199話 呼びかけ
たけし視点です
ぼくは早めに登校をしていた
メモ帳を手にして各学年にいる
和菓子屋、定食屋、料亭、うどん屋、そば屋などなどを
経営している両親がいる生徒をメモに書いてあるので
それらを見ながら何年何組にいるのか
一人一人確認していた
1時間目がはじまるまでは
その作業に時間がとられてしまって
声をかけるまではいたってなく
1時間目の授業終了後に
まずは、3年生にいる定食屋の息子のところに向かってみた
教室の近くに来て近くにいた生徒に声をかけてみる
「あの…江藤一馬くんに用があるのですが…」
声をかけた生徒がぼくのことをみて
上級生と判断すると慌てて呼びに行く
「はい 呼んできますので」
しばらく待っていると教室の奥から江藤くんがやってきた
「えっと…ぼくに用事があると聞いたのだけど…
先輩になにか粗相を働いていたのでしょうか?」
怯えながらぼくの顔色をうかがってくる江藤くん
「あ そんなに…怯えなくてもいいですから
用事というのは…君の両親に用事があるんです」
「お父さんたちに? 定食屋しているのですけど
出前でも頼むのでしょうか?」
「ううん 加賀幸正くんは知ってますよね?
こないだの あれ 全国民にむけてやってるようだから
映像は見えていたとは思いますが」
「あ…はい なんというか…すごいと思いました
怖いというのも少しはありますが
あれは…悪い人相手だからですよね」
「うん あれは邪神教教団が攻撃してきたからですからね」
「はい それで…幸正くんが何か用事なのです?」
「うん そう 料理が出来る人たちをできるだけ集めてほしいというのが
幸正くんからの頼みで…それで…江藤くんの定食屋も
ぼくが把握していたので声をかけたということです」
「料理…何か作るのでしょうか?」
「来月に食の祭典というお祭りを開催する予定になっていて
それで来月は…この首都のみですが来年夏に全国規模の開催も予定でして
料理出来る人の数が不足しているというわけで」
「そうですか…ぼくの家 何の変哲も無い定食屋なのですけど
それでも大丈夫なのでしょうか?」
一馬くんが不安そうにぼくをみる
「大丈夫です むしろ 江藤さんにもメリットあることだと思うので
お父さん達に話を通して貰えたら…
気になるのでしたら…幸正くんのところに顔を出してみては?」
「はい 次の休み時間に…行ってみることにします」
「よろしくお願いしますね ぼくは…もう一人 声かける予定の人に
会いに行きますので」
「それって…誰のところでしょうか?」
「料亭を営んでいる人の娘さんかな 6年生みたいですが」
「大丈夫なのでしょうか 白井先輩より上の人ですよね?」
「だいじょうぶです 一馬くんは一馬くんで幸正くんに」
「はい…」
そうして、ぼくは一馬くんのところを後にすると
6年生のクラスのところへ向かうのだった
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