30話 ゆかり妃殿下 1
部屋に到着すると
未来と妃殿下がまず先に入っていき畳の上に座ると
俺たち3人が向かい合う形で
机を挟んで座っていく
「あらためて いらっしゃい 美穂 幸正 美幸」
「「「はい」」」
返事をしたあと美穂が続けて話す
「なにから説明したらよろしいですか?」
「そうですね まず、わたくしの名前は3人ともご存じですよね」
「はい ゆかり妃殿下…」
母親が真っ先に答える
俺は名前なんて把握してなかったので助かった
「この場は非公式ですので妃殿下呼びはなしでいいですよ?」
妃殿下がそう言うと母親が
「それでは…ゆかり様でよろしいでしょうか?」
「はい 幸正 美穂も…美穂はわたくしのことお母さんとは無理なのでしょう?」
「え あ お母様とお呼びしていいんです?」
「美穂 実の母親なのですから構いません」
「わかりました」
話が落ち着いたのを見てから俺はアイテムボックスから
ケースを取りだしていき机の上に並べていく
「それで 今日 みくちゃんに呼ばれた事についてですが
こちらになります」
並べていったケースを一つずつあけていき
二人に見せる
下着の入ったケースだけはあけないでいると
妃殿下がそれに気づき問いかけてくる
「そのケースはあけないのですか?」
「えっと これは…ぼくがいない場所で
お母さんとみほちゃんに説明して貰った方がいいと思うので」
「ほう その理由は話せないのですか?」
「えっと 恥ずかしいものだと思うので」
俺が赤くなりながら答えると
美穂が仕方ないなと言う感じに口を挟む
「そのケースの中身は女性用の下着になっているの
だから…男の子のゆきくんにははずかしいみたい」
「なるほど 下着ですか…美穂がその姿になっている理由は
もしかして下着の説明をするためですか?」
「はい その通りです 実際に身につけている方が
わかりやすいと思い」
「なるほど わかりました 下着は後回しにしましょう」
「みほちゃん ありがと」
俺は美穂の助け船にホッとする
美穂にお礼を言ったあと服の説明に入る
「学校や正装をしなきゃならないときに着るための服です
2タイプ用意してます みほちゃんが着ているセーラー服のほか
ブレザーというタイプも用意しました」
「ふむ デザインもそれぞれ違うのですね」
「はい 学校毎に色も違う場合もあります」
「それで これらの服はどこから持ってきたのですか?
そろそろ隠していること 話して貰えますか?」
「えっと…みくちゃんの話だと
月宮の始祖は転生者という文献もみつかっていると聞いてますが
ゆかり様はその件については」
俺は妃殿下に転生者について確認をした
「わたくしも文献については聞き及んでました
なるほど 幸正 其方がその転生者と言うことになるのですね」
「はい」
「美穂や未来のステータスやらなにやら
今回の服もそうですが…これですべて繋がりましたね」
「ゆかり様は予想していたのでしょうか?」
「そうですね わたくしだけではありません
陛下や夫である雅仁皇太子殿下も予想されていることだと思います」
「そ、そうですか」
妃殿下がそこで未来をみると
「未来 あなた 意図的に隠してましたね」
「はい さすがに全部報告出来ない内容でしたから」
「なるほど 確かに そうですね
美幸 あなたもこんな息子を持って大変ですね」
「はい 頭が痛くなることが多いです」
母親が俺を見ながら頭痛そうに言う