350話 ラーメンの試食 2
健二視点です
明日の朝の351話からの更新は
1日1話更新に変更します
よろしくお願いします
自分たちが作った麺を今、殿下が口にしようとしているのを
ぼくとかおりは真剣な表情で見つめているものも
内心では心臓が飛び出るほどドキドキしている
スープの味は好評みたいでしたけど
麺が期待外れだったら…と思うと気が気でならない
隣にいるかおりが…ぼくに念話を送ってくる
「ドキドキするね」
「うん」
かおりの念話に簡単に返事をしつつ殿下達を見つめていると
箸で麺を持ち上げていき口を近づけながら5人がすすり始める
「「「「「ずずっず…」」」」」
一口目を食べ終えると…まず幸正くんが口を開きました
「ラーメンの麺ですね ネットを駆使しているとは言え
独学で作ったのは素直に褒めていいと思います
お父さん達 どうです?」
「うん 先週 九州で食べたラーメンの麺に比べても
俺としては違いはわからんから問題ないと思う」
「俺も同感だな 味もうまいと思うぞ
殿下はいかがですか?」
「うむ はじめて食べたものだが…確かに
うどんでもそばでもない…そして先週食べたナポリタンの麺でもないが
俺も特に問題はないと思うが幸正よ
改善点などはあるのか?」
深愛様以外が感想を述べて貰えました
問題なさそうだったことに安堵して…かおりの顔を見ると
念話で「よかったね」と言ってくれると頷いた
「うーん 改善点ですか…ぼくは特に問題ないと思うけど
味噌ラーメンの時はまっすぐな麺よりも
縮れ麺の方がスープが絡みやすいと思います
醤油ラーメンはまっすぐな麺でいいと思います
この辺の麺の種類は作り手のこだわりもあるので
作り手次第だと思います」
「なるほど…して…健二とかおり」
「「はい」」
突然、殿下がぼくたちの名前を呼ばれるのを聞いてビクッとしながら返事をした
「そう…怯えずともよい…それでだ
ラーメンは店の方では作るつもりはないのだろうか?」
「えっと…はい 親がうどん屋ですし」
「わたしの方も…そば屋でして…さすがに家業に影響するのは
出来ないと思っています」
ぼくもかおりも家のことを考えると…作れそうにないことを
正直に答えると殿下が思案するように腕を組む
「幸正よ 二人が作った麺の配合比などを
俺が買い取るというのはどうだろうか?」
「健二さんとかおりさん…どうです?」
「「えっ」」
今回のラーメンの麺やパスタの配合比を?と考えていたら
かおりから念話がすぐ届いた
「健二」
「かおり…どうしよう?」
「わたしたちが作らないなら他の誰かに作って貰うのがいいんじゃない?」
「それはそうだけど…お金頂いても良いもの?」
「お金は…悪い気がするよね」
「うん お金はいらないからと言う?」
「そうだね」
かおりとの念話で返事が決まったので
ぼくたちは殿下に返事を返すことにしました
「お金はいりませんので…ラーメン屋さんとパスタ屋さんを
どこかに作って貰えると嬉しいです」
「パスタの方は…このあと試食していただこうと思います
うまく行っているとは思うのですが」
「ふむ…お金はいらないと申すか…
俺としても…ただで貰うわけにもいかないもので
どうしたらよいか…」
そこで幸正様が殿下に提案を一つあげてくれました
「お金がダメなら…うどんやそばに使える小麦粉とかそば粉などを
あげたらどうです?」
「ふむ それがいいか 二人ともそれでどうだ?」
「ぼくたちとしては…ありがたいです」
「それでは…あとで配合比を…侍女に頼む」
「「はい」」
びっくりする話になってしまいましたけど
とりあえず、おいしく出来ていてよかったと思いました
殿下達が…このあともラーメンをおいしそうに食べていただいているのをみて
その場にいた…みんなが安心した様子で自分たちの分を作り始めました
「うまいな このチャーシュー」
「だなぁ 日本で食べたチャーシューより暴れ大猪のほうがうまいよな」
「だよなぁ」
幸正くんのお父さんと、美穂さんのお父さんが
チャーシューを食べながら語り合っていたり
ニコニコしながら黙々と食べている深愛様をみると
チャーシューの味に期待してしまいました
あとで作り方を教わらなきゃと思います
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