220話 姉に相談
さちこ視点です
わたしとあやこちゃんは
地下練習場にて1時間以上
剣道と言っていいかあやしいけれど練習を続けていた
刀の持ち方、構え方からはじまり
打ち合い、最後の方はビットありでの
実戦形式での模擬戦をして汗を流す
「ふぅ…あやこちゃん のみ込み早いよね」
「いえ スキルの影響もあると思います」
「それもそうか わたしも感じてるもん
向こうの世界で小学校までは剣道をやっていたけど
才能のなかったから中学上がったあとから
やめちゃったからね
今のわたしの能力って…ずるなんだろうなって」
「あっちの世界って魔法とかないんですよね?」
「うん ここより科学は発展している世界だけど
考えようによっては…ここの方が安全だと思う」
「そうなんですか? 魔物とかいないのに?」
「魔物もダンジョンも魔法もないけれど
政治家はクソだらけだし…教育機関も同様だし
何から何まで自国を陥れる連中ばかりだもん」
「悪い人だらけなの?」
「そうだね…若い人たちは今の日本に希望なんて
もててないと思う」
「そうなんだ おねえちゃんはどうするの?」
「どうしようかなぁ まだ考え中」
高校卒業後どうしようか迷っている
ゆみちゃんは…こっちの世界で働くようだけど
わたしはどうしようか決まらない
旅館は…お兄ちゃんが後を継ぐ予定だから
わたしは別に自由にさせて貰っているけれど
どうするのがいいのか…わからないというのが
実際のところだったりする
「さて…そろそろ時間だから…上に戻りましょ」
「うん」
わたしは時計を確認しながらあやこに言うと
ふたりで上に戻っていく
居間に戻ってみると幸正くん達も狩りから戻ってきていたようだった
「幸正くん達もおかえり」
「「「「うん」」」」
「そろそろ時間だから帰るね」
「「「「また明日」」」」
幸正くん達と挨拶をしてから家に帰り
自室に戻って宿題等をすませたり、夕ご飯等をすませて
一息ついたあと…お姉ちゃんの部屋に向かう
ドアをノックしてから
「おねえちゃん 相談あるんだけどいい?」
「うん? 中に入って」
「ありがと」
中に入り向かい合うように座り
話を始めることにする
幸正くんとの会話の内容を一通り話し終えると
おねえちゃんが口を開く
「なるほどね 人手不足を雇用したいという話なのね」
「うん お金はなんとかなるし」
「そうね さちこのアイテムボックスの中に
どれくらいの金が収納されているのかわからないけど
換金すればいいだけの話になるしね」
「家で雇うのがいいのか…別会社を作るのがいいのか
わからないけれど」
「うーん 今回は…この家で雇うかたちにしましょ
それにしても…裏庭の地下に料理場を作るなんて
無茶苦茶だよね その子」
「あはは それで…明日の午後 空いてる?」
「向こうの世界に連れて行ってくれるってこと?」
「うん」
「わたしも、気になっていたから…ぜひ」
瞳をキラキラさせながら
おねえちゃんがそう言う
「それで…お父さん達に…地下室の件」
「そうね 事務室に行って説明しましょ」
おねえちゃんとふたりで事務室に向かうと
お父さんとお兄ちゃんがわたしたちを見て話しかけてくる
「二人揃って…ここに来るってめずらしいな」
「さちこ 冬物衣装の件はし○○らと交渉中だから」
お兄ちゃんが冬物の件を先に言ってくる
「うん ありがとう
それにも関係してるんだけど…」
わたしとおねえちゃんは地下室やバイトの件などを説明する
「ふむぅ…裏庭に地下室か」
「工事費いらないなら…別に問題はないと思うが
魔法を電力にしているのは
あまり周知させないようにしないとな」
「そうだな ただでさえ 換金して資金力も
とんでもなくなっているから
あちこちから狙われてしまいがちだからな」
「幸正くんに敷地内を防衛する対策も施して貰う?」
「そうして貰えるのはありがたいけど
どうするつもりだ?」
「悪意ある連中は入って来れなくさせるとか
それくらいでしょうか」
「なるほど」
「それで…地下室は明日頼むけど
明日の夕方に作ってもいい?」
「彼が暇ならば…」
「明日は俺も挨拶するから」
お兄ちゃんがそう言う
「うん」
一通り話がまとまると
わたしは部屋に戻りながら幸正くんに念話を送る
「ちょっといい?」
「うん」
「明日 お兄ちゃんとお姉ちゃん挨拶したいって
あと 地下室も許可とったから」
「わかりました 夕方 そちらに向かうかたち?」
「そうね 放課後はいつも通り
わたしとゆみちゃん あと…おねえちゃんつれて
そっちに行くから」
「はい」
「あと 敷地内に防衛対策 頼んでいい?」
「うん 悪意ある連中が入ってこれないようにするだけ?
拘束して自白させて…それを動画に保存出来るようにする?」
「さ、さすがに…やり過ぎだから」
いつも思うけど…この子 やり過ぎなところありすぎる
「そうですか 詐欺師とかは徹底的にやった方がいいだろうに」
「悪党に容赦ないよね 幸正くんって」
「嫌いですから そういう連中」
「あはは ともかく…明日ね」
「はい」
幸正くんと念話を終わらせて
時計を確認する
9時前…お風呂に入ってしまおうと思い
お風呂の準備をするのでした
ここまで読んでいただいた方ありがとうございます
面白いと思っていただいたら
ブックマークや評価つけていただいたら嬉しい限りです