表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
211/506

208話 試食 焼き鳥 唐揚げ ハンバーグ モツ

母親が焼き鳥を促しつつ説明を始める


「用意してあるのは…もも肉とネギの串

 心臓…ハツと言いますがハツの串

 他には肝臓、軟骨、皮となってます

 醤油タレと塩焼きの2種類用意してます」


それぞれ食べ始めていくと

桜庭の人が最初に感想を言い始める


「もも肉のは…普通にお店でもありましたが

 心臓や肝臓まで食べるのは習慣になかったので

 新鮮ですね そして…軟骨はコリコリ感があり

 これはこれでおいしいですね」

「んだなぁ 焼き鳥自体はめずらしいものじゃないと思うが

 心臓などはめずらしいな」

「えぇ…皮は皮でプニプニしていて

 噛むと弾力もありますよね」

「だな」


桜庭の人の感想に続き

うどん屋さんの店主さん そば屋さんの奥さんと店主さんが続く


「わたしは…皮が好き」

「「「ぼくも」」」


あやこの言葉にたけし、健二、一馬が同意して言う

夢子とかおりはというと


「醤油と塩で印象も変わりますね」

「どちらもおいしいですが…お客様の好みにあわせて

 2種類用意するのが無難ですね」


お店で出すことを考えての感想も述べていた

次に唐揚げを用意し始めると母親が説明を始める


「焼き鳥に続きまして…同じく鶏肉を使ったもので唐揚げです

 一応、1串に3種類の鶏肉を刺しています

 火の鳥、コカトリス、雷鳥と上から順になってます」


それぞれが唐揚げを上から順に食べ始める


「先ほどのチキンカツと同じ感じで

 火の鳥のはもさもさ感があるよね」


かおりが食べながら呟く


「うん 火の鳥は好き嫌いわかれそうですね」


夢子もかおりの言葉に続く


「真ん中のコカトリスのは肉汁もあるね」

「「うん」」


あやこの言葉に夢子とかおりが頷く


「最後のは雷鳥でしたっけ これはすごい肉汁おおい」

「うん」

「これが1番好きかも」


健二の言葉にたけしが頷いて一馬が1番好きという

大人達も似たような感想を述べていて

男性陣は雷鳥が好みで女性陣はコカトリスが好みという結果になった


「そうすると…火の鳥は無視でいいかな?」


俺はこの結果を見て呟く


「そうですね 火の鳥は人気なさそうですし

 無理に狩る必要性もありませんね」


未来が俺の言葉に続いた

唐揚げが終わると次に母親達はハンバーグを配っていく


「ハンバーグです ブラックホーン7と暴れ大猪3の割合で

 合い挽き肉を使ってます 煮たものと焼いたものの

 2種類用意しました」

「2種類の肉をあわせる手法もあるんですね」


母親の説明に…やはり桜庭の人がが真っ先に食いついてた

この人 料亭の料理人だけあってか

色々と料理に興味津々みたいだ


「はい 挽き器も幸正に頼んで作り出して貰ったので

 ずると言えばずるなんですが…」


母親が俺の方を見て答える


「ハンバーグを食べたいと言ったのは…ぼくだから

 とんかつもそうですが…ハンバーグも

 パンに挟んで食べると言うのもあります

 たけしくん とんかつの作り方 覚えれば

 カツサンドも…お店で出せると思います」

「あ はい そうですね

 サンドイッチの方は試行錯誤まだしているところなので

 参考にします」


各自ハンバーグを食べていくと

桜庭の人が食べながら感想を述べる


「煮たものと焼いたもの…どちらかと言えば

 煮た方が味が染みこんでいますね」

「焼いたのも…おいしいのですが

 煮た方が安定してる感じに見えます」

「そうですね 火の通り具合とか

 焼いたものは焦げてしまっているところもありますし

 わたしも煮た方が好きですね」


桜庭の人の感想に

うどん屋さんとそば屋さんの奥さんが続く

子ども達の方は総じて煮た方を好みだった


「それで…醤油のほかには

 どんなものがいいのです? ハンバーグは」


桜庭の人がさらに質問してきた


「トマトソースや大根おろしに醤油などもあります」

「トマトソースというのは? トマトジュースを使ったものなのです?」

「トマトをそのまま煮込んで醤油やみりん等で

 味を整えたものを使ったものです」

「なるほど」


