19話 両親との会話
短めです
月宮の敷地内に設けられている俺たちの家に戻ると
両親が疲れたようにぐったりとなっていた
「雲の上の人と謁見なんて心臓に悪い」
「そうですね ふぅ」
「お父さん お母さん お疲れ様」
「幸正 これからここに住むんだが俺たちやっていけるのだろうか?」
「心配だわ…」
「今まで通り畑仕事ですよね」
俺がそう聞くと父親が困惑そうに
「そうなのだが…」
「お父さん 品種改良はうまく出来ますか?」
「自信はないがやりがいはある仕事だとは思っている
任された畑もかなり広いし頑張るつもりだ」
「それはそうとして…幸正」
母親が俺に含み笑いをしながら話しかけてくる
「なんでしょうか?」
「あなた みほちゃんと未来様 どちらを選ぶつもりなんです?」
返答に困ることを言われてパニックになり
「それは その」
「普通に考えたらみほちゃんになるよね」
母親が美穂の名前を口にすると
俺は赤くなりうつむいてしまう
「はぁ…わかりやすいわね しかし…こまったわね
未来様も諦めてないようですし…
大人になるまでちゃんと考えなさい」
「はい」
確かに…未来のことちゃんと考えないとダメだと思う
家の都合で嫁ぎ先を選ばれてしまう
前世日本の平民の感覚としてはかわいそうって思う
だからといって二人とも迎え入れることは出来ない
一夫多妻制じゃないわけだから
この国も…
話を変えようと俺は両親に一つきいてみる
「お父さん お母さん もし、日本に遊びに行けるとしたら
行ってみたいでしょうか?」
「「日本に?」」
「幸正の前世の世界の国だよな」
「はい」
「興味はあるが…可能なのか?」
「出来なくはないです ただ、日本のお金をどうするか…です」
「こっちのお金は使えないわけだからな」
「はい 日本で換金しないとなので」
「換金となるとどういうものがいいのだろうか」
宝石類はだめだ 日本で換金するのはまず無理
出所不明の宝石は換金出来そうにないようだし
金が1番安定した価値になっているわけだが
100グラムぐらいで約30から50万という記憶がある
「1番安定した価値があるのが金になります」
「金か…俺たちのお給料で金を購入して
それを日本で換金になるのか?」
「それが1番無難だと思います」
「わかった お金が出来たら旅行に行こうか 美幸もいいな?」
「えぇ…あ…宗人さんと絵美さんも誘わないとね
みほちゃんもいないとね」
母親が俺を見ながらそう言う
俺は赤くなりながら父親に野菜などの話をする
「日本での品種改良された野菜や果物も買い付けは?」
「なるほどな 参考に出来るか 日本のもので」
「はい」
こうして日本旅行の約束を交わすのだった