252話 試食の準備
拓郎視点です
今日も朝から昨日同様に各階層にわかれて料理を作っている
見習い侍女の娘達は…みんな素直でいい子だと思った
娘のひまりと同い年ぐらいみたいだし
向こうの世界の国では…そのくらいから
働きに出るのが当たり前なのだろうか?
彼女たちをみながら…そんなことを考えてしまっていた
「ふぅ…そろそろ2時過ぎだな
おーい 君たちも、きりのいいところでやめていいぞ」
「「「「はーい」」」」
わしは一緒に料理を手伝ってくれてる子たちに
声をかけながら今作っている分を作り終えると
一度使っている場所を洗っていき整理をしながら
下の階層にいる美沙や美幸さん達を待つことにする
しばらく待っていると
美沙達もやってきて全員揃ったようだから
わしは共通アイテムボックスから
必要な材料をとりだしていく
「まず、うどん、そば、パスタを茹でるときは塩を入れたお湯で
1人前は1リットルのお湯に10グラムと言われているから
各5人前用意するとして…5リットルのお湯を作って貰えるか?」
わしがそう説明すると、侍女さん達がキビキビと作業を始める
美沙と美幸さん達は
「わたしたちは…具材を切っていきましょ」
「玉ねぎ、ピーマン、ニンニク、ショウガは共通で
ナポリタンにはソーセージ
焼きそばと焼きうどんには豚バラ肉…猪のバラ肉でいいです?
あとはキャベツですね」
美沙の言葉に美幸さんがウインドウを確認しつつ
材料を言っていく
「はい そうですね 猪のバラ肉で」
「「「はい」」」
美沙、美幸さん、絵美さん さくらさん
他 見習いの娘さん達で手が空いてる子が分担して
材料を切っていく
わしは鉄板を共通アイテムボックスから取り出して
コンロの上に設置して熱していき
サラダ油をしいて鉄板の準備をする
「拓郎さん 鍋のお湯沸きました 塩もOKです」
侍女さんがわしに伝えてきたので
パスタ うどん そばをゆででいくのだが
何分茹でるのがいいかは
手持ちしている携帯で調べつつ
彼女たちに指示する
そうこうしているうちに美沙達は材料を切り終えたみたいだった
「あなた 鉄板では…焼きそばと焼きうどんでいいかしら?」
「そうじゃな ナポリタンはフライパンでいいか」
「えぇ…」
「美沙 鉄板の左側のスペースで焼きそば頼む
わしは右側でうどんの方作る」
「はいな」
わしと美沙でニンニクをまず炒めて行き
猪のバラ肉をカリッとなるまで炒めて
塩こしょうをふって味付けたあと
キャベツ、ピーマン、玉ねぎを順に炒めていく
わしたちが炒めている間に
うどんとそばも茹で上がると侍女さん達が
茹で上がったうどんとそばを
わしと美沙に渡してくれる
渡された麺を入れて炒める
猪のバラ肉から出た脂を麺に馴染ませるようにしていき
最後に醤油を入れて全体に絡めるように混ぜていく
焼きそばの方はソースを使っているわけだが
ソースをはじめて見るであろう
見習いの侍女さん達は興味津々の様子だった
美幸さんや絵美さん
そして見習いに付き添いとして今日は
さくらさんがきたようだが
3人ともソースも慣れている様子だった
わしと美沙が、それぞれ焼きうどんと焼きそばを作り終えて
大皿に盛り付け終えると
手の空いてる侍女さんが鉄板を洗い始めてくれてるようだ
「ありがとうな」
「いえいえ」
「残りはナポリタンだが…どうしようか
わしと美沙で半分ずつ作るか?」
「そうですね 美幸さん達は作り方は?」
「一応はネットで確認はしてます」
「「同じく」」
美幸さん達3人とも作り方は把握している様子だった
「それならば…5人で1人前ずつで?」
「「「「はい」」」」
先ほどと同じようにフライパンを熱したあと
脂とニンニクとショウガを最初に入れて焦がしたあと
ソーセージから炒めていき
玉ねぎ、ピーマンを炒めてしんなりしてきたら
トマトケチャップ、塩こしょうで味付けをしたあと
パスタを入れて馴染ませるように混ぜていきながら仕上げる
「3品とも…ごく平凡な作り方で悪いのだが」
わしは美幸さん達に謝ってしまうと
「「「いえいえ 大丈夫です」」」
と…微笑みながら返されてしまった
とりあえず、3品とも完成をしたので
冷めないように美幸さんのアイテムボックスに仕舞い込んで貰ったあと
後片付けをみんなでしてから7階層へ向かうのだった
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