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231話 さちこの兄

長めです

地下室の細かい整理を一通り終わり

7階層へ戻ってくると

さちこと葵が兄と思われる人を連れて

7階層へ戻ってきて俺の前にやってくる


「幸正くん こちら…兄です」


葵さんが俺の前で兄を紹介してくると

その人が自己紹介を始める


「はじめまして、桜木誠一郎と申します

 いつも…妹のさちこがお世話になっています」


丁寧に頭を下げてきたので

俺も姿勢を正してから返事を返す


「加賀幸正です こちらこそ、無理難題を

 押しつけたりしていて…ご迷惑おかけしていると思いますが

 大丈夫でしょうか?」

「その辺は心配ございません

 むしろ、こちらの方が多額の利益をいただいてしまっていて

 恐縮しております」

「今回は…この通り…敷地内に地下室を作ってしまったり

 無茶苦茶なことをしているのは自覚しているつもりですが

 承諾していただきありがとうございます」

「いえいえ」


お互いに自己紹介をすませたあと

地下室を一通り誠一郎さんを含めて説明をしつつ

見回ったあと地上へ行き事務室に向かう

その上で改めて話を始める


「なんというか…こんな短時間に地下7階層なる

 大型施設を構築されること自体に驚いております」


誠一郎さんがそう言うと

さちこの父親もその場にいたようで


「誠一郎 地下7階層? そんな大がかりに?」


驚きを隠せない様子だった


「とんかつ・唐揚げ 刺身関係 焼き鳥 牛丼 プリン ハンバーグ…

 料理毎に分けました それで…最下層は

 移動用の場所にしました」


俺は改めてそう言うと

さちこ達の父親は腕を組みながら…黙ってしまう


「電力は…さちこさんの魔力で充電するかたちにしてます

 水道などは…ずるになりますが

 蛇口部分を水魔法の術式を施すかたちにしました

 各階層から下水管へ繋げましたので料理で

 洗い物等などで排出した水も大丈夫のはずです」

「「そうですか」」


俺の説明に少々疲れた様子に答える二人


「あと…こちらの世界からは

 おそらくですが…ぼくの母親とみほちゃんの母親

 皇室からは…?」


俺は未来の方を見る


「さくら かえで すみれ ぼたんの4人は

 他に忙しいと思いますので…それ以外で手の空いてる人が

 料理を担当することになります」

「なるほど こちらの方だと…葵」


さちこたちの父親が葵を見ながら訪ねる


「まだなんとも言えません

 ただ、そちらの佐々木さんは来月まで

 8時間勤務…引き受けて貰えるのでしたよね?」

「はい そのつもりですけど

 どの料理を担当したらよろしいでしょうか?」


拓郎さんが俺を見て確認してくる


「そうですね 予定している料理の中で

 作れるものはなんでしょうか?」

「一通り 作れます

 居酒屋を始める予定でしたし

 料理自体が趣味でしたのでどれも作れます」

「なるほど…お母さん達と相談して分担お願いします」

「はい」

「卵や牛乳 牛丼用の玉ねぎ、とんかつ用のパン粉

 その他調味料も…必要ですね

 卵や牛乳、玉ねぎは…ぼくたちの世界でも

 かき集めれますけど

 パン粉が…こっちの世界で大量購入頼めます?」

「その辺は引き受けます

 調味料類も購入しますので」


誠一郎さんが答える


「かかった費用ですが…」


俺がそう言うと

さちこ達の父親と誠一郎さんは手を振りながら


「も、もう…十分 金の塊貰ってますので…」

「さちこ お前のアイテムボックスに相当量あまってるんだよな」

「うん 計算してないけど…国家予算に匹敵する金額はあると思うよ?」

「なので…妹のアイテムボックスから換金します」

「さちこおねえちゃん いい?」

「問題ないよ お小遣いもちゃんと貰っているから」

「わかりました

 あとは…冬物衣服のこともありました」


俺は話し忘れないかと考えながら

思い出したことを言う


「そちらの件は量が量なので

 もうしばらく…お待ちください」

