313話 アニメ専門店 2
前話に引き続き美海視点です
今回は長めになってます
わたし、くみこちゃん、ななみちゃん、舞菜香ちゃんは
ぼたん先輩と由美ちゃんと一緒にフロアを見て回ることになりました
「ぼたん先輩…いろんなものありますよね」
ななみちゃんがぼたん先輩に店内を見ながら話しかけます
「ですねぇ 今、いる場所って…本類なのかな?」
ぼたん先輩が由美ちゃんに確認する
「うん 漫画本売り場ですね 月宮では漫画は?」
「漫画は…まだないです 新聞は出回っていますけど
こんな風に絵があって読み物としては…まだ」
「ほんとは立ち読みは…あまり褒められたことじゃないけど
気になったものあったら…手に取って見ては?」
由美ちゃんが提案すると、ぼたん先輩がわたしたちを見て
「ゆみちゃんが…こう言ってるし気になったものあったら
読んでみましょ?」
「「「「はい」」」」
わたしたちは…その辺に並べられている漫画本のタイトルを
見ながら気になるものないかな?と見て回ることにした
見て回っているうちに舞菜香ちゃんが小さく声を上げたようで
わたしたちは舞菜香ちゃんの方を見る
顔を赤くして恥ずかしそうにしている舞菜香ちゃんを見て
その先にあるものを見ると
わたしたち…みんな「きゃっ」と言う声を出してしまう
由美ちゃんがそれを見てばつの悪そうな顔をして
「あ そこに売られているのは…大人向けのもので
その…そういうのだから」
わたしはそれをよく見ると、女の子の裸の絵が描かれている本でした
しかも…男の人の…その部分も描かれていてドキドキしちゃいます
気持ちを落ち着かせてから
「ま、舞菜香ちゃん 他の場所に移動しよう?」
「う、うん」
大人向けのスペースから移動したあと
由美ちゃんがわたしたちに謝ってきました
「ごめんなさい 最初に教えておくべきでした
えっちなスペースあるところ」
「「「「いえいえ」」」」
「あー言うものもあるんですね 漫画でも」
くみこちゃんが興味ありそうにいう
「ドキドキしちゃった」
舞菜香ちゃんが赤くなりながら言う
「でも、じっくり読んでみたいとも思っちゃうよね」
「えっ? ななみちゃん?」
わたしは、ななみちゃんの言葉に反応して言うと
ななみちゃんが悪戯っぽく笑いながら
「みんなだって…そういうの興味あるでしょ?」
問いかけてくる
「「「「「それは…あるけれど」」」」」
ぼたん先輩も由美ちゃんも赤くなりながら答えてました
「それにしても…本だけじゃなくて…
ほんとに色々売られてますよねぇ」
ぼたん先輩が改めて店内を見て呟いてます
「天井からぶら下がっている画面にも色々表示されていたり
あれって…歌手なんです?」
ぼたん先輩が指さしながら由美ちゃんに問いかけてみると
由美ちゃんは悩みながら口を開きました
「うーん 歌手と言えば歌手だけど…声優かなぁ」
「「「「声優?」」」」
「声優というのは…ここにあるアニメとか
キャラクターに声をあてる職業の人
声優さんがいなければ漫画からアニメ化されて
キャラクターが動くとしても声がないよね」
「なるほど キャラクターに命を吹き込む…仕事なのかな?」
ななみちゃんがいい例えをいってくれた
確かに…声があるのとないのとちがうものね
でも、その声優さんなのに歌手なの?
わたしは疑問に思って由美ちゃんにきくことにした
「どうして歌を?」
「うん 声優個人としての活動かな
見ての通り 可愛い子でしょ?」
「「「「「うん」」」」」
「顔が可愛くて歌がうまくて…と言うことなら
声の仕事だけじゃなくて歌ったりしているの
みなみちゃん達も顔も声も可愛いから
十分にアイドル…広告塔というほうがわかりやすい?
