277話 葵さんからの報告
5時過ぎ 各階層で作業をしていた人たちも
後片付けをすませて7階層にやってきていた
わたしは、そんな面々を見ながら挨拶をする
「みなさん、朝からお疲れ様」
「「「美幸さんもお疲れ様」」」
「「「「「「「「お疲れ様でした」」」」」」」」
挨拶をそれぞれ交わしていると
ゲートから葵さんがやってきて、わたしたちを見て話しかけてきました
「皆さん お疲れ様です」
それぞれ葵さんに頭を下げる
わたしは葵さんが来たと言うことはなにかあると思って
聞いてみることに
「なにかありました?」
「はい 月曜日からパートさん 雇うことが決まりました」
「それはよかったです」
「1週間経ってないのに…はやいですね」
わたしと絵美さんが呟く
「はい もう少しかかると思ってました わたしも
意外と働きたい主婦というか…おばあちゃん達というか
多かったようでして…数時間ならというかたちで
かなり応募が殺到してまして」
「そんなに多かったんですか」
わたしは葵さんの言葉に驚いていた
「高齢者が多い社会ですし…年金だけじゃ
暮らせなくなってきているのも事実ですから
働けるなら働きたいという人が多いと思います」
「「なるほど」」
そこで拓郎さんがわたしに話しかけてきます
「美幸さんや絵美さん すみれさん達もですが
向こうの世界だと…おばあちゃんというと何歳をイメージします?」
「うーん 60かしら?」
「そうよね 陛下は50代後半だったと思うけど」
「はい わたしもそんくらいイメージしますね」
「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」
「日本だと50代は…まだ若いと言われてしまってます」
「平均寿命も高くなってますし医療技術が発展してますからね」
「それでも…結婚に希望が持てない若者が増えていて
子どもも作らないという家庭も多いから…色々と歪みが」
拓郎さん 美沙さん 葵さんが説明してくれると
わたしたちもなんとも言えない表情になってしまう
「日本が抱えている問題も色々あるんですね」
「「「はい」」」
「ですので…働きたい方がいるなら雇うことにしました
賃金だって…さちこや幸正くん達が
こんなに資金を用意してくれるわけだから
貯め込んでいても仕方ないと思いますし」
「あの子のやらかしが人様の役に立てているなら
わたしとしても嬉しいです」
「そう言うわけですので月曜日からは
パートさんもいますのでよろしくお願いします」
「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
葵さんの言葉に、わたしたちは返事をする
葵さんと会話をしているうちに向こうの世界のゲートから
さちこちゃんとひまりちゃんが戻ってくる
「あら おねえちゃん ここにいたの ただいま」
「さちこ おかえり 月曜からパート雇うこと決まったから
美幸さん達に知らせに来たの」
「そうだったのね おねえちゃん達もありがと」
「そんなに大したことしてないわ
この地域の人たちに呼びかけたら応募者が
殺到してくれただけだもの」
「それもすごい話だと思うんだけど…
あ はい これ 餃子 わたしも作るのに参加したよ?」
さちこちゃんがアイテムボックスから
餃子が載っている大皿を葵さんに渡す
「こんなに作ったの?」
大皿を受け取りながら量を見て驚く
葵さんにニコッと笑いながらさちこちゃんが答える
「実際にはもっと作ってます
見習い侍女さん達の分はさくらさん達が持ってますし
幸正くん達も自分たちの分は確保してるので
わたしが持って来たのは家に持ち帰る分なの」
「それじゃ、夕ご飯に食べましょ」
「うん」
「さちこちゃんが今、言った通り
わたしの方も持ってきてるから…お父さん、お母さん
家に帰ったら取り出すね」
「「うん」」
ひまりちゃんの方も拓郎さん達に伝える
「さて、そろそろ時間ですし」
「あ はい 他に連絡することは…えっと」
葵さんが言い忘れかないか確認する
「芽衣ちゃんのところには念話で報告すればいいか うん」
「古着の買い集め?」
さちこちゃんが葵さんの呟きに反応する
「うん 少しずつ 買い集まっているから」
「念話でもいいけど明日 暇なら向こうに行ったらいいのに?」
「あしたは都合悪いかなぁ」
「そうなんだ」
「とりあえず、あとで念話することにする
と言うことで…美幸さん達 お疲れ様でした」
「「「「はい」」」」
わたしたちはそれぞれゲートをくぐり帰宅するのでした
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