」
ゆかりの説明に相づちをする
そのあとゆかりは一つずつ説明していき
下着の説明になった際
「下着の説明にうつりたいのですが…男性用の下着は
そうですね あなたに試着して貰うことにしますが
引き受けて貰えますか?」
「あ、あぁ…」
「女性用のは未来…お願いね」
「はい それに伴い わたくし14歳へ変身することになりますので
あらかじめ変身出来ることをお伝えします」
未来の言葉に
ゆかりを除くわしらは驚いてしまう
「「「変身?」」」
「はい では…」
未来がなにかを呟くと未来の周りがひかり
14歳の姿へ変身していきみたことのないような服を纏っているのだった
「な、なんと…」
「未来 お前 なにを」
「いったい どういうことなのですか」
わしらが全員 念話にて口をすると
未来は幸正の能力の一つであることを説明する
「はぁ…孫娘になんと言う能力を預けたのだ 幸正は?」
「ダメージ無効に状態異常無効とは…敵対者に対しても自動反撃とは
どこまでとんでもないものを…娘…未来の安全のためとは言え」
息子もため息を漏らしている
あやつはほんとに自分がなにをやらかしているのか
もう少し自覚すべきじゃ 頭が痛くなる
驚いてるわしらを前にゆかりが冷静に口を開く
「あなた お着替えなさってください 未来もいい?」
「あぁ…」
「はい わたくしは下着姿になってまいりますので失礼します」
未来が机に置いてあった下着2枚を手にして
部屋から出て行く
わしは息子を見て
「試着しなきゃはじまらないからな わかっておるな?」
「はい 失礼します」
「あなたにはパンツの他にシャツとズボンも試着して貰います
侍女には着せ方を説明しておりますので…侍女に身を預けてください」
「あ、あぁ」
息子も諦めたように部屋から出て行く
部屋に残ったわしと妻 そしてゆかりは話を続ける
「お義父様 衣服以外にも幸正に進言して貰いたいことを
言付けされております」
「なんじゃ?」
服だけでないのか 他になにを変えようとするのか
「一つは国防を重視してほしいこと」
「国防とは…この国は外国と交流がないのだが…」
「だからこそです」
ゆかりから幸正が話していたことを伝え聞く
日本の過去の話だったが外国とのゴタゴタ…確かに平和を
脅かされることになる
あやつは備えあれば憂いなし…という考え方なのか
先の結界強化にしてもそうじゃったな
「わかった 国家プロジェクトとして防衛兵器の開発と
飛行機開発を内閣に圧力かけよう」
「それから 国内にいるおかしな連中にも気をつける方がいいと思います
飛行機技術等は外国へ渡したら危険なものになります」
「そうだな 飛行機の技術が悪意ある外国に渡れば
戦争になる それはわしも容易に理解出来る」
「はい 幸正が国防に力入れてほしいというのに外国に技術を渡すような
国賊を放置するのはだめですからね」
「そうだな 今の内閣は我ら一族寄りの政府だから
色々と動いてくれるだろう
飛行機開発は…どうしたものか 指輪の力で飛行機の詳細は
印刷可能と言ったがまことか?」
「はい 日本のネットワークという電話回線を使ったものがあるようで
声だけでなく写真も動画もやりとり出来るものがあるのですが
この指輪もそのネットワークに接続出来るようで
調べたいものは簡単に調べられます 印刷も簡単にできます」
「ふむぅ 恐ろしい能力だな この指輪」
「ゆかりさん これ他人にとられたら危険では?」
妻がそこでゆかりに言う
「はい 指輪自体が危険なものになります いろいろと
技術革命 この世界と日本とは100年開きがあるようですし
悪意のある輩に指輪を取られたら悪用されます 日本の技術を」
「どうするの?」
妻が心配そうに呟く
「幸正に指輪所有者以外使用出来ないようにしてもらうのが
1番だと思います」
ゆかりがそう答える
「そうだな 後日 幸正を呼ぶことにしよう」
「はい この件ではなくすでに後日 再び面談予定になっております」
別件じゃと…次から次となにをやらかすのか?
