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241話 あやこの家で 2

あやこの両親…相馬食堂の店長さんと奧さんが

休憩時間になり、俺たちの元にやってくると

俺たちに声をかけてくる


「「おまたせしました」」

「「「「おつかれさまてす」」」」

「お父さん達 お昼ご飯 はい」


あやこはアイテムボックスから作っておいた

丼をとりだして両親に渡す


「「ありがとう」」


二人は食べながら…俺に話を始める


「幸正くん 店の様子はご覧に?」

「はい お客さんがすごいですね」

「はい 予想してなくて…昨日の昼頃から

 お客さんが増えてきて…今日も朝から大忙しでした」

「お疲れ様です えっと ぼくを呼んだのは?」


こんな忙しいなら、わざわざ俺を呼ぶのも

と言うのがあったから問いかけてみた


「お礼をあらためて申し上げたくて

 教えていただいたこと、娘の要望に応えて

 この子に…力を授けていただいてありがとうございます」


相馬食堂の店主さんが頭を下げて言う


「あやこさんに関しては…本人の意思でしたし

 やりたくないという人には渡しても意味ないので

 渡さないわけですし

 それと…マグロ丼や海鮮丼をすぐに

 お品書きに追加して提供したのは

 おじさんの判断ですから…ぼくはなにも」

「それでも…ありがたいとは思ってます」

「はい あ 気になったのですが

 月曜日 ぼくたちがやってきたときにいた

 お客さん達なのでしょうか?

 昨日 広めたのは?」

「あー はいはい なんでも

 火曜日に休業張り紙を見ていて気になったようでして

 昨日の午前からの開店時にやってきてくれて

 早速 マグロ丼を注文されていて

 驚きましたが…お出ししたところ

 魚を生で食べることに最初ためらっていたようですが

 しばらくして一口食べたようでして

 お客さんが叫び声を上げて…うまいうまい言いながら

 そのあとはどんどん食べてました」


店主さんの説明を聞きながら

俺は未来の方を見て「予想どおりだったね」と言うと

店主さんも未来の方を見て伺う


「未来様 予想していらっしゃったのです?」

「はい 昨日今日と言うことなら

 月曜日に…あの場にいた、お客さんだろうなと」

「なるほど うちの常連のお客さんですから

 火曜日に急遽休業したことをみて

 月曜日の幸正くん達のことを思い浮かべたのでしょう」

「いずれにしても…そう言う…お客さんがいて

 よかったと思います」

「はい 料金設定ですが…お客さんに聞いてみたところ

 これなら…1000(もん)出したいと言われましたが

 原価を考えると…罪悪感感じてしまいましたので

 800文ぐらいにしてます」

「マグロを捕りに行ける人が限られているので

 本来は今のところは安くはないでしょうが

 この辺は冒険者協会の腕の見せ所でしょう」


店主さんの言葉に俺がそう答えると

未来が頷きながら続き


「そうですね 現時点では55階層行けるものは

 わたくしたちだけですし」

「しかも…わたしはこの店の娘で

 在庫がなくなることもないですし

 他のお店からしてみたら…ずると言われても」


あやこもばつの悪そうに言う


「おじさんは…あまりやすくしないようにお願いします」

「はい マグロの買い取り価格がどれくらいになるか

 わかりませんけど…800文以下にはしないようにします」

「それから 来月の食の祭典でも

 会場でお店を開いて貰えれば助かります」

「それはもちろん…引き受けます

 それで盛り付ける刺身の準備ですが

 この通り…お店が忙しくて…難しいのですけど

 どうしたらよいのでしょうか?」


店主さんが申し訳なさそうに俺たちに伺ってくる


「それですが…さちこおねえちゃんの家の敷地内の

 地下に料理場を作りましたので

 向こうの人たちにバイトを依頼してます

 また、見習いの侍女さん達も使えることになったようです

 みくちゃん これ 当分の間?」

「はい 見習いの方々は当分の間は料理ですね」

「侍女の仕事は?」


俺は未来に気になったので…そう聞いてみた


「あの子達はまだまだ現場には出さない子達だったので

 しばらくは大丈夫です

 1年目のさくらとぼたんが19歳です

 彼女たちも見習い期間を経て1年目ですから」

「もしかして…見習い期間が長い?」

「そうですねぇ わたくしたちのお世話を担当する方は

 とくに優秀な方が選ばれますから」

「なるほど」

「おねえちゃん すみれさんたちって…家柄もいい家なの?」


ふと美穂が未来にそんなことを聞いてくる


「そうですねぇ あの4人は…家もそうですね」

「偶然とは言え東西南北の苗字を持つ家の人が

 4人揃ったというのもすごいよね」


芽衣も感想を述べている


「はい」

「「うん」」


少々、話がそれてしまったが

店主さんたちとの会話もだいたい終わったところで

俺たちは時間を確認しつつ


「それでは…おじさん ぼくたちはそろそろ…」

「あ はい」

「また いつでもいらして下さい」

「「「「はい」」」」


店主さんと奥さんに挨拶をすませると

裏口からダンジョンに向かって

1時間ほど…それぞれ持ち場を決めて

繭 牛・猪 鳥 魚と狩るのだった

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