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229話 ひまりの武器

「ゆきくん わたしたち 汗かいたからお風呂入ってくるけどいい?」


美穂が俺にそう言ってくる


「シャワールームも向こうに作ってあるから」


俺は向こうを指さしながら言う


「わかった」


美穂達がそれぞれシャワールームに入っていくのを見届けた後

俺は葵さん達と会話をすることにした


「葵さんは剣道しているから

 さすがに化け物になるのはまずいですよね?」

「そうね わたしは遠慮しておくわ

 大学でも剣道続けているから…ずるになっちゃうからね」

「うん 指輪の使い方は…さちこおねえちゃんに聞いて貰えればいいけど

 携帯電話の機能は念じたら動くから」


俺はそう言いながらウインドウを表示させたり

電話モードやテレビ電話モードなどを一通り教える


「念話は向こうとこっちと関係なしに繋がるのね」

「うん」

「いろいろ便利すぎて携帯電話使わなくてすみそうだわ…」

「友達とのやりとりとかは携帯になるんじゃ?」

「それはそうだけどね」

「幸正くん…でいいのかな? わたし…ゆみちゃんたち側にいきたい」

「ぼくのことは それでいいから

 それで…レベル上げてダンジョンにも入りたいってこと?」

「うん…」

「とりあえず、ひまりさんのステータス見せて貰える?」

「うん ステータス オープン」


佐々木ひまり 女 15歳


レベル 1

HP 8/8 MP 18/18

力   1

体力  1

素早さ 1

器用さ 3

知力  8

精神  7

運   1


「それにしてもゲームみたいな表示になるのね」


葵がステータスを見ながら呟く


「わたしって…こんな感じなんだ

 力も素早さもないし…体力もない

 ある意味納得してしまう内容だけど

 知力と精神が高いのって…ちょっと予想してなかった」

「おねえちゃんもそうだけど

 見事に後衛タイプだよね ひまりさんも」

「でも、素早さがないから…役に立てる場所あるのかな」


不安そうに呟くひまりに

俺は安心させるようにいう


「素早さアップ効果を武器に添付すればいいから」

「そう言うことも出来るのね」

「それで…どんなかたちにします?

 その前に…サブ武器の方は渡しておきますね」


ニードルビット5本 魔力操作 自属性強化

ピックホルダー 自動修復 自動HP回復 自動MP回復


毎度おなじみのサブ武器


「ホルダーは太ももにつければいいのかな?」

「うん つけるときは…ぼくがみえない場所でして」

「あ…そうよね スカートの中みえちゃうもんね」


横にいる葵さんが笑いながら俺を見て


「スカートの中 みたいと思わないのかな?」

「えっと…言ったら怒られるもん」

「やっぱり 男の子だね」

「あ、葵さん」


俺は赤くなりながらうつむく

ひまりは少し俺から離れてビットホルダーを

太ももに取り付けて戻ってくる


「装備おわりました」

「じゃあ…メイン武器の方だけどどうします?」

「うーん…離れた場所から攻撃したいから

 そんな感じの」

「遠距離砲撃型の杖辺り? ライフルの方がいい?」

「ライフル わたしに使えるのでしょうか?」

「ステータスはレベル上がれば

 あほみたいな数値になるから気にすることないと思う」

「そうなのですね じゃあ、ライフルで」


ひまりの回答を受けて俺は武器を作る

以前、さくらに渡したようなタイプのライフルにして


魔力式遠距離射撃用ライフル 攻撃力 5000 素早さアップ10倍

              器用さアップ10倍 ターゲットロックオン補助

              魔力増幅10倍 遠見


「こんな感じでどう? 使わないときは髪飾りに変わるようにしたから」


俺はひまりに手渡しながら言う


「あと 簡易更衣室」

「更衣室?」

「バトルジャケットへ着替えるときに

 一度着ている服…消えちゃうから」

「そ、そうなんだぁ 幸正くんの前で変身はダメだね」


ひまりが俺を見ながら笑う


「み、みほちゃんに怒られるから」

「みほちゃん…あの子 彼女さん?」

「幼なじみ」

「ふーん…彼女と言わないのね」


俺の回答に葵さんが不満そうに言う


「そ、それで…ひまりさん 変身後の衣装は?」

「あ うん これって…わたしがイメージすればいいのかな」

「うん そう」

「どうしようかなぁ…ゆみちゃんとおそろいで

 チアガールにしよう」


ひまりはそう言いながら更衣室に入り

変身をしてから俺の前に出てくる


「どう?」

「かわいい」

「あ、ありがとう…」


ひまりも赤くなって嬉しそうに答えてると

後ろから美穂がやってきて俺の頭を叩いてくる


「ひまりおねえちゃんにもかわいいいってる」

「うぐぅ…みほちゃん すぐたたくのやめて」

「ふん それはそうとして…ひまりおねえちゃんも

 ゆみおねえちゃんと同じ衣装にしたのね」

「うんっ」


美穂から遅れて他の5人も戻ってくる


「ひまりちゃん チアガールにしたんだね」

「ひまりちゃんかわいい」

「あ ゆみちゃん さちこちゃん ありがとう」


みんな揃ったところで俺は時間を見る


「4時半だね とりあえず、60階層で

 ひまりさんのレベル上げして…向こうの世界に」

「ゆきくん 60階層選ぶのは

 お金目的?」


美穂が俺に聞いてくる


「雇ったり色々…費用かかるだろうから

 貯めておいた方が無難かなと」

「そっか…」


俺たちは60階層へ全員で飛ぶ

俺は葵さんをおぶさりながら空中に停止している


「幸正くん わたしをおぶさってくれるのは

 ありがたいけど…美穂ちゃんに怒られないかな?」


葵さんが耳元で言う


「みほちゃんたち それぞれゴーレム倒しに行くから

 葵さんだけ経験値共有をはずしておいてるから

 誰かが傍でガードする必要あるでしょ」

「そっか それにしても…ゴーレム

 あんなにでかいのに…みんな一撃で片付けちゃってるね

 ゴールドゴーレム あんな感じなんだねぇ

 1匹ですら相当の量だね

 納得しちゃったわ」


美穂達が

あっという間にその場にいたゴーレム達を瞬殺していき

ひまりのレベルも一気に上がっていく


「ひまりちゃん レベル結構上がったと思うけど」

「うん 頭の中でファンファーレうるさいです」


ひまりは由美の問いかけに頭痛そうに答える


「1体 倒してみて」


さちこがそう言うとひまりはうなずき

ライフルを構える


「わたしの弱点看破でゴーレムの弱点がみえるよね」

「うん そこを狙えばいいのね」

「うん」


由美の言葉を受けると

ゴールドゴーレムに狙いを定めて撃ち抜くのだった

狩り終えたゴーレム類は各自回収する

その際、ひまりが由美達に尋ねていた


「最後のゴールドゴーレム ほんとにわたしが回収してもいいの?」

「いいと思うよ ………1体でも量が量だけに…困惑しているでしょうけど」

「とんでもない量だもんね これだけでもどれくらいの金額になるか」

「うん…いいの? これ」

「「うん」」


二人に言われ…ひまりはゴールドゴーレムを回収する


そのあと俺たちは家に戻り庭からゲートを使い

向こうの世界に行くのだった

ここまで読んでいただいた方ありがとうございます

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