377話 試食品の紹介撮影 1
俺は美海達に撮り方を確認する
「どうします? 一人ずつ撮ります?
それとも7人並んでカメラを移動しながらとります?」
俺の問いかけに7人とも固まって相談を始める
…
……
………
しばらく待つと句美子が俺に返答をしてくる
「一人ずつ 撮影でよろしいですか?」
「りょうかいです 撮影した後で繋げれば良いので…
順番は先ほどと同じですか?」
「はい わたしからはじまって…最後に舞菜香ちゃんで」
「わかりました」
撮影準備に取りかかると…近くで見ていた
母親が共通アイテムボックスから…とんかつを取り出して
テーブルに置いてくれる
「お母さん ありがと」
「まずはとんかつからでいいんでしたよね? くみこちゃん」
「はい わたしは…とんかつ担当ですし」
「あ 他のみんなは…念話で教えておいて」
「「「「「「はい」」」」」」
美海達の方は母親に任せることにして
撮影をスタンバイする
「くみこさん 準備いいです?」
「はいっ」
句美子が顔を引き締めて返事をしたので
俺は「3.2.1」と言ったあとカチンってカチンコを鳴らす
「それでは試食する料理に移りますね
最初に紹介させていただくのは…こちらのとんかつです
わたし自身もとんかつを作ることを担当してます
使われている、お肉ですが…今回は暴れ大猪のロース肉を
使っていますが豚肉のロース肉が本来のとんかつです
豚肉に溶き卵を絡めたあとで
パン粉…パンを乾燥させた上で粉にしたものですが
それをまぶしてから油で揚げるという料理です
脂身のあるロース肉が苦手な方は
こちらのヒレ肉を使ったものもございます
今回の試食では一人当たりに配る量が少なめになっていますので
もの足りなく感じると思いますが
ぜひ、ご試食していただければ嬉しいですっ
とってもおいしいですので…」
句美子が説明を終えたあとでとんかつを箸で持ちながら
口に運んでいき笑顔で食べる
カメラアングルは美穂達に任せているが
おいしそうに食べてるところを最後にアップにしてくれていた
「はい カット くみこさん よかったよ 最後はおいしそうに食べていたし」
「はい おいはしいですし…うまく撮れてよかったです」
句美子は無事撮影終えて安堵の表情浮かべていた
撮影が終わると待機スペースに移動してななみとハイタッチをしていた
ハイタッチを交わしたななみが机の前に移動する
同時に母親が刺身の盛り合わせを机の上に置く
「準備出来ました」
ななみが元気に俺に言ってきたので
「それじゃ、3.2.1」と言いカチンコを鳴らす
「次に紹介させて貰うのは…こちらの料理です
国民の皆さんには見慣れないものだと思います
こちらの料理は…生の…お魚です
ただ、今回使っているのはダンジョン55階層にいる
ギガントトゥーナスは巨大なまぐろ
ギガントロブスターは巨大なえび
ダイオウイカは巨大ないか
最後のブルーポイズンオクトパスはタコになります
またブルーポイズンオクトパスですが…毒ダコという意味ですが
除毒、浄化、除菌をきちんと施していますので
安心してください」
そこで一度、説明をとめたななみは
自身の指輪を使ってウインドウを展開させるとネットに繋げて
まぐろ、エビ、イカ、タコの画像を表示させながら
再び説明を始める
「ウインドウをご覧にいただけるとわかるとおもいますが
これらは海の生物となっていまして
海も結界に覆われましたので漁業を出来るようになれば
魔物ではない普通のお魚が捕れるようになります
今回は魔物を用いた…お刺身になっています
まぐろは赤身、中トロ、大トロと3種類用意しました
赤身はあっさりしたもので…中トロ、大トロは
脂がのってます 赤身と大トロでは味もかなり変わりますし
脂っこいものが苦手な方は…赤身をおすすめです
えびはプリプリとした食感になってますし
いかとたこは1度、熱湯にさっさ湯通ししたあとで
イカの方は胴体部分を細切りにしたもの
タコの方は足を薄切りにしたものになります
食べるときは…お好みで…わさびを入れて
醤油につけて…お召し上がりください
えっと…わたしは…お刺身自体
つい先日、はじめて食べましたけれど
本当にとってもおいしかったです
海の幸がもっと広がればいいなって思いました
漁が出来るようになったら…他にも色々ありますので
今から楽しみですっ」
そこでななみが刺身を食べ始めると
カメラアングルを顔へ切り替わる
おいしそうに食べる七海を見つめていると
食べ終えた後でカメラ目線になりつつ
最後の〆をななみが言う
「ぜひ、会場に足を運んでみてください
つぎは…みなみちゃんです」
ななみが俺にアイコンタクトを送ってよこしたので
「はい カット ななみさん お疲れ様」
「はい こんな感じでいいのかな?」
「問題ないです ウインドウ表示というのは
予想してませんでしたけど」
「あ はい まぐろとか説明するなら
これがいいかなと思いました」
「うん そうだね よかったです」
ななみは小さくガッツポーズをしたあと
待機スペースに戻ると美海とハイタッチをして
美海が机の前に移動する
少しでも面白いと思って頂けましたら、評価をお願いします
下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります
ブックマークも頂けると非常に喜びますので、是非宜しくお願い致します
良ければ、感想もお待ちしております
評価や、ブックマーク、いいね等、執筆する上で
非常に大きなモチベーションとなっております
いつもありがとうございます