246話 困惑する夢子
未来が作り終えたカップラーメンを
夢子とあやこでわけながら食べて貰う
「うどんでもなく、そばでもない…こういう麺もあるのですね」
「塩味かな? お湯入れて3分待つだけで
こんなおいしいのが出来るなんて…すごいなぁ」
ふたりが感想を述べつつ食べるのを俺たちは
黙って見ていることに
しばらくすると…食べ終えたようで
「「ごちそうさまでした」」
ふたりが言葉を揃えて言ったあと
未来に対してあやこが言葉を続ける
「未来様 おいしかったです」
「それはよかったです」
「わたしも新鮮でした 塩味の汁は
うどんやそばの方では食べたことなかったので」
夢子も感想を述べながら未来に言う
俺はふたりが言い終わるのを見計らってから話を始める
「これは…カップラーメンと言って
お湯を入れるだけでいいインスタント麺の一つです
明日は…これではなく
袋麺を使って鍋で煮込むタイプの麺になります
パスタに関しては…おじさん次第ですが
他にも…焼きそばもあるけど
焼きうどんは…こっちであるの?」
俺は未来や芽衣、あやこ、夢子を見ながら問いかける
「焼きそばは…存じませんし
焼きうどんも初めてききます」
と…夢子が言う
「わたくしも焼きうどんは…こちらの世界では
見たことありません
夢子さん あやこさん 焼きそばと焼きうどんは
こんな感じのものです」
未来はウインドウを表示させて
焼きそばと焼きうどんを夢子達にみせる
「そばは…これは…ラーメンの麺?」
ウインドウを見て夢子が未来に質問する
「はい ラーメンの麺ですね そば粉で作ったそばじゃないですね」
「なるほど どちらも汁なしなのですね」
「そうですね 焼きうどんなら…うどん屋でも作れると思います」
夢子の質問に未来が答えながら
うどん屋のことも口にする
「幸正くん 焼きうどんも作る?」
ひまりが俺に提案してきたので
頷きながら答える
「うん 焼きそばも焼きうどんも用意してくれると
助かるかもしれない」
「わかった お父さんに伝えておくね」
麺類の話が一段落したあと
俺は夢子に問いかけてみることにした
「そういえば…夢子さんはダンジョンには?」
「わたしですか…わたしは授業でも
ダンジョンに行くこともありますし
いただいた冷蔵庫などの魔力供給も
可能ですから大丈夫です」
「なるほど それなら問題なさそうですね」
「えぇ…ただ、あやこさんは
どのくらい強くなってるのです?」
夢子があやこの方を見て伺う
「わたし? 幸正くん達と同じになっちゃってますけど
夢子さん みたいです?」
「はい 気になります 3日経過しているし
どれくらい強くなっているのか興味あります」
「えっと…みたあとで…困惑しないで貰えたら嬉しいかな」
あやこも自身が頭おかしいほど強くなっていることは
自覚しているようで夢子にためらいがちに言う
「はい 心していますから」
「じゃあ、さちこおねえちゃん 未来様達も」
「「「「「うん」」」」」
「夢子さん ついてきてください」
夢子を連れて全員で地下室へ向かい
美穂 未来 芽衣 あやこ さちこの5人は
変身をするとあやこが俺にレベル30制限設定を頼んでくる
俺は設定をしてみんなに頷くと
5人はバトルロイヤル形式で模擬戦を始めるのだった
…
……
………
「………なんなのです? これは」
5人の模擬戦をみていた夢子が困惑気味に口にしてしまっていた
「見ての通りです あやこさんの強さは
レベル30制限で…あれくらいです」
「未来様達はわかりますけど…こんなに強くなるのですか
羨ましく感じてしまいます」
「レベル上げ時に成長倍増スキルの10倍というものを
付与しているからステータスがおかしくなるのです」
「はぁ…わたし…ここまでだとは思わなかったから」
夢子が模擬戦を見つめながらうなだれる
「どうします? 55階層や56階層に行けた方が
唐揚げ用の肉やエビを確保しやすいと思うのだけど」
俺は夢子にそう聞いてみると
片手をあごに当てながら迷う仕草をしつつ数分沈黙するのだった
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