わしは思わず額に手をやる
「して 別件とは」
「はい それが…幸正がこの世界に転生できた
きっかけになった神様と言うべきなのでしょうか
輪廻の管理者様をこの世界に具現化したいという話でして」
わしは思わずむせてしまうほどふいてしまうと
妻が心配そうに見つめてくる
「大丈夫ですか?」
「大丈夫だが…大丈夫でない 神様だと…なんなんじゃ?」
「えっと 神様呼びしているのは人間達の方でして
本人達は世界に干渉はしないようで…」
「そっか 具現化するとなると干渉するのではないのか?」
「はぁ…そればかりは本人に確認してみないと
世界をどうこうするつもりはないと思いますけど」
「わかった この会議にいる6人は次の面談に必ず参加するように」
「「「「はい」」」」
この場にいない息子と孫娘も念話を通じて話は聞いているようで
返事が返ってきた
しばらくすると息子と孫娘が部屋に戻ってくる
息子の方は見慣れない服装になっていた
孫娘の方は浴衣を羽織っていた
「二人とも準備は終わったか?」
「「はい」」
「まずは雅仁からでよいか?」
「はい 上がワイシャツと言われるものらしく
前開きでボタン?でとめるようでした
ボタンの作りもいたってシンプルで
技術的には問題ありません
着慣れてないせいか違和感はありますが慣れの問題だと思います」
「なるほど 着物に比べて簡単に着替えはできそうか?」
「はい そうですね 着物に比べて上も下も楽でした
下のパンツはふんどしと比べて簡単に履くことが出来るので」
「そうか…用を足すときも楽なのか」
「はい これが一般化されるなら時間なども短縮されると思います」
「なるほど わかった 次に未来…恥ずかしいとは思うが」
「はい 家族相手なので恥ずかしさは大丈夫です
今 浴衣を脱ぎます」
未来がそう言うと浴衣を脱いでいき下着?姿になる
こちらもみたこともない姿だった
「ふむぅ…なんと言えばいいのか…」
そこで未来が妻に話しかけてくる
「お婆様から見て…わたくしの胸はどうですか?」
「あ うん かたちもきちっと整ってるようにみえるわ」
「このブラというものは胸が垂れ下がるのを予防するのが
目的とされているみたいです」
「なるほど 若い時からブラを付けていれば
垂れ下がるのも遅らせることが出来るということなのかしら」
「はい 他にも運動などをしているとき動いてて胸が動くのも防げますし
運動用のブラも存在しているようです」
「色々あるんですね 魔法がない世界なのに
なにからなにまで驚かされてしまいますね」
「はい でも、こちらの世界には魔法も魔物もいます
あちらの世界にはそれがないけど科学が発展しているだけです
ゆきくんが言うには科学力はこちらの世界でも発展できると言います」
「なるほど だからこそ 幸正はこんな風に革命を
未来に預けているのかしらね」
妻が未来とのやりとりでそんなことを呟く
確かに科学力の発展は掲示されれば出来るだろう
日本という世界には魔法がない
魔物もいない
そうならば魔物の素材を使った
この世界独自の発展も出来るだろう
現に魔力をエネルギー変換する技術も確立されている
それならば飛行機も
どういうものか道しるべさえあれば
出来ることになるだろう
「下着や服は紺菱呉服店に研究依頼を出しておきましたが
あの店だけでは身が重いと思いますので
全国に協力を要請せよと言っておきました」
ゆかりがそう話す
「ご苦労 ゆかり 的確な判断 見事」
「いえいえ」
「雅仁 この後 早急に内閣に連絡を」
「はい 飛行機に間しては防衛省に話を持っていきますがよろしいですか?」
「そうじゃな あと自動車会社 造船会社 関係する機関にはすべて話を通せ」
「はい シークレットプロジェクトがよいでしょうか」
「それがいいじゃろう 一族を蹴落としたいと思うような輩もいるのでな
内閣にもうひとつ進言せよ 国賊 外国勢力に技術を売るような輩
月皇を転覆させようとする輩は反逆罪として処罰する法律を
早急に成立せよ…と」
「はい 承知しました」
「美穂子 雅仁 ゆかり 未来 これから色々忙しくなるだろう
幸正が今後もやらかすであろうが…」
「「「「はい」」」」
「未来 お前には1番苦労させると思うが頼むぞ」
「いえいえ ゆきくんのやらかし わたくしも関わっているので
わたくしも責任ありますので」
「そっか 学校も決まったようだな 幸正と美穂」
「はい 週明けからの予定だと思います」
「なら 次の面談は来週末でよいか?」
わしはそれぞれに確認する
「「「「「はい」」」」」