310話 大型家電店 2
さくら視点です
由美ちゃん達に案内されてテレビ、冷蔵庫と見て回って
ひなちゃん達後輩達も科学が発展した世界の
電化製品の数々に目を輝かせていました
「さくら先輩 この冷蔵庫 大きいです」
ななみちゃんが目の前にある大きめの冷蔵庫を見ながら
わたしに話しかけてきました
「そうだよね 幸正様からいただいた冷蔵庫よりも大きいですね」
「さくらちゃんも、そう思った?」
「ぼたんちゃんも…そう感じたよね?」
「わたしたちが持っているものより大きいですよね」
ぼたんちゃんと…こんな会話をしていると
明智様と陛下が冷蔵庫を眺めながら幸正様と
色々と語ってます
「この冷蔵庫 大きいのではないか?」
「価格も高い」
「そうですね 一般人は…ここまでの大きさは買わないと思います」
「幸正もそう思うか?」
「はい あの辺の手頃なものでよさそう」
幸正様が指を差しながら中くらいの大きさの冷蔵庫を見て言う
「おねえちゃん達も今の日本って…1家族3人ぐらいでしょ?」
「だいたいはそうね さちこちゃんのところは多いけど」
「うん うちは3人兄妹だし…おじいちゃん達もいるから
冷蔵庫も大きめになるけど…夫婦二人だけ
もしくは子ども一人だけという家庭なら
中型冷蔵庫で十分だよね」
「「だよね」」
由美ちゃん達の話を聞いてるかぎり
日本って生まれてくる子どもが少なそうですね
「爺さん 展示品だから触るのはダメだけど
気になるなら…これをコピーして作ります?」
「いや 冷蔵庫の仕組みはサンプル貰っているから大丈夫じゃ」
明智さんと陛下が十分、冷蔵庫も見学し終えると
次にやってきたのは掃除機売り場です
すると…幸正様がわたしたちに一つ聞いてきました
「さくらさん、ぼたんさん そして…みなみさんたちもだけど
どちらの掃除機がいいです?」
幸正様が展示されている掃除機の2種類を
指さしながら聞いてきました
一つは本体に細長いホースが繋がっているタイプ
もう一つは細長いホースだけにしたようなタイプ
「あのう…質問一つよろしいでしょうか?」
わたしは気になったので聞いてみることにしました
「こちらの本体から伸びているタイプは
ホースの先端からゴミを吸い取って本体に貯めるものですよね」
「うん そう これが昔ながらのキャニスター型というタイプ」
幸正様が頷きながら肯定します
「それでしたら…こちらの方のはどこにスペースがあるのです?」
「これは…吸い取ったゴミを収納するところは
そこかな?」
ホースだけのものを指しつつゴミが入っていく部分を
チェックした幸正様が、その部分を指さす
「スペースが小さいのですね」
「片手で扱える重さになっているみたいだし
人気も高いみたいだけどゴミを吸い取ったらすぐ捨てることになりそうね
こちらのタイプはハンディ型またはスティック型と言われるものですね」
「「「「「「はい」」」」」」
幸正様の説明にわたしたちは頷く
「どちらのタイプがいいです?
それに合わせて作り出すので…電気の代わりに
魔力充電式にしておきますけど」
幸正様の問いかけに…わたしたち全員
掃除機をじっくり見ながら考え込んでしまいました
「さくら先輩 重くないという点では…あれがいいよね」
ひなちゃんが言うと、数名うなずき
「ゴミの量にもよりますよね」
ななみちゃんがそう言うと、みなみちゃんが続けて提案する
「両方 複数台作って貰うのが1番じゃないのかな
軽い方を多めにして貰うのはだめかな?」
わたしとぼたんちゃんは幸正様の方を見る
「キャニスター型を5台と
スティック型の方を30台ぐらいあれば人数分たりる?」
「「よろしいでしょうか?」」
幸正様の言葉に、わたしとぼたんちゃん二人ともそう言うと
「1台作るのも30台作るのも変わらないですし
爺さんと陛下は…そういえば掃除機って実用化してます?」
幸正様は頷きながら返答してきました
「掃除機はまだ出来ておらぬよな? 明智」
「はい 今、みた限りだと原理的には単純な作りみたいですが」
「それじゃ、20と50あれば大丈夫ですか?」
「サンプルは1台あればいいじゃろ? なぜにそんなに増やす?」
陛下が幸正様をいぶかしげに見ながら問いかけると
「皇室でもつかうことになるじゃないですか?
侍女寮にだけおいたら…ゆかり様に…また怒られます」
幸正様が嫌そうな顔をしながら答えると
陛下があきれ顔になって
「なるほどのぅ 確かに…ゆかりが怒りかねないな それは」
「なので…作ります こちらの製品をコピーでよろしいですか?」
幸正様がわたしたちに問いかけてきたので全員頷く
「とりあえず、爺さんの分は英雄さんのアイテムボックスに入れて
侍女寮の分は…ぼたんさんかさくらさん どちらが?」
「わたしが持ちます」
わたしが答えるとぼたんちゃんも頷いてくれます
「皇室の方は…陛下に渡します」
「うむ」
幸正様がそれぞれに2種類の掃除機を作り出しつつ渡していきました
「あ キャニスター型のタイプだと…本体に紙袋? 取り付けるんでしたっけ
とりあえず、作り出した元の掃除機の説明書もつけておきました
あと、オプションの紙袋?も作り出して…と」
「幸正くん お店の人からしたらたまったものじゃないよね この能力」
「お店に行って気に入ったものをコピーしちゃうなんて」
「うん 色々とまずいよね こういうの」
ゆみちゃん さちこちゃん ひまりちゃんの3人も
あきれ顔で幸正様を見ながら言ってます
「これで終わり」
「「「「ありがとうございます」」」」
わたしたちは幸正様にお礼を言いました
「さて、洗濯機ですね 次は」
幸正様がそう呟くとゆみちゃん達が
洗濯機売り場に案内してくれます
そして掃除機と同じように今度は全自動洗濯機を
コピーしていき、魔力で動作するように改良したあと
先ほどと同じように、渡してくれました
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