209話 試食 甘いもの 1
「ここからは甘いもの中心になります」
母親がそう言うと各自に
小分けしたプリンを配っていく
「まずはプリンです」
ここまで黙って食べていた和菓子屋さんの職人さんが
目を光らさせるとプリンを食べ始める
「口当たりの滑らかさもあり
硬くもなければ柔らかすぎることもない
卵焼きとは別ものなんですね」
そう呟いたのを聞いた
かえでか和菓子屋さんの職人に回答をする
「はい 卵 牛乳 砂糖が基本材料です
お菓子関係は…ぼたんさんにかわりまして
わたしが引き受けます」
「なるほど…甘さも抑えめなのですか?」
「下の方にキャラメルソースが敷かれていますので
それとあわせて食してみていただければ…
また、お好みにあわせて
トッピングに生クリームやハチミツを
かけるのもありです」
「えっと…生クリームとは何でしょうか?」
和菓子屋さんの職人が首をかしげながら
かえでに問いかけると
かえではアイテムボックスから
生クリームと遠心分離機をとりだして説明を始める
「こちらが生クリームです
温めた牛乳を…こちらの遠心分離機にかけて
固体と液体に分離させます
固体の方はバターになり、液体の方は
砂糖を加えて生クリームを作ります
よければ食べてみてください」
かえでが生クリームを各自の皿に
少量ずつおいていく
面々がそれを口にすると
子ども達から一斉に感想が漏れた
「甘くておいしい」
「「「うん」」」
「これ…色々使えそうよね」
「だね」
和菓子屋さんの職人も食べて…あれこれ考え込んでから呟いていた
「和菓子にも使えそうだな」
俺はそこで和菓子屋さんの職人に話しかける
「日本では…どら焼きの中にもあんこと生クリームを
混ぜたものとかも使ったりもしてました
おねえちゃん さすがに…生どらなんて…アイテムボックスにないよね?」
「うん 生どらは買ってなかったからないけど
アイテムボックスにあるものだと
うーん たい焼きとか中華まんとか
あとは…苺大福も入ってるね 食べますか?」
由美がアイテムボックスを確認しながら
入っているものを言っていき
和菓子屋さんの職人さんに試食を問いかけていた
「よろしければ…いただきます」
それを受けて由美はアイテムボックスから取り出していき
「かえでさん これら…切り分けお願いします」
「はい かしこまりました」
かえでたちが切り分けていき各自に配り終えると
それぞれ食べ始める
「この…たい焼きってあんこなのね
外側のは…どら焼きの皮とも違う感じだけど」
夢子が食べながら呟くと由美が答える
「たい焼きの皮もどら焼きの皮も
基本的な部分は変わらないと思います
で、中のあんこですが…日本では
あんこだけでなく…色々使われてます」
「たとえばどのようなものです?」
「カスタードクリームを入れたものもあります
カスタードは…このあと
アップルパイの試食でも話題になると思います」
「アップルパイ…」
夢子はアップルパイというのを
どんなものなのか浮かべながら呟く
和菓子屋さんの職人さんは
苺大福の方を食べると由美に問いかけてきた
「大福の中にいちご…こんな発想ありませんでした」
「斬新ですものね この発想
日本では…苺だけじゃなくて
みかんを入れたりとか…あります」
「あんこの中に果物…意外とあうものですね」
「はい はじめて作った人がすごいと思います」
「そうですね はい」
また…中華まんを食べた男性陣からは
「まんじゅうの中に肉なんて…」
「こんな組み合わせもあるんだなぁ」
「和菓子屋さんの職人さん これは作れます?」
江藤食堂の店主さんが和菓子屋さんの職人さんに問いかけると
和菓子屋さんの職人さんは考え込みながら
「すぐには難しいとは思うが
やってみることにする」
「「「楽しみにしてます」」」
由美がとりだしたものも
一通り食べ終えたのを見計らうと
かえではアイテムボックスから
アップルパイを2種類とりだして
母親達と一緒に切り分けていき各自に配る
アップルパイの試食に移るのだった
ここまで読んでいただいた方ありがとうございます
面白いと思っていただいたら
ブックマークや評価つけていただいたら嬉しい限りです