376話 撮影開始
美海達が更衣室から戻ってきて
机の前に並んで立つのを見てから俺は話しかける
「いきなり録画は大変だと思うから
最初は確認のために出だしのところだけ…いい?」
「「「「「「「はい」」」」」」」
俺はカチンコを手に持って「これを鳴らすから…そしたらスタートで」と言う
「「「「「「「はい」」」」」」」
手に持ったカチンコをカチンと鳴らす
「みなさん、はじめまして、こんにちは
わたしたち…(せーの)…」
「「「「「「「虹色少女隊です」」」」」」」
句美子が進行役みたいだ
「いきなり、こんな番組を流されて戸惑うかも知れませんが
最後まで見ていただければ…うれしいです」
「くみこちゃん それで今日は何の番組なのか
みなさんに、お報せしないと」
そこでななみが句美子に言う
「はい そうでしたね 来週末 12月○○日から△△日までの
金土日の3日間 央都○丁目○番地にある
お屋敷で食の祭典が開催されるのです」
「幸正様が色々と今まで…お母様達に作って貰った料理の数々を
国民の皆さんに試食して貰うと言う…お祭りです
わたしも色々食べましたが…どれもおいしくて
思わず、うんめいにゃぁと言いたくなっちゃいます」
句美子が日時場所を言うと美海が続けて概要を言う
そこまではいいのだが…まさか…美海が猫のポーズをしつつ
「うんめいにゃ」の言葉を言うなんて…思わず
「みにゃみ」
俺が呟いてしまうと美穂が顔を膨らませて俺を睨む
「ゆきくん またみなみさんに…むぅ」
「そんなこと言ったって…好きだったアイドルなんだもん」
「それはみなみさんじゃないでしょ」
「そうだけど…」
俺が呟いたせいで進行が止まってしまって
美海達が俺を見ていた
「あ ごめんなさい ごめんなさい みなみさんのセリフが」
ひたすら謝る俺を見て美海が困ったように俺を見て
「大丈夫ですから…それで…こんな感じでよろしいですか?」
「うん うんめいにゃもかわいかった」
「もう…」
俺の返答に美海が赤くしてしまう
それを見て美穂が俺の頭を叩いてくる
「いたっ」
「ふん」
「みほちゃん…怒るのはわかるけどたたくのはやめて」
「ふんっ」
美穂の機嫌が悪くなってしまってるのはこまるのだけど
気を取り直して美海達に話しかける
「だいたい 今の感じでOKです」
「よかった」
句美子が安堵の表情を浮かべると
ななみと美海がお互いにハイタッチして喜んでいた
このあと本撮りをして日時と場所、概要を伝えるシーンを撮り終えると
次のシーンに移る
「次は7人の自己紹介シーンで」
「「「「「「「「はい」」」」」」」」
日時、場所、概要を伝えるシーンを撮り終えると次のシーンに移る
再び、カチンコをカチンと鳴らすと句美子からスタートする
「桃色担当の堀江句美子です よろしくお願いします」
「紫色担当の山寺ななみです トレードマークはポニーテールです
ななみんって呼んで貰えたら喜びます よろしくお願いします」
句美子は硬いな
ななみは…ポニーテールを見せながら紹介していた
この子は…肝が据わってるね
「はいっ 黄色担当の種田美海です よろしくお願いします」
「藍色担当の大空ことりです よろしくお願いしましゅ あっ…」
噛んじゃってるけど可愛いからそのままでいいと合図をすると
ことりは首を横に振り撮り直しを希望した
撮り直しをして
「藍色担当の大空ことりです よろしくお願いします」
今度は噛まずに言えて…ことりもホッとした表情を浮かべる
「橙色担当の夢前みゆでーす よろしくお願いしますね」
みゆは…うん アイドルらしい
「水色担当の浪川すず…です よろしくお願いします」
「緑色担当の…岩倉舞菜香ですぅ よ、よろしくお願いしますぅ」
舞菜香はいつも通りのしゃべり方だけど
頑張ったと思う
「わたしたち7人は…今年から皇室の侍女見習いでしたが
今回、この番組に大抜擢されました」
「当日はステージで歌も披露しますので…お近くの方は」
句美子と美海が言うと全員で可愛く「「「「「「見に来てください」」」」」」と言う
「はい カット 自己紹介シーンもOKです」
「「「「「「「「ふぅ…」」」」」」」」
7人ともため息をついてしまっている
次はいよいよ試食シーンに移ることになる
少しでも面白いと思って頂けましたら、評価をお願いします
下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります
ブックマークも頂けると非常に喜びますので、是非宜しくお願い致します
良ければ、感想もお待ちしております
評価や、ブックマーク、いいね等、執筆する上で
非常に大きなモチベーションとなっております
いつもありがとうございます