271話 たね作り
俺は父親と宗人に作って貰っていた挽肉をアイテムボックスから取り出して
ひまり、太一、相馬食堂の店主さん、ぼたんに渡していく
それぞれが受け取り終わったのを確認してからひまりが次の説明を始める
「お肉ですが…牛と豚の合い挽き肉ですよね? 幸正くん」
「あ うん ブラックホーンと暴れ大猪の合い挽きなので
感覚的には牛と豚の合い挽きと思っていいです」
「わかりました 材料は…ごく普通の餃子になります
お肉 ニラ ニンニク ショウガ キャベツもあるようなので使います」
「「「はい」」」
「ニラ ニンニク ショウガ キャベツとみじん切りにしていきます
みさきおばさんも…お願いします」
「はい」
ひまりの説明を受けて、各自刻み始める
具作りチームは、ぼたんと芽衣が中心になって刻んでいる
さちこは見ているだけになっていた
「さちこおねえちゃん しないの?」
「うーん やめておこうと思う」
「そうなんだ…」
「料理出来る女の子の方が好き?」
「えっと…言わなくちゃダメ?」
「ふふっ…幸正くん 顔に出るからわかりやすいよね」
「う…さ、さちこおねえちゃん みんながみじん切りしている間に
挽肉にごま油入れて捏ねていたら?」
俺は話を変えようとして提案する
「困ると逃げるよね 幸正くん
それで…挽肉にごま油…それなら出来そうだからするね」
さちこはボウルに挽肉を入れてごま油と塩こしょうを入れて捏ね始める
「ひまりちゃん 捏ねるのは挽肉がどうなるまで?」
「粘り気が出て白っぽくなるくらいで」
「わかった」
野菜などを、みじん切りにしていた面々も切り終えると
ボウルに挽肉とごま油、塩こしょうを入れて捏ね始める
粘り気が出て白っぽくなってきたのを確認すると
ひまりが野菜を入れていくように指示を出して
みじん切りしていた野菜をボウルに入れて混ぜ合わせていく
「これで中の具の下準備も終わりです
生地はもう少し寝かせてからになりますが…
幸正くん どうする? 手で平らにしていく?
機械があると便利だと思うのだけど」
ひまりが俺に問いかけてくる
「ブレス機と包むための機械と2種類あればいいのかな?」
俺はネット検索をしながら探していき確認する
ひまりも一緒に画面をのぞき込んで確認すると指を差しながら言う
「これとこれかな? できる?」
「うん 構造的には簡単な作りみたいだから…この辺でいいね 確かに」
俺は皮を円盤にするブレス機と包み込むためのものを
各15個ずつ作り出していき、各自に渡していく
「これなら…さちこおねえちゃんもできるでしょ?」
俺は…さちこに言いながら渡すと
さちこは頬を膨らませながら文句を言ってくる
「なによ 料理出来なくたって…生きていけるでしょ」
「き、機械があれば…うまく出来るよね 怒らないで」
俺は困ったように言うと
さちこがニコッと微笑んで俺を見て一言
「困った幸正くんが可愛いから…いじめたくなっちゃうだけだよ」
「うー」
さちこと俺のやりとりを見ながらあきれ顔になるもの
ジト目になるもの…反応がさまざまだった
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