279話 侍女寮
ぼたん視点です めずらしいキャラ視点ですが…
この辺から侍女さん達の名前が明らかになっていきますので
多すぎるから考えるのが大変でした
わたしたちは勤務時間を終えて寮に戻ると
すでに見習いの子達が思い思いに自分の時間を過ごしていた
この女子寮に今、入寮しているのは
わたしたちの他にも数人ほど正式な侍女として
働いている方々…わたしたちから見て先輩に当たる方々と
見習いの子20人ほどです
30人の共同生活と言ったところです
わたしは…すみれ先輩に提案をすることにしました
「すみれ先輩 見習いの子たちや先輩方も
食堂に集めていただけませんか?」
「夕ご飯? ぼたんさん達 餃子とナポリタン
もしかして…全員分作ったのです?」
すみれさんがわたしたち3人を見て聞いてきました
「「「もちろんです」」」
「ありがとね じゃあ、手分けして…みんなに声かけましょ」
数分後に食堂にみんな集まってきてくれたようで
先輩方6人ももちろん来てくれたみたい
「ぼたんさん達 食堂に集めて何をするつもり?」
先輩の一人…唯先輩がわたしたちに問いかけてきました
「はい ナポリンと餃子を全員分作ってますので
夕ご飯がまだでしたら…どうかなと思いまして…」
「わたしたちは陛下達の夕ご飯のところにいなかったので
どういうものなのか…話には聞いてますが
みたこともないですし…興味は確かにありますね」
唯先輩がそう言うと他の先輩方も頷いてます
「それでは…先輩方も食べていただけるのです?」
「えぇ…いただきます」
それぞれ席に着いていったのを見てから
わたし、さくらちゃん、かえでさん、すみれさん
見習いの子も自主的に皿にわけていった分を
各自にまわしていってくれました
全員に配り終えると先輩が「いただきます」の合図をすると
全員で「いただきます」をしてから食べ始めます
「ぼたん先輩 昨日、試食したナポリタンを
ちゃんと食べること出来るなんて思ってなかったです」
見習いの子がぽつりと呟いてます
「味はどうです?」
「はい 昨日 拓郎さんが作ったものと変わらない感じです」
「よかった…」
見習いの子達はおいしそうに食べてくれているようでホッとしました
先輩方も…はじめて食べるものだったみたいで
色々と6人で語り合っているようでした
しばらくすると…唯先輩と螢先輩が話しかけてきました
「ぼたんさん おいしかったわ」
「うどんでもそばでもない麺なのですね」
「パスタ自体も作ろうとは考えてます」
「そうなんですね ここんところ…あなたたち4人は
未来様の専属になっていていろいろな料理を
身につけているようで…ちょっと羨ましい部分もありますけど」
「ちょっ、螢 それを言うのはだめだからっ
ぼたんさん達 気にしないでね 螢の言うことを」
螢先輩の失言?に慌てる唯先輩
「先輩方も一緒に料理しませんか?」
かえで先輩が先輩方に提案してくれました
「唯 どうする? しほ のぞみ あかね つばさも?」
螢先輩が先輩達を見ながら問いかけると
唯先輩がわたしたちをみてうかがってきます
「すみれさん達 いい?」
「「「「はい」」」」
「あの 地下室で作っている料理なら…わたしたちも可能ですから」
そこで見習いのこの一人が遠慮しがちに口を開く
「そうだったね あなたたちも色々作れるようになってるね
唯先輩方…なにから作ってみたいです?」
かえで先輩が先輩方に聞いてみると
唯先輩達はお互いに顔を見ながら
「大量生産できるものがいいよね?」
「そうよね 夕ご飯など簡単に作れるもので」
「「「「うん」」」」
そんな先輩方を見ていて…さくらちゃんが
「でしたら…最初は牛丼あたりにしませんか?
牛丼なら…見習いの子も作れますし」
「そうね あと 餃子も教わりたいかも」
「わかりました」
こうして先輩方と一緒に料理をする約束をしたりして
夕ご飯を食べ終えて後片付けをみんなでしていると
幸正様から念話が届きました
「ぼたんさん達いい?」
「「「「はい?」」」」
「明日って…休みなの?」
「明日は…一応休みです」
「「「はい」」」
「見習いの侍女さん達どこか連れて行くのは
すみれさん達だけでする予定なのかなって」
「すみれ先輩どうしましょ?」
「どうしよう 20人いるし大変かだよね」
「あの子達のガードは…わたしがします」
「うん さくらちゃんの守護者の盾任せになるね」
「あと…見習い達だけというのは
唯先輩達が拗ねちゃいそうだよ?」
さくらちゃんがそう言う
「確かに…そうだね」
すみれさんがさくらちゃんの言葉に反応すると
さくらちゃんが続けて言う
「ただでさえ…わたしたち4人は優遇されているわけだもの」
「「「うん」」」
「あの 見習いの侍女さん達って明日全員休み?」
「休みだと思います」
「すみれさんたち以外の先輩は明日は?」
「勤務が入っている人もいたと思います」
幸正様の質問にすみれ先輩が答えていきます
「そうですか…全員というのは難しそうですね
明日は見習いの侍女さん達にして
その先輩達は後日…で?」
「そうですね」
「幸正様 そこまでわたしたちのことまで気を回していただくのは
ちょっと心苦しいです」
かえで先輩が幸正様にそう言いました
「かえでさん達にも色々と面倒おかけしているから」
「大丈夫ですよ」
「とりあえず、見習いの侍女さん達つれて
明日はどこか食べにいきましょ」
「「「「ありがとうございます」」」」
「じゃあ、伝えておいてください」
「「「「はい」」」」
幸正様と念話を終了すると
わたしたち4人は見習いの子20人に手分けして
あしたの話を伝えていくのでした
最後にすみれ先輩が唯先輩達に幸正様の提案を伝えました
「「「「「「わたしたちも休みの日にですか?」」」」」」
「幸正様 見習いの子だけ連れて行くと
先輩方が拗ねること心配されていました」
「「「「「「あ…」」」」」」
すみれ先輩の言葉に赤くなってしまう唯先輩方
「先輩方6人が都合のいい日ありましたら
幸正様に伝えますので」
「わかったわ 相談しておくわね」
唯先輩がすみれ先輩に頷きながら答えます
こうして用事などを伝え終わり
わたしたちは各自、部屋に散りました