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317話 握り寿司を作る 2

前話に引き続き未来視点です

一通り説明が終わり、ご飯が炊き上がるまで

もうしばらくかかるようですが、すし酢を先に作ることを提案します

すると料理人さん達が米酢、砂糖、塩を用意してきました


「さきほど説明した通り…ご飯1キロに対して

 すし酢100CCですがネットに書かれてある分量は

 180CCで書かれていましたので余分になりますが

 それで作っていきましょ」

「「「「「「はい」」」」」」


わたくしの説明に料理人さん達が

米酢に砂糖、塩を適量ずつ入れていき混ぜていってくれます


「これで、すし酢の用意は出来ましたね」


その場にいる全員が頷く


「次の準備もしておきましょう

 大きめの桶を用意してください」


わたくしの指示に料理人さんの一人が動き

大きめの桶を一つ持ってきて机の上に置いてくれます

そして…しばらくの間待つとご飯が炊き上がるのを見て

太一さんが炊き上がったご飯を桶の中に

窯をひっくり返して塊のままご飯を桶に入れていってくれます


桶の中にひっくり返された、ご飯の山の上に先ほど作った

すし酢を100CCほど料理人さんの一人がかけていきます


「まず、しゃもじで底の方からすくい上げるように

 ご飯をひっくり返します」


わたくしの指示通りに数回この作業をしていき

そのあとに、ご飯を切るようにしながら

すし酢を混ぜていって貰います


「米全体がつややかになるまで混ぜてください」

「はい」


作業をしている料理人さんが頷きながら答える

全体がつややかになったのを見計らうと

わたくしはビットを一つ桶の近くに飛ばすと


「弱めの風魔法をつかって冷ましていきますので

 しゃもじを動かしながら冷ましてください」

「はい」


わたくしの様子をそばで見ていた

主人と女将さん、そして夢子さんは驚きを隠せない様子でした


「未来様 風魔法で…こんなことも可能なんですね」


夢子さんが話しかけてきました


「はい 魔法を使わないなら…うちわを使うのがいいのですが

 魔法が使えるので…わたくしとしては楽でしたので」

「なるほど…」


ほどなくして…ご飯も人肌程度の温度に冷めたようです

それを見ると芽衣さんが更衣室を取り出しました


「変身しますね」

「「「「えっ?」」」」


芽衣さんの行動をみていた誰もが驚いた様子ですが

芽衣さんは気にせず変身をして14歳の姿になり

黄色いブラウスに黄色いフレアスカートを身につけて

エプロンと三角頭巾も身につけた状態で

更衣室から出てきます


「芽衣さん その姿」


夢子さんが芽衣さんの姿を見て問いかけていました


「大人の姿になった方が料理するのが楽なので

 変身したのです 戦闘しないのでバトルジャケットではなくて

 普通に洋服にエプロンというかたちにしました」

「すごい…あの…これって…指輪の機能でしょうか」

「はい 夢子先輩も出来るはずです

 あ ここで変身はしないで下さい

 裸になりますので…」


芽衣さんが慌てるように説明をする


「えっ? 裸になるの?」

「だから…更衣室に入ったのです」

「な、なるほど わかりました 危なかったぁ」


夢子さんが冷や汗を垂らしながらホッとしています


「さて、まぐろ…赤身でいいですか?」


わたくしがその場にいる面々に問いかけると


「あ はい お任せします」


主人がわたくしの方を見て答えてきました

それを受けて芽衣さんはアイテムボックスから赤身のブロックを取り出すと

刺身包丁をつかって切り分けていきます


刺身を一通り切り終えた芽衣さんはわたくしを見ながら問いかけてきました


「未来様 わたしなら料理スキルもあるしシャリの握り方を

 動画で確認しながら数回試してみても?」

「はい いきなりは難しいとは思いますが…」

「そうですね うまく出来るかどうかはわからないですが」


芽衣さんがそう答えるとウインドウでシャリの握り方を表示しながら

ご飯を左手で掴むと右手の人差し指と中指を伸ばしながら閉じた状態にして

二本の指を使ってシャリのかたちを整えていきます

芽衣さんの表情も真剣そのもので鬼気迫るものがありました


「「「「…………ごくり」」」」


その場にいた面々が固唾を飲んで見守っている中

シャリを握り終えると切り分けていた赤身を一枚掴んで

シャリの上にのせながら握っていってました


「…ふぅ」


握り終えた芽衣さんが、深呼吸をしてから皿に

出来上がったばかりの赤身の寿司を載せると


「はじめてだけど…スキル効果もあってか

 うまく出来たようでよかったです」

「そうですね これがまぐろ寿司となります」

「未来様 いただいても?」


主人がわたくしに問いかけてきましたので頷いて「どうぞ」と言うと

主人が手に取り口に運んでいきます


「あ…お醤油」


芽衣さんが慌てて醤油というと太一さんが醤油を取ってきました


「太一さん ありがとうございます」

「いえいえ 俺も握りに挑戦してよろしいでしょうか?」

「はい」


太一さんの問いかけに芽衣さんも頷くと

太一さんも握りに挑戦していきます


「難しいですね 力加減とか強く握りすぎると硬くなりますし

 弱いと崩れてしまいますね」


握ったあと太一さんが感想を口にしてました


他の料理人さん達も一通り試食をしたあと

握りを練習し始めます

それらを横で見ている主人がわたくしに話しかけてきました


「未来様 お寿司というのは一人前だと

 どれくらいの量になるのでしょう?」

「うーん そうですね 10貫ぐらいでしょうか

 貫というのは握り寿司の単位です

 一つが1貫です」

「なるほど 握り方を完璧に出来るまでは

 お客さんには難しそうですか」

「さすがに…下手なものを出すのは…だめです」

「そうですね」


そこに夢子さんが芽衣さんに話しかけていました


「あの 芽衣さん 大トロなども作って貰えます?」

「はい 大トロと中トロもですね?」

「うん ありがとう」


芽衣さんは大トロと中トロも切り分けていき

数貫ずつ作っていきました


「それで…大トロですが…誰か火をくれませんか?」


夢子さんの問いかけにわたくしはピンと来て


「炙りを作りたいのですね」

「はい お昼にまぐろ三昧寿司というのをみまして

 そこにそう言うのがあったので食べてみたいなと」

「わかりました」


わたくしはファイアを使い大トロの表面を炙っていき

出来上がったあとで夢子さんに渡しました


「ありがとうございます いただきます」


醤油をつけて炙りを口に運んだ夢子さんは

幸せそうな顔をしつつ


「炙りって…焦がしているところがアクセントになっていて

 普通の大トロと違った味わいでおいしいです」


夢子さんの食べている姿を見た主人と女将さんも

食べたそうにしていたので

わたくしと芽衣さんはそのあとも握り寿司を作っていき

夕方まで過ごしました


「そろそろ夕方なので」

「あ そうですね 未来様 芽衣さん 今日はごちそうさまです」


主人がわたくしたちに頭を下げてきました


「「いえいえ」」

「太一さん達 がんばってください」


芽衣さんが太一さん達に言うと「はい」と元気よく返事が返ってきました

一通り挨拶をすませたあと

わたくしたちは地下室に戻りました


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