「はい 無理でしたら…100着ずつなどに

 減らしても構いません

 めいちゃん それでいい?」

「はい と言うか…わたしの家の方で

 量産体制が間に合わないから

 こちらの世界から購入する案でしたし

 そんなに無理言えませんから」


芽衣の話に耳を傾けながら

誠一郎さんはふと提案をしてくる


「古着回収などは如何でしょうか?」

「古着ですか 海外に渡すのも…はた迷惑な量が

 集まっているとか…前世の記憶で見た覚えがあります」


途上国に渡す古着がゴミになっているとか

そんな内容の動画を転生前に見た記憶がある


「何事も限度ってありますね 確かに」


葵さんがため息をつきながら言う


「それで…集めることは可能なのでしょうか?」


俺が改めて尋ねると


「古着屋さんなどを巡ってみます」

「お兄ちゃん それでしたら…わたしがしましょうか?」


誠一郎さんの言葉に葵さんが反応する


「うん? 俺でも葵でも同じじゃないのか?」


首をかしげる誠一郎さんに

葵さんが右手に着いてる指輪を見せる


「それって…葵も?」

「アイテムボックスなど使えるようにはなってます

 さちこみたいに…レベルアップはしてませんから

 剣道の昇級試験などには影響しません」

「そ、そうか なら…移動手段が楽だな

 葵の方が効率はいいな」

「はい」

「葵さん 色々とありがとうございます」


俺は葵さんにも礼を言う


「いえいえ」

「来月まで色々とお世話になりますので

 よろしくお願いします」


再度 俺は頭を下げると

さちこ達の父親や誠一郎さん、葵さんが


「「「こちらこそです」」」


と…俺たちに頭を下げてくる


誠一郎さんとの話が終わると

一度、俺たちは地下7階層へ向かい

向こうの世界に戻ろうとする

俺は拓郎さんとひまりにちょっと話をすることにする


「あ みほちゃん アイテムボックスに

 牛 猪 コカトリス 雷鳥などあまってない?」

「うん? 確認するね」


俺のアイテムボックスのは

全部、母親にわたしているからなかったりするので

美穂に聞いてみた


「あるよ 1匹分ずつでいいよね?」

「うん それでも量あるし」

「わかった で、ひまりおねえちゃんに渡せばいいんだよね」

「うん」


美穂はアイテムボックス経由で

ひまりにわたす


「えっと…これは?」

「ブラックホーン…牛、暴れ大猪は猪

 コカトリスと雷鳥は鳥…です

 とりあえず、これらの肉で作って貰う予定だから

 拓郎さんに試作して貰ってほしいかなと

 明日 お母さん達に試食して貰って」


ひまりの問いかけに答えると

拓郎さんがひまりをみる


「肉類?」

「うん 1匹ずつらしいけど…多いから」

「なるほど 夜ご飯に作ってみてもいいか?」

「わたしはいいけど…お母さんにも聞いてね」

「そ、そうだな」

「と言うことで…拓郎さんにも面倒ごと

 頼むかたちになってしまったけど」

「あ いえいえ 退職金 とられたのを

 何倍にして返して貰えているだけでも

 わしとしては…恩義があるので」

「それは…あー言う詐欺師 嫌いだからと言うのもあったから」

「それでも…ありがたいのです」

「そうですか あ 拓郎さん 来月 食の祭典の期間中

 こちらで居酒屋 開いて見ませんか?」

「当日に作り置きを配る以外にですか?」

「はい」

「本格的に始める前に練習もかねてという感覚で

 よろしいでしょうか?」

「はい」

「ありがとうございます

 明日 お母さん達とよろしくお願いします」

「はい」

「明日もわたし…そっちに行ってもいい?」

「それは うん さちこおねえちゃんも来るでしょうし

 おねえちゃんはバイトだからいないけど」

「ゆみちゃん バイトだったね

 さちこちゃんは毎日行ってるの?」

「うん」

「そうなんだね 明日 いくからよろしくね」

「うん」


ひまり達と会話も終えると

俺たちも家に帰宅するのだった

ここまで読んでいただいた方ありがとうございます

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