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362話 会場の下見

12月に入り外にはチラチラと小雪も舞う季節になった

今日は食の祭典を開催する会場の下見を

ゆかり様や殿下と一緒にすることになって

関係者全員、会場に訪れていた


会場は首都の中心部一等地に建てられている

大きな屋敷を使うみたいだった


立派な門をくぐると門と屋敷の間は

かなりの距離になっていて…そのスペースに車を止めるように

考慮されているみたいだ


建物は3つほど並んで建っているようで

渡り廊下で繋がっているようだった


玄関から入ると左右に渡り廊下廊下が延びており

向かって左側の廊下を進んでいくと突き当たりに別館に向かう廊下に出る

別館はと言うと…本来なにかの稽古場に用いられているような作りで

大きさと言えば体育館4つ分ほどの大型のものだった


「幸正 こういう屋敷になってしまって…悪いわね」


ゆかり様が申し訳なさそうに俺にあやまってくる


「いえいえ さすがに何階建で大ホール込みのビルなどは

 まだまだ難しいわけですよね」

「えぇ…それに1ヶ月ちょっとで用意出来るものでは

 1番大きな会場を抑えたわ」

「それだけでも大変だと思うからありがとうございます

 来年夏の方…本番なので」

「そうね 来年夏のは建設中だから間に合うはずだわ」

「間に合わなかったら…ぼくがずるします」

「…まぁ、あなたの能力を使えば建設費も浮くだろうけど

 雇って…お金をまわさないと…国のためにならないからね」

「そうですね」


別館に入りゆかり様と会話をしつつ周りを見回す


「かなり広いですね 見た感じ体育館8つ分?

 一般的な学校の体育館の広さの8倍ぐらい?」

「幸正が作った地下室に比べれば小さいものだろう」


殿下が俺の呟きに反応していた


「まぁ…あれはずるですから 特に侍女寮の地下は

 かなり広くしてましたし…」

「幸正よ 侍女の待遇がよすぎないか?」

「そうですね…色々と今後も頼る子達だから…」


俺の言葉に殿下はあきれ顔になっていたが

一つ咳払いをしてから殿下が改めて話を続ける


「これだけの広さなら試食スペースと

 各店舗のスペースも足りるだろうか?」


殿下の言葉を受けて考え込みながら返答をする


「相馬さん、桜庭さん、紺菱呉服店、光月堂さん

 拓郎さんの居酒屋…白井パン屋、江藤さんなど

 他には家電展示スペース?」

「えぇ…そうね 多めにいるのは紺菱呉服店と

 家電展示スペースかしらね」

「はい」

「宣伝担当は…見習いがするのでしたよね?」


ゆかり様が同行していた侍女達を見て言うと

ひな達のグループと美海達のグループが手をあげながら返事をしていた


「マスコミは入るのです?」


俺はゆかり様と殿下に確認をする


「呼んではいるわ」

「テレビ局も?」

「えぇ…ただ、テレビを見ることが出来る人間も限られているから

 やはり…幸正が国民に映像投影するのが無難じゃないかしら?」

「はい そうですね

 美海さん達の歌を歌えるステージも…この別館の中央に設置がいいかな?

 入り口付近は試食スペースで壁沿いにお店を並べていくかたち…どうでしょうか?」

「それで問題ない」

「問題ないわ」


二人は頷くが…そこで由美が俺に突っ込みを入れてくる


「幸正くん ステージを中央だと360°全方向になっちゃうし

 初めてのステージで…それは難しいと思うよ」

「あ…」


言われてみれば確かにその通りだった

この別館の中央にステージ置くとどこを向いてやればいいのか悩みそうだ


「ここを学校の体育館とたとえると

 入り口から向かって真っ正面の壁側にステージを置く方がよくない?」


由美の提案に殿下達も確かに…と頷く


「と言うことで…その方向で行きます

 体育館に似せるということならステージ両端に小部屋を作りますね

 ステージ側から行き来出来るようにして」

「そうだね その辺は幸正くん 前世の記憶あるだろうから

 体育館の作りもわかってるでしょ?」

「一応は…でも…ぼくは養護学校の体育館しか知らないから」

「基本的には変わらないと思うよ?」

「そうなんだ…」


由美との会話を終えて…他に考えなきゃならないことは…と

思考を巡らせて…浮かんだことを口にする


「あとは…玄関付近に試食するための交換チケットを

 一人7種類渡すのは?」


俺の提案に美穂達が手をポンッと叩いてから口を開く


「あ、そっか」

「チケット制にしないと一人で何回も食べる人が出るかも知れませんね」

「「確かに」」


美穂達が頷きながら口にしていた


「もっと食べたい時は壁際に並んでいる…各店舗を利用してくださいということで」

「えぇ」

「だな」


各お店の配置は…ゆかり様と殿下と

各お店の代表者で話し合うことになった

別館入り口からみて…右手側に拓郎の居酒屋、相馬食堂と江藤食堂の合同

左手側に桜庭料亭、光月堂と白井パン屋の合同というかたちになり

奥側に紺菱呉服店の洋服スペースと家電展示スペースという配置に決まった


俺は試食するための交換チケット7種類を大量に作り出して

ゆかり様に渡しておくことにした

下見も終わり今日のところは解散になった


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