266話 帰宅したあとの夢子
夢子視点です
「ただいま 戻りました」
わたしは裏口から入り挨拶をすると
忙しそうに料理を運びながら、母親が声をかけてくる
「夢子 遅かったわね おかえりなさい」
「加賀さんところにいたので」
「そうなのね 月曜も火曜も…わたしもお父さんも
手が外せなくて空いてる料理人の方に頼んだけど
今日もなにか?」
「今日は…うどん屋、そば屋の件でした」
「大森さんと吉田さんですね 火曜日も
加賀さんところにいなかったと…行って貰った料理人から伺ってます」
「はい その件で両家の子ども達に問いかけてみたところ
子ども達も知らなかったみたいで…ふたりとも自分たちの意思で
加賀さんところに今日」
「なるほどね ごめんなさい 話聞いてる時間がなくて
夢子 夕ご飯は料理場にあるからひとりで食べてね」
「わかりました わたしもあとから手伝います」
「ありがとうね」
母親が話を切り上げて…お客さんのところに料理を
運んでいくのを見送りつつ料理場に顔を出しに行くと
わたしの姿を見て料理人さん達が挨拶をしてきました
「「「お嬢様 おかえりなさい」」」
「ただいま 夕ご飯 おかずだけ貰います」
「はい ご飯は食べないのです?」
一人の料理人が不思議に思って聞いてくると
「加賀さんところから…お土産貰ってきてますので」
「なるほど わかりました」
料理人から用意していただいていた
おかずを受け取ると
「ありがとうございます 部屋で食べてきますので
食べ終わったら…また来ます」
「はい それで…加賀さんからはなにを?」
わたしに声をかけてきてくれてる料理人
月曜も火曜も加賀さんところに赴いていた方でしたね
「麺類の試食と餃子というものを貰ってきました」
わたしはアイテムボックスから
パスタと餃子をとりだして見せて
「2つほど餃子はおいていきます
パスタは…一人分ですし小皿に四分の一程度わけますか?」
「よろしいでしょうか?」
「おかずも他にありますし…たりますから
あ パスタは見ての通り えびなどが使われてます
わたしもはじめて食べますので…わかりませんけれど
餃子も研究材料に出来ると思います」
「はい ありがとうございます じっくり味わって食べますので」
ペスカトーレと餃子を小皿にわけてから
わたしは自分の部屋に戻り夕ご飯を食べ始めることにしました
「ナポリタンとは違うけど…これもトマトソースなのね」
ネットを調べてみると
ペスカトーレというのはイタリア語みたいですね
イタリアがどこにあるかはわかりませんが
魚介類のことを指しているみたいで
えび、いか…などの具材を見ると納得しました
ナポリタンもおいしかったですが
こちらもおいしいと思いました
えびなども魔物じゃない方を食べるのははじめてだけど
確かに魔物のエビと変わらない感じでした
餃子も野菜餃子ということでしたので
野菜がたっぷりでした
「餃子は作れそうですね こちらでも
パスタも工夫次第だと思いますね 明日は土曜なので
午前授業ですし…幸正くん達の動向をうかがってからですが
餃子作りしてみたいですね」
食事を済ませて皿などを料理場に戻してから
わたしも家の手伝いを始めることにしました
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