表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
204/506

201話 うどん屋とそば屋さん

続く3時間目の授業が終わった休み時間にも

ふたりほど同じように教室にやってきた

俺たちは教室から出て、ふたりの元に歩み寄ると

ふたりとも頭を下げつつ自己紹介をはじめる


「白井パン屋さんの息子さんから聞きまして

 こちらに足を運びました 両親がうどん屋を営んでいます

 大森健二と言います 5年生です」

「同じく白井パン屋さんの息子さんから聞きまして

 わたしの家の方は…そば屋を営んでおります

 吉田かおりと申します 大森さんと同じ5年生で

 クラスも一緒でして…」

「「「「こちらこそ よろしくお願いします」」」」


俺たちも自己紹介をしたあと

桜庭、江藤の時と同じように未来が説明を引き受けていた


「「なるほど…」」


ふたりとも未来の話を聞きながら

納得した表情になる

一通り未来の説明が終わったのを見計らってから

俺はふたりに話しかける


「うどん屋さんとそば屋さんですか

 家ではご飯ものは…お品書きにあります?」

「ご飯ものは…一応は出せる状態にはなってますけど

 メインが…うどんでして」

「わたしの家も…同様でして」


ふたりが…そう答える

そこで美穂が口を開いて提案をしてきた


「うどんもそばも…牛丼の具を載せても

 いいんじゃない? ねぇ? ゆきくん」

「そうだね 肉うどんとか肉そばとか…あってもいいだろうし

 カツ丼は…日本だとそば屋さんにもメニューとして

 あったりするお店もあるけど」

「カツ丼は…そういえば…まだ作ってなかったよね」

「手間かかるから…簡単なものを頼んでしまうこと多いから ぼく」

「あの 牛丼やカツ丼というのは?」


大森が気になったみたいで聞いてくると

未来がウインドウを展開させてカツ丼や牛丼の写真を

ふたりに見せていく


「牛丼は牛肉を使ったもので

 カツ丼は豚肉をとんかつにしてからとんかつを卵で

 どしたものをご飯の上に載せたものです」


芽衣が説明をしていき

それに合わせて未来が写真を色々と表示させていく

すると大森が手をあげて質問してくる


「質問ですが…牛丼の作り方で他の肉を使うのはダメなのでしょうか?」


俺はそれを受けて数秒考えた後で答える


「ぼく個人的な意見です」

「はい」

「牛肉を豚肉に変えた場合は豚丼になります」

「なるほど」

「同じ調味料を使ったとして

 牛肉と豚肉では味も違いますし

 牛丼は牛肉だからこそ…おいしいと思うのです

 豚肉を使うなら…ぼくとしては

 カツ丼の方が好きなので」

「味の違い…ですか うーん」


大森が俺の言葉を受けて悩んでいるようだ


「大森さんと吉田さん 放課後は?」


一応ふたりにも確認のために聞いてみた


「3時過ぎに終わって…そのあとは予定はありません」

「わたしの方も同じです」


ふたりがそう答えると美穂達が俺を見て


「じゃあ、3時に一度校門に瞬間移動でいいんじゃない?」

「そうですね 桜庭さんも3時」

「一馬くんは…わたしたちの誰かが両親あわせて連れてくればいいと思うの」


俺は…ふと思いついたことをふたりに言う


「あ おふたりの住所 教えて貰えます?」

「あ…そっか 住所を元に深愛様に場所特定して貰って

 瞬間移動すれば…両親もまとめて連れてこれるね」


俺の言葉に美穂が意図を読んで口にする


「両親も…言われてみれば試食に

 お父さん達いないと…」

「わたしたちだけ食べても…2度手間になっちゃうね

 わかりました」


未来がふたりに紙とペンを渡すと

ふたりとも住所を書いて未来に返すと


「「放課後 校門に待ってますので」」

「はい 桜庭夢子さんもいると思いますので…

 ぼくたちは3時過ぎに来ますけど

 待たせちゃったらごめんなさい」


俺はあらかじめ謝っておくと

ふたりとも手を振りながら「いえいえ」とする

こうして話がまとまると

ふたりとも教室に戻っていくのだった

俺たちも教室に戻り少しだけ会話をする


「白井さん すぐ動いてくれたね」

「そうですね しかも4人も…」

「ありがたいですよね」

「うん たけしくんにはお礼言わないと」

「「「うん」」」


こんなやりとりをしていると

クラスメイトの女の子が俺たちのところに寄ってきて

話しかけてくる


「未来様たち なにか始めるのですか?」

「えっと…あやこさん 確か…あなたの家も飲食店だったかしら?」


未来がその子の顔を見てそう返事をする


「はい 定食屋を…お父さん達がしてます

 それで…なにかあったのですか?

 今日は立て続けに…みなさんを尋ねてきた上級生の方いましたし」


気になっていたらしく…それで声をかけたみたいだった

俺はあやこにも説明をすることにした


「来月に食の祭典を…また来年夏にも国主導で開催予定で

 あやこちゃん こないだ…ぼくのお母さん達が作ってきた料理

 食べたよね」

「うん とんかつもどき マグロ丼 どっちもおいしかった」

「それを食の祭典で国民のみんなに食べて貰おうというのが

 開催の目的なんだけど…作れる人が足りなすぎて

 それで…上級生の方に飲食店している親がいる人を

 紹介して貰ってたの」

「なるほど そしたら…わたしの家もお手伝い出来るんじゃない?」

「手伝って貰えると…ぼくたちとしては助かる」

「じゃあ、お父さんに伝えるけど…上級生の方

 放課後に集まるの?」


どうやら廊下の話を聞いていたらしい

未来があやこに受け答えをする


「3時頃に全員集めて試食をして貰う予定です

 それで…学校終わったら江藤さんの定食屋にも

 江藤さんと一緒に行く予定になってます」

「江藤さんのところって…わたしの家からそんなに離れてないから

 わたしの家にも寄ります?」

「そうですね そうします」

「わかりました 4時間目終わって放課後に

 未来様達と一緒に帰ることにしますね」

「「「「うん」」」」


思わぬところで人手が追加出来そうで

ありがたい限りだった

俺たちは各自、家の方に念話を送り

お昼少し遅くなることを伝える

俺は俺で母親にとんかつと唐揚げを

アイテムボックスに作り置きがないなら

作って欲しいって頼んだ

ここまで読んでいただいた方ありがとうございます

面白いと思っていただいたら

ブックマークや評価つけていただいたら嬉しい限りです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