191話 パイ生地作り
俺たちは裏庭に移動する
そしてキッチン台をアイテムボックスから
かえで達4人と母親がとりだして設置する
それをみて俺はその辺に屋根や壁を作るように土魔法を使う
「ゆきくん 屋根など作ったのね」
「さすがに11月だし寒いだろうし…」
「確かに うん」
かえで達がとりだしたキッチン台を
白井さんが眺めながら二人に聞いてくる
「コンロやオーブン…色々揃ってますけど
ガスを使わずなのでしょうか?」
「はい 魔力を電力に変換しているみたいです」
「それ以外は…日本の電化製品と同じ仕組みなんですよね?」
ぼたんが俺を見ながら確認してくる
「うん そんな感じに作ったから」
「これは販売されてなく…幸正様が?」
「はい いずれは…似たようなものを家電会社に
作って貰うつもりですが」
「うーむ…なんと言いますか
すごく羨ましく感じます こういうものは」
白井さんが羨ましそうにキッチン台を見つめていう
「できる限り一般化出来るように…お願いはするつもりです
それに…薪やガスと言った資源も無限ではないですし」
「そうよね 電気を作るために火力発電などを
多用していて公害を引き起こした日本の過去の歴史も」
「かといって…太陽光発電は…あれはあれで
失敗だよね 中国に依存というより
日本を売り飛ばす議員どもの策略でしょうけど
酷いものだよね」
由美とさちこが俺の言葉に続いてぽつりと言う
「こちらでは魔法もあるし
ダンジョンにいる魔物から魔石を採取して
魔石から電力へ変換も出来ているようだから
日本のようにエネルギー問題がまだ深刻にはなってないとは思いますが」
「なるほど…」
白井さんは難しい顔をしてしまう
それをみて由美が話を変えるように
「さて アップルパイ作りですね
かえでさんたちもいるのでふたつにわかれましょ」
「白井さんやお弟子さん達も作り方覚えて貰うので一緒に?」
「はい あと あ メモは家内にとって貰うことにします」
白井さんの奥さんが紙とペンを手にして用意をする
キッチン台が5つあるので5つのグループに分かれることになった
母親と由美と白井さんとたけし
絵美と美穂とさちことお弟子さん一人
かえでとかすみとお弟子さん一人
ぼたんとさくらと芽衣と未来と言った感じに分かれる
俺は混ざらず見てる側になるが
母親達に確認する
「ぼく 暇なので…りんごを煮詰めておくけどいい?」
「幸正 そうね 手があいてるなら
そうしてくれると助かるかも」
母親がそう言ってきたので
俺はりんごの皮をむいて切り分けていく
母親達はパイ生地作りに取りかかるみたいだ
由美がウインドウを空中に大きく展開させながら
パイ生地作りの動画を検索して表示再生させる
そして…動画を見ながら用意するものを言っていく
「用意するものは…えっと…薄力粉、強力粉、バター…と」
由美の言葉を聞きながら各自用意していき
薄力粉と強力粉は混ぜたあとでふるっておいてる
バターは1センチ角に切ってるみたいだ
「次に冷水に塩…冷水…幸正くん
かえでさんのところ 水魔法と氷魔法使える人いないよね?」
「あ うん ぼくがするから あとはいるよね?」
「「「はい」」」
俺はりんごの方を中断して
分量分の水をカップに入れたあと
氷魔法で冷やしていく
「かえでさん これでいい?」
「ありがとうございます 助かりました」
俺は再びりんごの方の作業に戻りつつ
周りを見ることにした
それぞれ冷水に塩を入れていき混ぜ溶かすと
次にボウルを用意すると
ボウルにバターとふるっておいた粉類をいれて
ヘラを使って切るように混ぜる
そして先ほど作った塩入冷水を入れて
粉気がなくなるまで切るように混ぜていた
ここまで作業が終わると
由美がアイテムボックスからサランラップを取り出す
「家にあったもの一通りアイテムボックスに入れておいてよかった
サランラップとかこっちにないだろうし
とりあえず、ラップでくるんで2時間冷蔵庫に寝かすと言うことだけど
どうしよう…」
俺はそれを聞いて冷蔵庫を作り出して
そこに設置して魔力充電を施す
「おねえちゃん はい」
「ありがと で、この冷蔵庫どうするの?」
「うーん 白井さんにあげるよ」
「「「「えっ?」」」」
俺の言葉に白井さん達が驚く
「よろしいのでしょうか?」
「大丈夫 お金もかかってないし
ぼくの能力で作っただけだから
ただ、魔力充電にしているから魔力はいるので
どなたかダンジョンでレベルアップして
MPを増やしておいてください
…なんだったら今からたけしさんつれて
ダンジョンに行きましょうか?」
俺がそう答えると
母親達が頭痛そうになっていた
「パイ生地は2時間寝かすことになるから
わたしたちはその間にりんごを煮詰めたり
カスタードクリームも作っておくね」
由美が俺にそう言う
「じゃあ、ぼくとたけしくんと…手が空いてるのはミアさんかな」
「はい わたし みてるだけでしたね」
「じゃあ、たけしくん ちょっと行こう」
「あ はい…」
俺とミアさんはたけしをつれて
ダンジョン入り口にいき
そこにいる管理人に挨拶をする
「経験値倍増付与ゲートは設置し終わってますか?」
「はい お陰様で冒険者協会に登録してくれる
冒険者も増えました」
「よかったです 問題の方は?」
「今のところは特にありません
犯罪持ちの輩は拘束されて警察に転送されていくのが
希に見掛けます」
「うまく機能してるようで一安心です
ちょっとゲートをくぐります」
「はい」
管理人と会話を交わしたあと
俺たちはゲートをくぐる
そしてパーティー設定を確認して
52階層へ転移魔法陣を使い移動して
ブラックホーンを1匹仕留める
たけしのレベルが10匹分のブラックホーンの経験値分あがる
「幸正くん あの…レベルが訳わからないほど上がったのですが」
「そのための経験値倍増付与ゲートですから
MPもだいぶ最大値増えてませんか?」
「はい…200超えているみたいです」
「それなら大丈夫そうですね 冷蔵庫も」
「充電はどうすればいいのです?」
「扉にはめてあるクリスタルに手を当てて
魔力を流し込むように意識すればいけると思います」
「わかりました ありがとうございます」
狩ったブラックホーンはミアさんが回収して
俺たちはパン屋さんの裏庭に戻る
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