としてやっていけるよ?」
「「「「えっ? えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ?」」」」
わたしたちは由美ちゃんの言葉に驚いてしまいました
「かわいいって…わたしが?」
思わず呟くと…ぼたん先輩がわたしに話しかけてきました
「そうよね みなみちゃんは声も可愛いし
顔も可愛い方だからね
他の3人もそうだけど…確かに由美ちゃんの言う通りかも」
「「「「はじめて言われました」」」」
「ぼたんちゃんだってかわいいじゃない?」
「そういう…由美ちゃんも」
由美ちゃんもぼたん先輩も確かにかわいいと思います
だから、わたしたちが可愛いなんて自分では思っていませんでした
由美ちゃんが辺りを見回してなにかをみつけると
わたしたちをそこに案内しました
「アイドル…こんな感じかな アイドルアニメのもので
可愛い衣装を着て歌ったり踊ったり…ね
ぼたんちゃん達4人も衣装的に統一されているから
アイドルとして機能もすると思うの」
「言われてみれば…わたしたち4人はメイド服でしたものね」
「みなみちゃん達も衣装をあわせたら人気も出ると思わない?」
「確かに…来月の食の祭典での宣伝にも使えますよね」
「でしょ?」
「陛下に相談しましょう?」
「それがいいよね うん」
由美ちゃんとぼたん先輩が盛り上がってます
わたしたちをおいてけぼりで
困っちゃいますので、話しかけることにしました
「あの…ぼたん先輩 わたしたち4人で?」
「いやだったりする?」
「自信がないです」
わたしが自信なさそうに答えると
くみこちゃんとななみちゃんが後ろからぼたん先輩に
話しかけてきました
「先輩 面白そう」
「ここにいる4人…15歳組になるし
あと一人…すずちゃんもいれて5人でもいいと思います」
「そうだわ すずちゃんもいたわね 15歳に
それでいきましょう」
「えっ? ななみちゃん くみこちゃん!」
わたしは慌てて二人の名前を呼びます
「みなみちゃん 面白いと思わないの?」
「それは思うけど…舞菜香ちゃんも?」
「わ、わたし…幸正様にこんな風に連れてきて貰えたりして
感謝しているから…わたしに出来ることなら…したい」
「舞菜香ちゃんっ わかった やります わたしも」
「「そうこなくちゃ」」
くみこちゃんとななみちゃんはニコッと笑いながらわたしに言いました
「幸正くんに5人…と言うと
他のメンバーが拗ねちゃうよね
全員 簡易版の指輪渡して貰うように頼む?」
「わたしたちがいただいているのは高性能の指輪だけど
簡易版というのは?」
由美ちゃんがわたしたちに指輪を渡さないかという相談をしてます
欲しいと言えば欲しいですけど…いいのかな?
いただいてもって気持ちになります
「成長倍増、経験値倍増を省いたかたちがよさそうかなぁ
みなみちゃん達 わたしたちのような化け物になりたい?」
由美ちゃんがわたしたちをみて真剣な表情になりながら問いかけてきました
先輩達を見ると…確かに化け物と言われる力を身につけていますし
周りからの目も変わるのかもしれないですが…
そう…わたしが考えていると、ななみちゃんが真っ先に口を開いてます
「わたしはなりたいっ! ぼたん先輩達のように色々役に立ちたいから」
「ななみちゃん…いいの?」
舞菜香ちゃんが心配そうにななみちゃんを見て言う
「うん 強くなれるなら…」
「わたしも…見習いに合格出来ただけでも運がよかったけど
強くなったら…家に仕送りも出来るようになれるのかな」
舞菜香ちゃんがぽつりと呟く
そういえば…舞菜香ちゃんって地方から一人で来ていたんだったね
「くみこちゃん…どうしよう」
わたしがくみこちゃんを見て訴えると
くみこちゃんが微笑み返してきて
「大丈夫でしょ みなみちゃん 不安?」
「不安というか…強くなったら色々変わっちゃうよね
周りからの目も」
「うん そうだね でも、アイドルになるなら…そうじゃないの?
このアニメのようなキラキラした舞台に立って
歌って踊って…お客さんの視線をあびるわけだよ」
「うん わたしたちに出来るのかな」
わたしは…アイドルアニメのポスターを見ながら言う
すると由美ちゃんがわたしに話しかけてきます
「いきなり歌って踊るのは難しいから
そこは考えなくてもいいんじゃない?
食の祭典で幸正くんが全国民に映像投影して
会場を紹介すると思うから
確認はしてないけれど…あの子なら
そういうことすると思うし
その際に食べものとかを食べながら
紹介して貰うと言う感じでも十分だよ」
「「「「そっかぁ」」」」
「「「みなみちゃん」」」
「うん ぼたん先輩達のように強くなれば役に立つものね
指輪…希望します」
こうして…わたしたちは指輪を希望すると同時に
アイドルとして活動することを4人で誓った
「あ…すずちゃんどうしよう」
「「「みんなで説得しよう」」」
わたしがすずちゃんのことを言うと
くみこちゃん達は口を揃えてそう答えました
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