227話 さちこと葵
「「あの…」」
ひまりと葵さんが二人同時に俺に声をかけようとして
お互いに顔を見つめ合い
「ひまりさんから…お先にどうぞ」
「い、いえ…葵さんから…先でいいです」
「…そうですか」
葵さんが一呼吸をおいてから
話をはじめる
「せっかく、こちらの世界に訪れたわけで
ダンジョンなど見学出来たら…と思いまして
妹がどれくらい強いのか気になりまして
わたしも剣道はやってましたから」
「おねえちゃん わたしと模擬戦やりたいというのもあるんでしょ?」
さちこが葵さんに向かって…そう言う
「えぇ…あなたがどれくらい強くなったのか
確認したいですからね 剣道から逃げたあなたが」
「………っ」
さちこはうつむきながら黙り込む
「あのう…葵さんはかなり強いのです?」
俺は気になって…聞いてみると
「上には上がいますから…わたしが強いかどうかは
なんとも言えませんが…4段には受かっております
4段から5段もかなりの差と言われており
日本における最高位は8段ですが…雲の上の存在です」
「そ、そんなにですか…さちこおねえちゃんは」
「小学までは…わたしと一緒に稽古をやっておりました」
「身近に…おねえちゃんみたいな天才がいたら
コンプレックスになるでしょ」
「さちこ それが理由だったのですね」
二人のやりとりを聞いていた
あやこが…そこで口を開く
「幸正くん 地下室に行ってレベル1制限で
さちこおねえちゃんと葵おねえちゃんで
模擬戦でもやって貰ったら
あ さちこおねえちゃん ビットも禁止で」
「「えっ?」」
二人とも驚いて…あやこをみる
「さちこおねえちゃん する? レベル1制限でも
身体は覚えているでしょうし」
「レベル制限ありなら…おねえちゃんと同じだし
おねえちゃん いいです?」
「はい」
決まったようなので…俺たちは地下室に向かう
母親は夕ご飯の準備するみたいで台所に向かったようだが
「地下に…こんな広い場所を」
葵さんが絶句していた
「さちこおねえちゃん SAKURAは使わないで竹刀でいい?」
「うん あ 幸正くん おねえちゃんにも
ダメージ無効などの指輪…」
「そうだね」
俺は指輪をふたつ作り出して
葵さんとひまりにわたす
「ダメージ無効 状態異常無効 アイテムボックス
瞬間移動や携帯電話機能などなどつけたものです」
「妹の能力って…これですか」
「由美ちゃん達の能力…」
「ゆみおねえちゃん さちこおねえちゃんは武器も渡していますので
若干違います ダンジョンで戦うこと前提でしたので」
「「なるほど」」
さちこと葵さん 竹刀を受け取り
お互いに一礼をしてから構えに入るのだった
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