250話 明日の打ち合わせ
母親達が後片付けを終えて7階層へ
続々と集まってきて全員集まったのを見てから
最初にみんなにねぎらいの言葉を言う
「お母さん達 ぼたんさん 見習いの侍女さん達 お疲れ様です」
「幸正 あなた それで…わたしたちを集めたということは
なにかあるんでしょ?」
母親が俺にそう言ってくる
「はい 明日ですが…作業は3時までで」
「「「どういうこと?」」」
母親達が首をかしげて問いかけてくる
「うどん屋とそば屋さん…大森さんと吉田さんですが
健二くんとかおりさんに…焼きそばや焼きうどん、ラーメン パスタを
試食してもらおうと…見習いの侍女さん達も せっかくだから食べてくれればと
明日は…ぼたんさん…かわる?」
「明日は…そうですね さくらちゃんがこちらに来ると思います」
「そうですか…ぼたんさん達は日本円もあるし 休みの日に?」
「はい わたしたちのことは気になさらずとも大丈夫です
休みの日にこっちに遊びに来ますので」
「わかりました そ、それで…拓郎さん」
「はい?」
「焼きそばとかパスタは作れます?」
「あ、あぁ…ごく普通のでいいなら作れる
パスタはナポリタンでいいか?」
「はい それでOKです さすがにラーメンは…」
「ラーメンか…インスタント麺でいいなら作れるが…」
「袋麺のアレンジかなぁ そうすると」
俺がそう言いながら考えていると
さちこが口出してくる
「こっちの世界で試食するなら出前でも頼んだら?
もしくは…わたしやひまりちゃん、ゆみちゃんが
お店に行ってテイクアウトしてくるのもありでしょ?」
「そうだね さちこちゃんとゆみちゃん
そして…わたしで仙台市内から買ってきてもいいでしょうから」
「じゃあ、それで…お願いします」
「「うん」」
「焼きうどんも…おじさん作れる?」
「出来る」
「わたしも手伝うわ」
「お母さんも料理得意だったね」
どうやら、ひまりの母親だった
「そう言うことだから…明日は3時までで
試食は7階層で…よろしいですか」
「「わかったわ」」
「「はい」」
「「「「「「「「かしこまりました」」」」」」」」
それぞれが返事を返してくれた
そこにミアさんも戻ってきた
「悠 カップ焼きそば いろいろ買ってきたよ」
「ありがとうございます
手作りとインスタント2種類あった方がいいと思うので」
俺がそう言うと…さちこは俺を見て
「幸正くん インスタント焼きそばの方が好き派でしょ?」
「ど、どうしてわかるの?」
「やっぱり(笑) カップ焼きそば…おいしいもんね」
「うん ごほん…それはそうとして
見習いの侍女さん達…どうでした?」
話を切り替えるように咳をしてから
見習いの侍女さん達へ声をかけてみると
「はい 広い台所でしたし
料理は…ぼたん先輩達から一通りは教えて貰ってましたけど
楽しかったです」
彼女たちの中から一人が感想を述べる
「侍女としての見習いじゃなくて
料理してもらうことになっちゃって…ごめんなさい」
「「「「いえいえ」」」」
「むしろ…こちらの世界に来ることが出来るのは
貴重なことですし」
「そう言ってもらえると…ぼくとしても…」
見習いの侍女さん達もうまくやってくれてるようだったから
一安心で話すこともだいたい終わったところで解散をすることに
母親と絵美さんは夕ご飯の支度もあるので
すぐに向こうの世界へ戻っていき
ぼたんは仙台の方に買いものに行くようだった
見習いの侍女さん達もついて行きたそうにしていたようだが
さすがに20人は難しいという感じで
ぼたんが彼女たちになに食べたいか聞いて
メモをとったようだった
美穂とミアさんも戻っていったようで
俺も帰ることにしたが
さちこに呼び止められた
「幸正くん 明日のラーメンとかなにがいい?」
「仙台だから味噌が定番じゃない?」
「そういえば…そうだね かなりの人数だから
5人分でいいかな?」
「そうだね それをわけてくれればいいし
ラーメンついでに餃子とかも?」
「あ…いいね」
「おじさんとおばさん 焼きそばに焼きうどんにナポリタン
大変だったりする?」
俺はひまり達の方をむいて問いかけてみた
「いや 大量に作ればいいわけだから大した手間はないぞ」
「えぇ そうね それにキッチンもこんなにいい場所あるんだから
作ること自体は問題ないと思うわ」
「いきなりで…ごめんなさい」
「「いえいえ」」
「焼きそばやナポリタンはこっちの世界だと
まだ難しいけど…焼きうどんなら
うどんもあるし…見習いの侍女さん達も
作ってるところ見せてあげて」
「そうじゃな」
「えぇ 彼女たちも素直でいい子だし
年齢的にはひまりと同じくらいの子たちなのに
働いているのは…向こうの世界だと…高校は?」
ひまりの母親…美沙が気になったらしく聞いてくる
「まだまだ…みたい 来年度からは小中と義務教育が
はじまるみたいだけど…高校はどうなのかは」
「そうなんだね あの子達も大変なのね」
「そうかもしれないですね
ただ、皇室で働けるというのはエリートだとは思いますよ」
「言われてみれば 確かに…」
「来月までは…忙しいと思いますがよろしくお願いします」
「「はい」」
「それじゃ、ぼくも帰りますので
さちこおねえちゃん ひまりおねえちゃん
おじさん おばさん 明日」
「「うん 明日」」
「坊主 あしたな」
「明日ね」
俺は挨拶をすませて家に帰っていくのだった
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