226話 さちこの姉と打ち合わせ
母親に招き入れられて
さちこと…もう一人…姉だと思われる女の子が
居間にやってくる
「幸正くん おねえちゃん 連れてきたよ」
「みなさん お初にお目にかかります さちこの姉の葵と申します
よろしくお願いします」
そう正座をしつつお辞儀をしながら挨拶をしてくる葵さんに
その場にいた全員が自己紹介を始める
自己紹介が一通り終わると葵さんが俺に話しかけてくる
「えっと それで…わたしの家の裏庭に
地下室を作る件ですが…」
「はい 5時ぐらいでよろしいでしょうか?」
「はい 兄には一応…その時間帯と伝えておきました」
「それから…さちこおねえちゃんから聞いているとは思いますが
そちらの…佐々木ひまりさんのお父さんの件です」
「あ はい 地下室で料理をしていただくのですね」
「それで…どうします?
佐々木さんの家と地下室を直接繋げた方がよろしいですか?」
俺の問いかけに葵が思案するような仕草をとりつつ
答えてくる
「そうですねぇ 裏庭に来るよりは
地下室に直接行って貰った方が…泊まっている
お客さん達からも不審に思われないでしょうし
そうして貰う方が良いかも知れません」
「わかりました あ 地下室と…ここも繋げた方がいい?
お母さん達も料理するんだよね」
「そういえば…そうね わたしと絵美さん
あとは…侍女さん達も」
「葵さん あと…ひまりさん それでよろしいですか?」
「「はい」」
「それで…作るものは…なになになのでしょう?」
葵さんが確認してくる
「うーんと…唐揚げ 焼き鳥 とんかつ 牛丼 ハンバーグ
お刺身…ですか」
俺は指折り数えていく
「ゆきくん アップルパイやプリンは?
あと…モツもぬけてるよ?」
美穂が俺にツッコミを入れてくる
「作れるなら…ですが
どれくらい人手が集まるかわからないですよね?
モツもわすれてました
来年夏もしくは…どこかのお店に?」
「言われてみれば…確かに あれもこれもは難しいよね」
美穂が相づちしてくる
「葵さん どれくらいを予想出来ますか?」
「なんとも言えないですね ごめんなさい」
「いえいえ みくちゃん 皇室の侍女さん達
見習い含めて借りること出来ない?」
「そうですね 国でやる行事なのですし
こちらの国でも人手をかき集めないとですね」
「時間もないですから…早めにお願い出来ると助かる」
「はい それで…その人手の移動手段も
皇室の侍女は皇室から直接行けるようにして貰えれば」
「りょうかいです」
「牛丼は出来上がった鍋をそのまま
ベルトコンベアでアイテムボックスに入れていくかたちでいいよね」
「あ 確かに」
由美が手を打ちながら納得する
「ハンバーグ等は種を作るのを自動化できない?」
さちこが提案してくる
「工場の自動化機械を見せて貰えれば作れるかも」
そういう自動化機械はみたこともないから
イメージに沸かないが見せて貰えれば可能だと思い
そう答える
「悠 それなら…どこかの工場を撮ってきますか?」
ミアさんがそこで俺に提案してきた
「お願い出来ます? 種を捏ねる 規定分量にわける
あとはミンチにする 辺り?
焼くのは人の手がいいのかなぁ
あと プリンも自動出来るよね」
「わかりました 早速 やりますね」
ミアさんが地球に向かった
「この国の人口って…どれくらいいるのか
わからないから…どれくらい来てくれるかも
読めないよね」
「そうですね」
未来は頷く
「ゆきくん 全品は難しいから
食べてほしいものを優先した方がいいんじゃない?」
美穂が提案をしてきた
「それが無難かなぁ 大量生産出来る
牛丼は確定として
プリンも大量生産出来るはずだから
それも確定
とんかつなどは作れるだけ作って
期間中に…その場で作る
お店も何店かあればいいけど
協力的なところって…あやこさんとこだけ?」
「わたしのところは…はい するつもりです」
「それ以外がなんとも言えないとなると
葵さん お店 何店か…当てあります?」
「そうですねぇ 焼き鳥屋さんと弁当屋さん
当たってみますが…難しいかもしれませんね」
「ありがとうございます
来月は3日だけになりますので
焼き鳥屋さんとか弁当屋さんは来年の夏
2週間ほど こちらの世界でと言うことになるけど
賃金は用意します
というか 貯まってますし 金」
「はぁ…さちこのアイテムボックスにも
あるんですよね?
どれだけあるんですか ほんとに」
葵さんは呆れるように言う
「確認はしてないからわかりません
あと…ひまりさんのお父さんにも3日ほど
こっちで…居酒屋をやって貰えれば」
「はい 父は昨日のこともあるし引き受けるとは思います」
「あとは…地下室 どうします?
階層分けして…料理毎にわけます?」
「あまり広くするより…その方がいいですね」
葵さんが答えてくる
「りょうかいです
確認することは…これくらいでしょうか?」
それぞれ頷く
話の区切りがついたところで
ひまりと葵さんが俺に話しかけてきた
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