308話 仙台駅前
人数が多くなったので、由美、さちこ、ひまりの3人が
瞬間移動を担当することになり
それぞれに5、6人ほど手をつないでいき
仙台駅前にあるヨ○バ○の上空へ移動すると
人の目を確認しながら地上へ降りていく
陛下と明智の爺さんは駅前の様子に目を丸くしているようだ
「幸正 ここが駅前なのか」
陛下が俺に話しかけてくる
「はい 宮城県の中心都市の駅前です
ここら辺の県では1番大きいのが、ここ仙台なので」
「寿司を食べにいったときも見たが高い建物がずらりじゃな」
「そうですね 月宮でもコンクリート技術はありますよね?」
「うむ とは言え…ここまで高く建築する技術は
まだまだない」
「その辺も…おそらく解決すると思います
重力コントロール出来るようになれば空を自由に飛べますし」
「飛行機とは別のものか?」
陛下が俺が言った”重力コントロール”を聞き逃さずに聞き返してくる
「はい 明智の爺さんに提案して…さちこおねえちゃんの
バトルジャケットみたいな鎧を製作して貰い
それに重力コントロール術式を組み込み
空を飛べるようにしようかと…そうすれば冒険者も
ぼくたちのように空中戦が可能にならないか…と
考えました」
「なるほど…明智 色々手一杯じゃないのか?」
陛下に呼ばれた明智の爺さんが
陛下のところにやってきて返事をする
「はい やりたいことがたくさんありすぎて手一杯ですが
バトルアーマーは…自分も関わりたいと思っています」
「ふむ 鎧を作るとなると鉄鋼業もそちらにつかわせるように
手配しておこう」
「ありがとうございます ミスリル合金で製作予定になります
そうじゃなければ術式が動きませんので」
「試作品が出来たときは…わしにもみせてくれるか?」
「はい 喜んで」
「陛下 試作品ですけど…護衛の剣斗さん辺りに
試して貰うのはどうでしょうか
あ あの人 忙しいか 他に暇そうな人いません?」
「幸正 おぬし…あのものは確かに忙しいのだが
他のものも忙しいぞ?」
「そ、そうですか…ぼくたちだと意味がないし」
「そうじゃな おぬし達は今も飛べるしな」
「はい」
「誰かいないか…捜しておくとしよう」
「はい」
俺と陛下が会話をしている間
見習いの子達も辺りを見ながら感服していたようだ
「ゆみちゃん あそこにあるのって看板なの? テレビみたい」
「うん 看板というか宣伝用のディスプレイ」
「あんな大きいのが存在するのね」
「あと かわいい女の子が写っているよね」
「宣伝に起用されているアイドルね」
「「「「「「「アイドル?」」」」」」」
由美の説明に見習いの子…
(ひな、美海、句美子、ななみ、舞菜香)達は一斉に首をかしげる
「若くて可愛い子 アイドル歌手とか
そちらの世界にない?」
由美がそう聞くと
「芸者さんとかはいるね」
「踊り子さんもいる」
「あ そっか テレビが一般化すれば
そういう職業の人がテレビに出るという感じなのね」
ひな、ななみ、美海が話し込んでいた
そんなこんなしているうちに
入口に移動し終えたようで店内に入ることになった