222話 拷問
おじさんを連れて俺と由美は
こっちの世界の家に戻ってきてエレベーターで地下室に降りていく
「幸正くん さちこちゃんと朝、会話していたことをもう作っちゃったの?」
「うん」
「はやいなぁ することが…」
「あの…その…瞬間移動でどこかの家に連れて行かれて
そこから扉をくぐるとまた知らない場所に?」
おじさんがキョロキョロしながら問いかけてくる
「ここは…ぼくの家の地下室です
で、金の塊は…」
俺はアイテムボックスから金の塊を取りだして
おじさんの目の前におく
「………魔法?」
「魔法と変わらないから魔法でいいです」
「夢見てる気分じゃ…」
「それで…詐欺師のゴミはどうしますか?
殺していいなら殺しますよ?」
「えっ? …殺すまではやらんでいいから
とは言え…近くにいるから
また絡んでくるだろうし」
「いたぶるだけでいいですか?」
「わしに二度と関わらないことを約束させて貰いたいかな」
「ちょっと お姉ちゃん ここで待ってて」
「あ どこに行くの 聞かなくてもわかるわ
詐欺師のところね」
「うん そのゴミも連れてくるから」
俺は向こうの世界に行き
おじさんの記憶から詐欺師を引き寄せる
詐欺師はなにが起きたのかわからないまま
呆然としてる様子だが俺は無視して
そいつを掴みながらゲートをくぐり
家にもどりエレベーターで地下室に戻ってくる
「お待たせしました」
「幸正くん はやかったね」
「ほんとに連れてくるなんて…」
おじさんが詐欺師の顔を見ながら驚いている
俺は詐欺師を天井から逆さづりにして
ファイアであぶりながら詐欺師を見る
「あつっ…あつい…あつい」
「おい ゴミ」
「な、なんだよ 俺をこんなところに連れてきて」
「お前が…このおじさんからだまし取った金はどうした?」
詐欺師は俺の言葉を聞いて
近くにいた…おじさんの方を見る
「な、なんで…ここにいる?」
「お前ぇ…わしの金どうした?」
「ふん とっくに使ってるわ 騙される方が悪いんだよ バカ」
おじさんは怒りに震えている
「おじさん こんなゴミなんだから生かしておいても無駄だよ?」
「それはそうだが…」
俺は火炙りをしつつ
ウォーターで詐欺師の顔を覆い被せる
「ごぼごほごほごぼごほ…」
30秒間したらウォーターを消す
「げほっ…げほげほけほっ…」
それを1時間ほど繰り返す
その間、由美は地下室から出て行き
お風呂などに入っていたが
俺は…このゴミをいたぶり続けていた
1時間後…吊るし上げていたのをおろして
「げほっ…げほげほっ…もう…やめて 許して
なんでも言うこと聞きますから」
「言うことですか?」
「お願いだから…もうやめて」
ゴミが泣きながら俺に言う
「謝ってすむなら警察なんていらないですよね?
もっとも…警察も信用出来ませんけどね」
「なっ…」
「あのぉ…やり過ぎではないでしょうか」
おじさんが俺を見ながら困惑そうに言う
「こんなゴミどもは改心なんてしないんだから
徹底的にやった方がいいんですよ」
「も、もう…許して…」
「今までどれくらい詐欺をやりましたか?」
「………たくさん」
「おじさんのときが初犯ではないですね?」
「はい」
「ならば…繰り返すね と言うことは生かしておくだけ無駄ですよね?」
「ひっ…い、いや…いやや…死にたくない…死にたくない…死にたくない」
暴れ始めるゴミに蹴りを入れる
「あばれんな おい」
「ひっ おねがいです おねがいですから…」
「何の罪のない人を騙して金を取って…のうのうと暮らす?」
俺はゴミを睨み付けながら
特大のファイアボールを作り出す
「ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい
………」
精神崩壊しつつあるこいつをみて
「いかしてあげましょうか?
