242話 大森さんと吉田さんの様子
夢子視点です
午後の授業を終えると
わたしは足早に外履きがおいてある
登校口に向かい外履きに履き替えると
大森さんと吉田さんがやってくるのを待ち構える
(もう下校しちゃってるのかな?)
ちょっと不安になりながら待っていると
二人が下駄箱のところにやってくるのをみえる
二人とも外履きに履き替えたのを見計らってから
わたしはふたりに声をかける
「大森さん 吉田さん ちょっといいかしら?」
わたしの声にふたりともおどおどした様子になりながら返事を返してくる
「「は、はい…」」
「わたしが声をかけた理由は…わかりますか?」
「えっと…はい」
「加賀さんの件でしょうか?」
吉田さんが明確に答えてくる
「えぇ…そう 幸正くんのことです
わたしも人のこと言えませんが…お二人も月曜日以来
会ったりしてないみたいですよね?」
「それは…その」
「考えることがあったりして」
二人の様子がおかしいのに気づくと
わたしはふたりを見ながら待つことにする
しばらく待つと吉田さんの方が先に話し始める
「昨日、一昨日と…わたしたちふたりでダンジョンに行って
レベル上げをしていたのです」
「せっかく、幸正くんからいただいた指輪もあります
レベル上げしたら…家の役に立つんでないかと思って
ふたりでダンジョンに籠もっていたのです」
「そう言うことだったのですね」
「「はい」」
「ふたりの事情はわかりましたが
ふたりの両親の方は…どういうことなのです?」
「と言いますと?」
大森さんが首をかしげて…わたしに返してきました
「料理の作り方 加賀さん宅に行ってないと聞いてます」
「「えっ?」」
「ご存じなかったのです?」
「「はい まったく」」
「お父さん達 何考えてるのよ」
吉田さんがちょっといらつきながら呟いてしまってました
「あれだけ 料理を試食させて貰ったのに
教わることもしてなかったなんて…」
大森さんも続けて困惑気味に口にしてます
「どうしますか?」
「家に戻って…親に問いかけます」
「わたしもです 桜庭さんところはどういう状況なのです?」
「わたしのところは…えび天などをすでに
提供準備にとりかかっているようです
他にも揚げ物類も…お出しするような話ですし」
「「そうなのですね」」
「わたしは…このあと 幸正くん宅に向かう予定ですが
ふたりの様子は報告してもよろしいですか?」
「はい」
「レベル上げしていることは報告して構いません
家の方のことは…明日 お伺いしますと伝えて貰えれば」
「わかりました 吉田さんの方は伝えておきます
大森さんの方は?」
「ぼくも明日 放課後 お伺いしますと伝えて貰えれば」
「わかりました ふたりとも明日 幸正くん宅に
お伺いすると伝えてますね」
「「はい」」
「もし、唐揚げや天ぷらなどの作り方を
教わりたいなら…いつでもうちの料理人へ
橋渡ししますので…」
「「はい ありがとうございます それでは
幸正くん達によろしくお願いします」」
「はい」
ふたりはわたしに頭を下げていったあと
瞬間移動していなくなる
それを見届けたあとで…わたしも瞬間移動で
幸正くんの家に向かうのでした
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