桜庭の人の質問に母親が回答するかたちになった


「ここまでですが…ぼたんさん達…モツは作ってます?」


母親がぼたんをみて申し訳なさそうに聞くと

ぼたんはアイテムボックスから

小腸と野菜の炒めものをとりだして机に置き


「はい アイテムボックスに入れてありましたので

 こちらです ブラックホーンの小腸と野菜を炒めたものです」

「ぼたんさん 助かるわ ありがとう」

「いえいえ」

「あの…小腸って臭みはどうしたのです?」


桜庭の人がぼたんに問いかけてくると


「まず、わたしたちが使っているアイテムボックスの機能で

 ブラックホーン解体を自動的に行います

 そのあとで小腸の臭み取りをしますが

 これが…本当にめんどくさい作業になります

 なので…専門職を作って貰おうと

 ゆかり様が動いてくれてます

 来月の食の祭典の目的の一つは

 こういう料理を食べて貰うことで小腸の下処理などをする

 お仕事の必要性を国民の皆さんにわかって貰うためでもあります」


ぼたんが説明していくと

集まった各お店の人たちは唸りながら考え込んでしまう


「そういう理由での食の祭典だったんですね」


夢子が納得の様子で言う


「食べるのが怖いかも知れませんが…食べてみてください」


ぼたんが促すと…それぞれ食べ始める


「味噌味なんですね 弾力がすごいです」

「はじめて食べる料理だけど…これもおいしいよね」


健二とかおりが感想を言う


「野菜も…こんな感じなら 食べやすい」


あやこが野菜を食べながら言う

大人達もおいしそうに食べているのを見て一安心


「小腸と野菜の炒めものは…めんどくさい料理だから

 限定何食という形がいいと思います

 ゆかり様 どうです?」


俺がゆかり様に聞いてみる


「えぇ…作る手間もありますし

 さすがに…何万人分も用意するのはむずかしいですからね

 牛丼やマグロ丼は数を出せると思いますが

 それ以外はどうしたものかと…」


ゆかり様がかなり悩んでる様子だった

美穂達が一区切りしたのを見計らうと話を始める


「それにしても…いろんなの お母さん達と

 作ってきたよねぇ あらためて見返すと…すごいわ」

「そうですねぇ 1ヶ月足らずというのに

 次から次と…美幸と絵美には感服させられますね」

「おばさまだけじゃなくて…わたしたちも

 色々作ってきたよね」

「「うん」」

「あらためて…お母さん いろいろありがとう」

「幸正…ううん わたしも楽しんでいたから 料理」


母親が俺の頭を撫でながら微笑む


「さて…お口直しにぼたんさんが持って来た

 味噌汁も飲んでからデザートに」


母親が気を取り直してそう言うと

それぞれ、味噌汁も口にする

うどん屋さんの店主さんがわかめを食べて母親に問いかけてきた


「これも海草なのです?」

「はい 昆布とは違う海草です」

「普通に海の中に生えているんですよね」

「はい 幸正達が結界を張ったので

 海からも魔物が追いやることは出来てると思いますので

 海の幸を獲る職業も増えてくれることを期待したいのです」

「なるほど そうですね 出汁は昆布でしょうか?

 今までと味噌汁の味も変わってて新鮮な感じです」

「はい 昆布出汁を使ってます

 昆布出汁もうどんやそばの汁に使えると思います」


ぼたんがそう答える

それを受けて…そば屋さんの店主と

桜庭の人も決意したようにぼたんにお願いをしてくる


「昆布やわかめも…俺にも譲って貰えませんでしょうか?」

「おなじくで…」

「はい アイテムボックスには沢山入ってますので」


俺は桜庭の人に声をかける


「えびとイカも数匹…持ち帰ってもいいですから」

「えっ? よろしいのですか?」

「えび天を作ってみて下さい 送っていくのは

 侍女さんでしょうから侍女さんに任せます」

「かしこまりました 桜庭の職人さんと夢子さんは

 わたしが送り届けます」


さくらがそう答える

味噌汁を飲み終えて一息つくと

母親達が次の試食品にとりかかっていた

ここまで読んでいただいた方ありがとうございます

面白いと思っていただいたら

ブックマークや評価つけていただいたら嬉しい限りです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