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223話 ひまり

由美視点です

朝 学校に行って席に座っていると

よその教室から誰かがやってくる

わたしは無関心に外を眺めていると

その子がわたしの席の前にやってきて

わたしに話しかけてくる


「あの…椛沢さんですよね?」


わたしは目の前の子を見上げる

わたしと同じくメガネっ娘だった


「はい そうですけど?」

「わたし…ひまり…昨日は父が色々とお世話になったみたいで

 その…ありがとうございます」

「あ…あぁ…弟からは名前は聞いてました」

「まさか…父が退職して居酒屋始めようとしていたなんて

 知らなくて…しかも退職金はだまし取られたなんて」

「あ ここじゃ…まずいから 屋上にでも」

「えっ? あ…はい」


ひまりちゃんが辺りを見る

わたしたちの方を見ているクラスメイトがちらほらいて

さすがに込み入った話はここじゃまずいと思ったみたいで

わたしと一緒に屋上に着いてきてくれた


「それで…お金は結局 弟…どれくらい渡したんです?」


細かいことは幸正くんから聞いてなかったので

確認してみることにした


「はい 20キロ貰ったみたいで…退職金よりも

 かなり多くて…その…わたしの学費もそうですけど

 なんてお礼を言ったらいいのかわからなくて」

「うん それは平気」

「でも、そんな金の塊を?」

「おじさんからどこまで聞いてます?」

「えっと…魔法使いとか異世界の人とか…そんな感じ」

「うん あ わたしは日本人ですよ?」

「はい 椛沢さんのことは…色々聞いてましたし…両親のこととか」

「他のクラスにも噂されていたのね」

「はい」


わたしの噂 気になるところだけど

それはおいといて…話を進めることにする


「わたしも魔法使えるようになってるから

 それとアイテムボックス…ひまりさんはラノベとか

 読んだりはする方です?」

「はい 運動音痴ですし読書の方が好きなので

 アイテムボックスの概念も理解はしてます

 もしかして…あんな感じでしょうか?」

「うん そう」


わたしは彼女の前でアイテムボックスを開いて

中から金の塊を取りだしてみせる


「こんな感じね 金の塊も向こうの世界で

 ダンジョンに籠もってゴールドゴーレム狩っているから

 アイテムボックスの中に貯まっていたりするの」

「……………すごい」

「おじさんに当初50キロ分 渡そうという話だったけど

 受け取り拒否されたみたいね」

「20キロでも十分な量だと思います」


ひまりちゃんが顔をひきつらせながら答える


「それで…おじさんに仕事頼むことにしたのは聞いてる?」

「あ はい 唐揚げとか…作って欲しいという話ですよね」

「うん わたしの友達 桜木さちこちゃんのことは?」

「はい 存じてます と言うか こっちのクラスでも

 男子が可愛いとか話してるのがちらほらと」

「やっぱり さちこちゃん 男子から見ると…」

「ちょっと羨ましい」


ひまりちゃんがうつむきながらぼそっと呟く

めがねかけているものも…顔立ち自体は

可愛い方だと思うからわたしはひまりちゃんに言うことにした


「さちこちゃんが可愛いのは…わたしも感じるけど

 ひまりちゃんも顔は可愛い方だよ」

「えっ?」

「十分 美少女だと思うから自信持った方がいいよ」

「そ、そう…はじめて言われた」

「うん 自信持とうね」

「…はい」

「それで…さちこちゃんの家 旅館なのも…ご存じ?」

「はい」

「その旅館の裏庭の地下に料理場を作る予定なの」

「えっ?」

「驚くよね 弟の能力だから…あの子はいろいろとんでもないから」

「弟…血は繋がってませんよね」

「うん わたし 向こうの世界で 弟の両親の娘になったから」

「どういうことなのです?」


ひまりちゃんが首をかしげる


「弟の前世がわたしのおじいちゃんの弟だったの 異世界転生ね」

「偶然ですよね」

「うん 偶然知り合ったというか 危ないところを助けて貰った

 こないだ 日本中で大騒ぎになった突然死のニュースあるよね」

「あ はい 神の祟りだとか言われてますね」

「それ 弟がやらかしたことだから

 わたしを襲って犯そうとした不法外人4人いたんだけど

 そいつらと関係者まとめて始末というのが真相」

「………むちゃくちゃ」

「でしょ あは」

「それで…桜木さんの家で料理をして貰うという感じでしょうか」

「おそらくは…そうなると思う 放課後 暇でしたら…ついてくる?」

「わたしですか? おじゃまじゃなければ…」

「うん 放課後に」

「はい」


わたしたちは時計を確認して

それぞれの教室に戻っていくことにする

教室に入ると、さちこちゃんがわたしを見ながら念話をしてくる


「なにかあったの?」

「昨日 バイト先で…色々と」


さちこちゃんに昨日の経緯を説明をする


「そんなことがあったのね それにしても…世間は狭いものだよね」

「そうだね 声をかけた相手の娘さんが 同級生だったとか」

「うん 放課後に…その子も連れていくんでしょ」

「うん 地下室の方は?」

「5時過ぎに作って貰う予定」

「と言うことは2時間はダンジョン?」

「おねえちゃんたちがどうなるかかな」

「そっか…」


放課後まで授業は大人しく受けて

放課後を迎えると

わたしとさちこちゃんは…外履きを履き替えて

ひまりちゃんを待っていると

ひまりちゃんがわたしたちをみて

慌てて駆け寄ってきて外履きに履き替える


「ごめんなさい 待たせてしまって」

「「大丈夫」」


わたしたち3人で

人気のいない場所に向かい瞬間移動を発動して

さちこちゃんの裏庭までやってくる


「すごい テレポート」

「すごいと思うよね わたしもはじめて体験したときは同じ感想だったから」


ひまりちゃんの呟きに

さちこちゃんも同意するように言うと

裏口の方に歩いて行きながら二人に


「わたし、おねえちゃん呼んでくるから」


と言い…家の中に入ってく

さちこちゃんを見送ったあと


「先に向こうにいってましょ」

「うん」


わたしたちは向こうの世界に向かうのでした

ここまで読んでいただいた方ありがとうございます

面白いと思っていただいたら

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