マーカーでチェックはつけておきますので
まだ犯罪をやらかしてみなさい
そのときは即死ですからね? いいですね?」
「はい もうしません ごめんなさい ごめんなさい…」
謝り続けているゴミは放置で
俺はおじさんの方を見る
「これで犯罪は起こさないはずだと思います
もっとも…犯罪を働いた瞬間に即死を発動させるようにしておきますけどね
それと…このゴミと連んでいる犯罪者どもも巻き込んで即死するように
設定しておきましょう」
「はぁ…やり過ぎです みていて可哀想に感じました」
「こういうゴミは改心しないでしょうから
徹底的にやらないとダメなんです」
「なんて言うか…詐欺師に恨みでもあるのです?」
「そうですね なくないですね」
「はぁ…でも、少しすっきりしました」
「それならよかつたです それで…どうしますか?」
「あ はい 唐揚げとか作って欲しいとのことですよね」
「はい 来月と来年夏に…この国の国民相手に
唐揚げとか焼き鳥とかとんかつを提供する
食の祭典があるのですが
作れる人が限られていて人手不足でして
なにせ…唐揚げなどの食文化が
この国にはないので…」
「わしひとりじゃ…作れる数が限られていますけど」
「そうですね 他にも雇うつもりですが
どうします?」
「ここまでやっていただいたので…引き受けます
ただ…6億もいらないです」
「そうですか…10キロ辺りでいいのです?」
「10キロですら1億以上じゃないですか?」
「娘さんのこともあるでしょ」
「そうなのだけど…わかりました 受け取ります」
「じゃあ、20キロ受け取ってください」
「増えてますって…」
おじさんが顔を青くしながら言う
「2億あれば足りますよね」
「それは 足りると思う」
「とりあえず、日本に戻りましょうか」
「はい」
おじさんとゴミを連れて
ゲートをくぐり日本に戻ると
ゴミを元の場所まで送り届ける
「いいですね?」
「ひっ 許して」
「二度と詐欺とかしないことを誓いますか?
仲間の犯罪者とも二度と共犯もしませんか?」
「し、しません 誓います 誓います 誓います」
「破ったらいいですね?」
再度 ゴミを睨み付けながら脅す
「はい…」
ゴミがふらふらと街中を歩いて行ったのを見届けたあと
「おじさん 家の場所 思い浮かべてください」
「あ はい」
おじさんの記憶を覗いて
家の場所を確認すると俺はおじさんを連れて
おじさんの家にいく
「おそらく 明日の午後に また会いに来ますので」
「はい 午後でいいのですか?」
おじさんが首をかしげながら問いかけてくる
「明日の午後に…こちらの世界で
料理場を作る予定でして…
お姉ちゃんの友達の家の敷地内に
地下室を作る予定なのだけど
そこで働いて貰う予定です」
「はぁ…あの店員さん 高校生ぐらいですか」
「16歳ですね」
「そうですか 娘と同い年だったのか…」
「娘さんはどこの学校?」
「甲子園で優勝した高校じゃな」
「それって…おねえちゃんと同じ学校じゃ?」
「えっ? あの店員さん そうだったのか
あの店員さんの名前…聞いていなかったのだが
坊主の名前は会話していて聞こえていたから
覚えたが…あの店員さんは?」
「おねえちゃんは…椛沢由美 それで…おじさんの名前は?」
「ごめん 名乗ってなかったな 佐々木拓郎じゃ…娘はひまり」
「拓郎さんですね ひまりさんのことはお姉ちゃんに確認しますね」
「店員さんによろしくな」
「はい それじゃ、ぼくは帰ります
11時過ぎちゃったし…お母さんに怒られる」
「気をつけて…と言わなくても大丈夫か
明日は午前中にお金を換金してきます ありがとうございます」
「いえいえ その代わりに働いて貰いますので」
「はい」
「それでは おやすみなさい」
「おやすみ」
俺は家に帰宅すると
案の定、母親が目くじら立てて怒鳴ってくる
「あなたね 今何時だと思っての?」
「11時」
「明日も学校なんだから寝なさい」
「うん おやすみなさい」
「おやすみ」
俺は部屋に戻り布団に入るのだった
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